1969年(昭和44年)は、時計界にとって重要な年であった。【オメガ(OMEGA)】の「スピードマスター」がアポロ11号によって月へと携行された他方で、複数のメーカーから史上初めての自動巻きクロノグラフが発表された。その一社こそ日本の【セイコー(SEIKO)】である。ちなみに同社は、同年に世界初のクォーツウオッチ「アストロン」も世に送り出したのだ。
2021年11月にはこの歴史的なクロノグラフを称えつつ、デザインと機能をモダナイズした「プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ」をリリース。とりわけホワイトダイアルモデルの人気が凄く、手に入りにくい状況が続いている。
1969年誕生「スピードタイマー」のデザインを受け継ぐ
世界初の量産型自動巻きクロノグラフは、セイコーが1969年に発売した「(セイコー5)スピードタイマー」とされている。本機は、国産初の自動巻きクロノグラフでもあったわけだ。独自の設計思想で、カウンターは30分積算計のみという特異なキャリバー6139を搭載した伝説的クロノグラフは、NASAの宇宙飛行士によって地球外へと持ち出されたりと、非常に逸話も多い。数多くの傑作を輩出してきたセイコーにとっても、技術力を証明するひとつのシンボルとなっている。
オリジナル「スピードタイマー」の特徴のひとつが、バリエーションの豊かさだった。多彩なデザインと手に取りやすいプライスで魅了したこのモデルをヒントに、キャッチーなカラーとお手頃感、そして手軽なソーラームーブメントを与えたのが、「プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ」となっている。存在感を放つスクエア型のインデックスなどに、当時の「スピードタイマー」の面影を感じ取ることができる。
セイコー「プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ」Ref.SBDL085 7万4800円
1960年代~70年代の流行で、オリジナルモデルも持ち合わせていた自由度の高いデザインに倣い、3カウンタータイプのパンダダイアルやブラックベゼルを採用。フル充電時で約6か月間動き続けるソーラームーブメントを搭載する。現時点で4型のバリエーションがラインナップされており、とくにSBDL085の人気が高い。文字盤の表面には共通で光の反射を抑える砂目調パターンが施されており、視認性のアップが図られている。
スペック:クオーツ(Cal.V192/ソーラー)、平均月差±15秒。ステンレススチールケース(一部に硬質コーティング)&ブレスレット、カーブサファイア風防(内面無反射コーティング)。直径39mm(厚さ13.3mm)。10気圧防水。
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