毎年発表される数多くの新作から、2016年に注目を集めたトレンドについて見ていきます。流行が最も分かりやすいのは、やはり文字盤色。ここ数年で最も数が出ている「青文字盤」について、3型の時計を例にあげながら魅力を考えていきます。
技術の進歩が実現した多彩な青色の表現
これまでの青文字盤は、海や空を連想させる色のイメージからダイバーズウオッチなどのスポーツ系で多く採用されてきました。それが、ここ数年でクラシックなモデルにも急増中。その要因は、技術の進歩によって様々な色表現が可能になったことがあげられます。
今や青文字盤とひと口にいえど、その色味は時計によって千差万別。では実際に、どれほど印象が変わるのか、仕上げの異なる3本の時計を例に見ていきましょう。
放電加工で作り上げた凹凸感が青ダイアルの陰影を豊かにする
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複合ケース構造の採用により、細部に至る丁寧な仕上げとエッジの立った造形が楽しめるハイコストパフォーマンスウオッチ。放電加工で凹凸をつけたブルー文字盤は、角度によって多彩な表情を見せてくれます。文字盤から浮遊するようにセットされた「サスペンディッド インデックス」の立体感も好印象です。
【SPEC】
ムーブメント:自動巻き(Cal.JR60)、毎時2万8800振動、38時間パワーリザーブ
素材:SSケース、ラバーストラップ
サイズ:直径44mm、厚さ12.6mm
防水性:100m
Cal.UN-320を搭載したドレスウオッチに青文字盤を採用
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非磁性素材のシリシウムをヒゲゼンマイとアンクルに用いた、自社設計ムーブメントCal.UN320搭載モデル。2016年から加わったブルーダイアルは、サンレイ仕上げで色の美しさを強調。10mmを切るスリムなケースと合わせ、エレガントな雰囲気に仕上げている。クラシックなデザインとモダンな色彩の融合が見事。
【SPEC】
ムーブメント:自動巻き(Cal.UN-320)、毎時2万8800振動、約48時間パワーリザーブ
素材:SSケース(シースルーバック)、レザーストラップ
サイズ:直径40mm、厚さ9.5mm
防水性:30m
ギョシェ装飾が映える美麗なラッカーブルーダイアル
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8日間巻きを誇る自社製手巻きムーブメントを搭載した新作のラッカーブルーダイアル仕様。美しい波型のギョシェ装飾が施された文字盤は、光の当たる角度によってユニークな模様を描き出します。これだけの内容で、150万円代ははっきりいって破格でしょう。
【SPEC】
ムーブメント:手巻き(Cal.A&S1016)、毎時2万1600振動、192時間(8日間)パワーリザーブ
素材:SSケース(シースルーバック)、エイジング加工カーフストラップ
サイズ:直径43mm、厚さ10.7mm
防水性:30m
2017年以降も数が増えそうな青文字盤は、もはや定番。美しい色味が多いので、キレイ目な服装と好相性。ブルー系のトーンonトーンでまとめると、時計の青が引き立ちそうですね。