世界最大の新作時計見本市「WATCHNES & WONDERS GENEVA 2026」にて、【ブルガリ(BVLGARI)】は新作「オクトフィニッシモ」の 37mmを披露した。だが、そのイベントの開催前に来日したブルガリのウォッチ プロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクターのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏と会い、開発背景について話を聞くことができた。なぜ37mmを選んだのか。そして、新型ムーブメントを開発してまで目指した狙いとは。
「37mmこそがベストなサイズでした」

「オクト フィニッシモ」は2014年に初めて登場し、いまやブルガリのフラッグシップコレクションとなった。基本サイズは、クロノグラフや一部のコンプリケーションを除けば、直径40mmサイズが基本。これにチタンやゴールドの素材を用い、ときに著名アーティストらとコラボレーションしながら、あらゆるバリエーションを生み出してきた。肝心の厚さはケース自体は5.15mmや6.40mmが主流であり、搭載するキャリバーBVL 138 “フィニッシモ”の厚みは2.23mmである。このサイズ感が、長らく「オクト フィニッシモ」の代名詞だった。
新作では、最大の特徴である37mmの直径に対し、厚みを6.45mmに変更。従来のチタンケースからは1mm以上も増したことになる。とはいえ、ステンレススチールやゴールド製のモデルの場合は直径40mmでも、厚みが6.40mmあったため、さほど見た目の印象に違和感を覚えることはなさそうだ。こうしたサイズ感の変更についての狙いを、ウオッチ部門のデザインを統括するボナマッサ氏に聞いた。
「オクト フィニッシモにサイズの選択肢を持たせたいと、以前から考えていました。ただし、明確に着用シーンやジェンダーを区別するのではなく、誰の腕にでも着けやすいモデルにしたかったんですね。それで、ウオッチマスターらを交えながら36mmから39mmまで色々なサイズを、モックアップを作って試していったんですが、36mmだとフェミニンな雰囲気に寄ってしまうし、逆に38mm以上では既存の40mmとの違いが生まれにくい。試行錯誤の末、結果的に37mmが完璧に私たちの意図に合致したんです」

高級時計にとってデザインを維持しながら、サイズを変更することは、ほぼゼロベースでの再設計を意味する。だからこそ、37mmには新たなムーブメントが組み込まれることとなった。
「新しいサイズをメインストリームにしていきたい」
「小径化について“すべてのパーツをただ小さくすれば良いだけだ”と、多くの人は考えるでしょう。ただ、実際にそうするとあらゆるバランスが破綻してしまうんです。とくに今回の新作は、しっかりメインストリームとして長く続くモデルにしたかった。なので、ラグの形状をより安定感のある形状に再設計し、ブレスレットにはプッシュボタンを加えるなどの変更を施しています。また、このモデルが搭載しているムーブメントはパワーリザーブが72時間まで延長され、仕上げにおいても本当に素晴らしい出来栄えで、個人的にとても気に入っています。実は37mmは、ムーブメントを合わせにくいサイズだという意見もあったのですが、結果的にベストな判断でした」

ファブリツィオ氏も太鼓判を押す新型キャリバーBVF 100は、約3年もの期間をかけて自社で設計・製造したムーブメントである。中核技術には近年にブルガリが「セルペンティ」のために開発した、2つの極小ムーブメント、BVP100“ピコリッシモ”とBVS100“レディ ソロテンポ”の技術成果を凝縮。マイクロローターとテンプ、香箱のバランスの良い配置により、従来の40mmモデルに搭載されているキャリバーからは、厚みこそ0.12mm増したもののムーブメント全体の体積は約20%削減した。結果、チタンモデルでは組み立て後の重量を約65gにまで抑制。バランス、調和を優先した設計面においても、ブルガリの徹底した実用志向が見て取れる。

「この新作のバックルには、より着脱しやすくなるようプッシュボタンを追加しました。ボタンの形状もオクトのデザインコードに則ったものとし、調和を図っています。チタンモデルにはブラックのインデックスを持つものと、外装に仕上げ分けを施したロジウムプレートのインデックスのものの2本があり、18KYGバージョンも加えました。どれもとても気に入っています」

インタビューの最後にファブリッツィオ氏は、今年はさらなる話題作が控えていると教えてくれた。
「9月のジュネーブ・ウォッチ・デイズでは、みなさんが驚くような新作を発表する予定があります。そちらも楽しみに待っていてくださいね」



問い合わせ先:ブルガリ・ジャパン TEL.0120-030-142 https://www.bulgari.com/ja-jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/Daisuke Suito (WATCHNAVI) Photo/Keita Takahashi (TRS)
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