ケースやダイアルのデザイン・素材など、時計の魅力を決定する要素は数多く存在するが、時計ファンならその心臓部であるムーブメントに注目したいもの。そこで、本特集では人気ブランドについて、[ムーブメント概要=全体像][基幹=主力ムーブメント][最新&注目のムーブメント]について詳細を解説。時計内部の知識が深まれば時計の真価もさらに理解できるはず。今回はオメガをピックアップ!
オメガ(OMEGA)
冒険シーンもサポートする屈強・高品質ムーブを開発
「スピードマスター」に搭載されるCal.321やCal.3861、「シーマスター」に搭載されるCal.8500やCal.8900など、多くの傑作ムーブを製造。コーアクシャル脱進機(1999年)や、それを進化させたマスター コーアクシャル(2013年)など、耐磁性・耐久性分野で先駆的役割を果たし、2015年からはスイス連邦軽量・認定局(METAS)が定める8つの厳格な基準を満たすマスター クロノメーター規格もいち早く導入している。
基幹ムーブメント
スピードマスターの初代ムーブメントである手巻きCal.321(1957年)をルーツに持つ伝統キャリバー。Cal.321はその後、振動数のアップやクロノグラフ機構の改良など、精度や耐久性・操作性を向上させるさまざまな改良が加えられ、Cal.861やCal.1861へと発展。2019年に登場したCal.3861からマスター クロノメーター認定ムーブとなっている。パワーリザーブ50時間。
エネルギー効率を高めると同時に、パーツの摩耗も著しく低減するコーアクシャル脱進機。この革新機構の性能を存分に発揮するため、2007年に開発された自社製自動巻き3針用ムーブメントがCal.8500。これをベースに1万5000ガウスの耐磁性を持つマスター クロノメーターへと進化させたのが、2015年登場のCal.8900。Cal.9900はクロノグラフ機構などを追加した派生キャリバーだ。
主な派生ムーブメント
Cal.9900 など
注目の最新ムーブメント
シリコン製ひげゼンマイの採用などで耐磁性などを強化。METASによるマスタークロノメーター規格に認定された、自社開発の手巻き2カウンター式(60分と12時間の同軸積算計&スモセコ)クロノグラフムーブ。クロノグラフの制御機構には高級モデル伝統のコラムホイール式を採用。並列に配したツインバレルを備え、パワーリザーブは60時間を確保した。
搭載モデル「スピードマスター ‘57 キャリバー9906」
問い合わせ先:オメガお客様センター TEL.03-5952-4400
https://www.omegawatches.jp/
◎本記事は『ウオッチナビ 2022 Summer Vol.86』より抜粋・編集しています。
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