【ブルガリ(BVLGARI)】が、ジュネーブ・ウオッチ・デイズ 2026にて最新のウオッチコレクションを発表。レーザー刻印によってチタンの表面に魅惑的な視覚効果を施した「オクト フィニッシモ ダズル」をはじめ、「ブルガリ ティタニオ」からは、GMTモデルとクロノグラフモデルが登場した。
チタンを独自の美的言語へと昇華
イタリアを代表する世界的ラグジュアリージュエラーであり、時計業界でも独自の存在感を放つブルガリ。1975年の「ブルガリ ローマ」や1977年の「ブルガリ・ブルガリ」によって時計史に決定的な足跡を印した同メゾンは、1998年にアルミニウムとラバーを融合させた革新作「ブルガリ アルミニウム」でラグジュアリースポーツの概念を根底から覆した。さらに2014年以降、チタンという金属を軽量素材の枠組みから解き放ち、独自の美的言語へと昇華。今回、ジュネーブ・ウオッチ・デイズ 2026において披露された新作群も同素材を用いながら、時計造りの常識を揺るがす圧倒的なスタイルを提示している。
ブルガリ ウオッチ マネージングディレクターのジョナサン・ブリンバウム氏は、最新コレクションについて、次のようにコメントを寄せる。「ブルガリは、ただテクニカルな観点だけでチタンを選んだことは今まで一度もありません。2014年以来、チタンはブルガリ ウオッチの特徴を体現するクリエイティブな言語のひとつとなり、プロポーション、手首に載せた時の感覚、そして現代的なウオッチメイキングが生み出す表現の再定義をもたらしました。チタンの軽さ、強度、多様な特性は、ほかの素材では実現できない可能性を与えてくれるのです。2026年のジュネーブ・ウオッチ・デイズにて発表されるクリエイションのひとつひとつが、チタンから生まれる様々なフィロソフィーの側面を深く掘り下げます」。
チタン表面に描かれる幾何学な格子模様
新コレクションの中でまず注目したいのが、圧倒的なインパクトを放つ「オクト フィニッシモ ダズル」である。チタンの表面にデザインされた幾何学な格子模様は、ダイアルから外装ケース、さらにはブレスレットへと途切れることなく連なり、時計全体のフォルムを巧みに構成。新作の自動車を偽装するダズル迷彩に着想を得たこの視覚的仕掛けは、面の境界を自然に消失させ、輪郭の残像だけを空間に残すかのようなミステリアスな外観を生み出した。あえて無地として残されたベゼルのみが、その確かなシルエットを静かに告げる。
この精密なグラフィックパターンは、メゾンが誇る自社内の高精度レーザー彫刻技術によって刻まれている。チタンの質感を損なうことなく、光の乱反射をコントロールする彫刻は、表面装飾を超えてプロダクトの質感を根本から塗り替えた印象だ。外観の美学を裏支えする内部構造にも一切の妥協はなく、直径40mm、厚さわずか5.15mmという脅威的なスリムケースには、厚さ2.23mmの超薄型自動巻きムーブメント「キャリバー BVL138」を内蔵。マイクロローターを採用し、毎時2万1600振動で駆動するこの機構は、小型ながら約60時間のパワフルな駆動時間を確保。シースルー仕様のケースバックからはペルラージュやコート・ド・ジュネーブといった伝統的な仕上げが施された同ムーブメントの姿を鑑賞できる。また、ブラックセラミックをあしらったサンドブラストチタンのリューズや30m防水、幾何学模様が連続するチタン製ブレスレットなど、卓越した薄型技術と実用スペックが見事に同居する。
GMT機能を巧みに落とし込んだフェイスデザイン
一方で、伝説的なアイデンティティをチタンによって再構築したモデルが2つの「ブルガリ ティタニオ」コレクションである。旅の頼もしいパートナーとなる「ブルガリ ティタニオ GMT」の文字盤には、マットブラックの地にスーパールミノバを塗布したグレーの時分針とホワイトのインデックスが配され、外周部には昼夜の識別を可能とするツートーンの24時間表示をデザイン。サンドブラスト仕上げの40mm径チタンケースには、ブラックラバーベゼル、ブラックDLC加工が施されたリューズおよびケースバックを組み合わせ、100mの防水性能を備える。内部には厚さ4.1mmの自社製自動巻きムーブメント「キャリバーB192」を搭載し、毎時2万8800振動の安定した運針と約50時間のパワーリザーブを約束。チタン製リンクを配したラバーストラップはベルクロ仕様となっており、軽快な装着感も特徴となる。
グレーとブラックの現代的なグラデーション
もう一方の「ブルガリ ティタニオ クロノグラフ」の文字盤は、サブダイアルに施されたアズール仕上げとグラフィックな目盛りが印象的で、1990年代末の「ブルガリ アルミニウム」が持っていたモノトーンのDNAをグレーとブラックの現代的なグラデーションで美しく昇華させている。タキメータースケールやクロノグラフ針がテクニカルな趣を強調し、直径41mmのチタンケース内では自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー B381」が毎時2万8800振動で躍動。約42時間のパワーリザーブ、4時と5時位置の間には日付表示機能を有し、ブラックDLC加工のプッシュボタンや100m防水といった実用スペックも抜かりがない。
今回発表された新作群を見ると、ブルガリはチタンを用いて、時計の存在感そのものを再設計した印象を受ける。本来は輪郭を隠すための迷彩技術や、異素材の質感ギャップといった要素を力強い美学へと転化させた手腕は見事というほかない。チタンという同一素材から異なる表情を完璧に導き出したこれらのタイムピースは、高級時計の表現において新たな領域を切り開いたと言っても過言ではないだろう。
ブルガリ「オクト フィニッシモ ダズル」 Ref.104382 289万3000円/自動巻き(Cal.BVL138)、毎時2万1600振動、約60時間パワーリザーブ。チタン製ケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径40mm、厚さ5.15mm。30m防水。
ブルガリ「ブルガリ ティタニオ GMT」 Ref.104300 71万5000円/自動巻き(Cal.B192)、毎時2万8800振動、50時間パワーリザーブ。チタン製ケース、ラバーストラップ。直径40mm、厚さ9.7mm。100m防水。
ブルガリ「ブルガリ ティタニオ クロノグラフ」 Ref.104299 90万7500円/自動巻き(Cal.B381)、毎時2万8800振動、42時間パワーリザーブ。チタン製ケース、ラバーストラップ。直径41mm、厚さ12.35mm。100m防水。
問い合わせ先:ブルガリ ジャパン TEL.0120-030-142 https://www.bulgari.com/ja-jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/三宅裕丈
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