スイスのジュウ渓谷(ル・ブラッシュ)にて1875年に創業した【オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)】は、世界3大時計ブランドの一角に数えられる老舗メゾンである。新たな可能性を提示するタイムピースをこれまでに数々生み出し、いつの時代もコレクターを魅了してきた。今回は、音に包まれた生活を好む人ならば最高のパートナーとなるであろう、「音楽」にフィーチャーしたロイヤル オーク オフショアを発表した。
メゾンが挑戦を続ける腕時計と音楽の調和
オーデマ ピゲにとって、「音」は極めて重要な時計製造の歴史の一部。さかのぼること創業当初、1882年からの10年のうちに製造した1625本の時計の半数以上にソヌリのメカニズムが搭載されていたという。それら、ハンマーが打ち鳴らすゴングから響きわたるメゾンの“時の調べ”は進化を続け、いまでは時計師、エンジニア、音楽家、音響専門家などを巻き込み、8年に及ぶ研究を重ねた革新テクノロジー「スーパーソヌリ」にまで発展を遂げている。
ロイヤル オーク オフショアの最新作となる「ロイヤル オーク オフショア ミュージックエディション」は、オーデマ ピゲと音の関係性を体現した一本。イコライザーの波形を表したタペストリーダイアルは、音を奏でずとも音が感じられる。このような意欲作が登場した背景には、来年に現職から退く決断をしたCEO、フランソワーアンリ・ベナミアス氏の働きかけがあったと推察される。
ベナミアス氏は、プロゴルファーから転身して1994年にオーデマ ピゲのフランス支社に入社した異色の経歴の持ち主。1999年から北米社長兼CEOに就き、2013年より本社CEOとなった。メゾンが音楽界のアーティストと初めてコラボしたのは、2005年のJay-Zモデルである。後にロックの殿堂入りも果たすアメリカの人気ラッパーとメゾンを繋いだのは、疑う余地なくべナミアス氏の功績だろう。2009年のクインシー・ジョーンズとのコラボモデルも、言わずもがなだ。
2010年からは、世界3大ジャズフェスティバルに数えられる、スイスの「モントルー・ジャズ・フェスティバル」のAVアーカイブ全体をデジタル化し、後世に残すプロジェクトの支援に参画。2019年からはグローバルパートナーとなり、この祭典との絆をより深めている。
同じく2010年からオーデマ ピゲは独自の音楽プログラムの展開も開始。5つのエピソードからなるミニシリーズ「180」では、独創的なコラボサウンドトラックをアーティストたちが作り出す過程を、それぞれ異なる監督が撮る映像制作を支援した。そして今年は、ブルーノ・マーズやレディー・ガガなどとのコラボでヒット作を連発する世界的DJ、音楽家でありプロデューサーのマーク・ロンソンとの長期提携プログラムが始まったばかり。いまもル・ブラッシュのメゾンでは、多様な音楽が鳴っているに違いない。
オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア ミュージックエディション」 Ref.15600CE.OO.A002CA.01 506万円(2022年9月1日からの新価格)
スペック:自動巻き(自社製Cal.4309)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)、ラバーストラップ(インターチェンジャブルストラップシステム搭載)。直径43mm、厚さ14.4mm。100m防水。ブティック限定250本。
2021年に発表されたインターチェンジャブルストラップシステムを採用し、43mm径(写真)と37mm径を合わせて全5型で展開される特別仕様のロイヤル オーク オフショア。音楽に対するメゾンの姿勢を、個性豊かなディテールで表現している。
「ロイヤル オーク オフショア ミュージックエディション」も搭載するインターチェンジャブルストラップ「インターチェンジャブルストラップ」は、オーナー自身が工具を使うことなくロイヤル オーク オフショアのストラップを交換できる仕組みを備えている。ロイヤル オーク オフショアには2021年から搭載がスタート。新作「ミュージックエディション」にはターコイズブルー、イエロー、グリーンの3本のラバーストラップが付属する。 |
個人所有の希少モデルをブティック地下に揃えた特別展
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問い合わせ先:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000
日本特別サイト:https://borninlebrassus.audemarspiguet.com/
公式サイト:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/home.html
Text/水藤大輔(WATCHNAVI) Photo/高橋敬大(TABLEROCK) Styling/石川英治(TABLEROCK studio)
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