SIHH2017の開催1か月前に、ヴァシュロン・コンスタンタンから2型の最新作が先行発表されました。ひとつは、レトログラードデイトとムーンフェイズを備えた「パトリモニー」の新型、もうひとつは、ブティック限定の「トラディショナル・トゥールビヨン・ミニットリピーター」。どちらも新型ムーブメントを搭載した意欲作です。
月の姿をゴールドで美しく描き出す
「パトリモニー」は、1950年代製モデルに着想を得たミニマルデザインが魅力のラウンドコレクション。そのシンプルながら調和のとれた文字盤デザインはそのままに、レトログラード・デイトとムーンフェイズを搭載したのが、最新作になります。
文字盤の下側に姿を表す月は、ケース素材に合わせてピンクゴールド、またはホワイトゴールドで描かれています。
月齢表示も備えたムーンフェイズ表示は、正確に29日12時間45分で地球を一回りする月の周期に合わせて表示を行い、その精度は122年ごとに1度だけ、1日分の誤差修正しか必要としません。
ひとつのリューズで日付とムーンフェイズが調整可能
レトログラード・デイトも備えたジュネーブ・シール取得の新型自社製Cal.2460 R31Lは、リューズを1段引きにした状態で時計回りに操作すると日付が、反時計回りに操作するとムーンフェイズが調整できる機構を採用。ちなみに2段引きでは時刻調整となります。
サファイアクリスタルのシースルーバック越しには、ヴァシュロン・コンスタンタンのシンボル「マルタ十字」をあしらった22Kゴールド製ローターをはじめとする機械の駆動が鑑賞できます。
【SPEC】
ムーブメント:自動巻き(Cal.2460 R31L)、毎時2万8800振動、約40時間パワーリザーブ
素材:18Kホワイトゴールドまたは18Kピンクゴールドケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ
サイズ:直径42.5mm、厚さ9.7mm
防水性:3気圧
ブティック限定モデルは二大コンプリケーションを搭載
最高峰の技術力を惜しげもなく投入して作られる「トラディショナル」コレクションから発表された新作は、トゥールビヨンとミニットリピーターを組み込んだコンプリケーションです。
自社ですべて開発・製造した新型ムーブメントCal.2755 TMR。最も厳格な技術を要する2つのコンプリケーションを統合し、毎時1万8000振動のロービートで時を刻みます。
マルタ十字を象ったトゥールビヨンキャリッジを支えるブリッジのバーは、約11時間もかけて職人が手作業で行うポリッシュ仕上げ。同じく手作業で彫られた緻密なギョシェダイアルと共に、ヴァシュロン・コンスタンタンが誇る職人技を文字盤でも愉しむことができます。
本機はブティックのみでの取り扱いで、ミニットリピーターが時を打つ音やハーモニーを増大させる共鳴ホルダー「ミュージック・オブ・タイム」とセットで販売となります。
【SPEC】
ムーブメント:手巻き(Cal.2755 TMR)、毎時1万8000振動、約58時間パワーリザーブ
素材:プラチナまたは18Kピンクゴールドケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ
サイズ:直径44mm、厚さ12.2mm
防水性:非防水
2017年のSIHH開催を前に新型ムーブメント搭載モデルを発表するとは、ヴァシュロン・コンスタンタンも思い切った決断をしたものです。SIHHでは、この話題を超える注目作が出てくるのでしょうか。注目です。