【シチズン（CITIZEN）】が、一度のフル充電で365日動き続けるエコ・ドライブ ムーブメント「キャリバーE365」を発表した。そして同時に同キャリバーを搭載する「Eco-Drive 365」も披露され、2023年秋冬のリリースもアナウンスされた。価格は5万8300円～11万円（税込）。
1970年代に始まったシチズンの光発電技術の開発
エコ・ドライブは太陽光や蛍光灯の光を受けることで、内蔵のソーラーセルが発電して時計を動かす、シチズン独自の光発電技術だ。その開発は半世紀近く前に始まっており、1976年に世界初のアナログ式光発電時計「クリストロンソーラーセル」を発表し、1986年にはこちらも世界初となるフル充電200時間駆動を実現したモデルを開発。1995年にはリチウムイオン二次電池の採用により、フル充電で6か月間もの駆動を可能とするモデルを生み出すなど、光発電のパイオニアとして技術革新を行ってきた。そして今回、フル充電で365日動き続ける新エコ・ドライブ ムーブメント「キャリバーE365」の完成に至ったのである。
現行のエコ・ドライブ搭載モデルはフル充電時、半年以上駆動する仕様となっているが、「キャリバーE365」は最新の低消費電力技術を用いることでフル充電時365日のロング駆動を実現している。その一方でムーブメント径はスタンダートな27mmに抑えており、運針パルスなどにも工夫を重ねてデザインの自由度も確保しているのだ。
この革新的な「キャリバーE365」を搭載する「Eco-Drive 365」は、ファーストラインナップとして限定モデルを含む3型がまずは発表された。レギュラーモデルはステンレススチールの質感をそのまま生かしたBN1014-55Eと、オールブラックのBN1015-52E。直線的な面と山型から構成されたケース＆ブレスレットは共通となるが、これは1973年に発売したクオーツ時計「シチズン クオーツE・F・A」に着想を得たもので、その個性的なスタイルに新たな解釈を加えている。
最新の光発電技術を用いて製造される文字盤は、読み取りを助ける金属インデックスを備えた見返しリング、3時位置のカレンダー表示など、シンプルかつ広がりのあるデザインと実用性を兼備。その表面はブラックに見えるが、大きさやカラーが異なる4種類を調合したラメが施されており、美しい夜空や神秘的な宇宙を想起させるロマンチックな仕上げとなっている。
1973年発売の「シチズンクオーツE・F・A」を再現
世界1200本の限定仕様となるBN1010-05Eは、レギュラーモデルと同じく1973年発売の「シチズンクオーツE・F・A」をモチーフとしているが、ゴールドの見返しリング、インデックスの4ヶ所に施されたルビー、レザーベルトの採用など、よりオリジナルに近いディテールを再現。レトロ感の強いデザインながら、最先端ムーブメントのCal.E365を搭載しており、このギャップも本機の魅力といえるだろう。インデックスのルビーは、天然ルビーと同じ硬さ・輝きで、地球ではなく100%ラボから生まれたラボグロウン・ルビーとなり、レザーベルトは環境への配慮、製造工程における安全性などが保証されるLWG認証で、時流に沿った素材が使用されている点にも注目しておきたい。
多くのユーザーから支持を集めそうな超実用的モデル
エコ・ドライブ最大のメリットは、定期的な電池交換を不要とする点だ。Cal.E365というムーブメントは、一度のフル充電で365日駆動を可能とし、このメリットが飛躍的に向上した印象を受ける。Cal.E365搭載モデルは、3種類とも2023年の秋冬発売予定のため、店頭に並ぶのは少し先のことになるが、多くのユーザーに支持される商品となりそうだ。
シチズン「Eco-Drive 365」 Ref.BN1014-55E 5万8300円／エコ・ドライブムーブメント（Cal.E365）。ステンレススチールケース＆ブレスレット。直径42.5mm、厚さ11.1mm。10気圧防水。2023年秋冬発売予定。
シチズン「Eco-Drive 365」 Ref.BN1015-52E 6万3800円／エコ・ドライブムーブメント（Cal.E365）。ステンレススチールケース＆ブレスレット（ジェットブラック色めっき）。直径42.5mm、厚さ11.1mm。10気圧防水。2023年秋冬発売予定。
シチズン「Eco-Drive 365」 Ref.BN1010-05E 11万円／エコ・ドライブムーブメント（Cal.E365）。ステンレススチールケース、カーフストラップ。直径42.5mm、厚さ11.1mm。10気圧防水。世界限定1200本。2023年秋冬発売予定。
問い合わせ先：シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807 https://citizen.jp/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text／三宅裕丈
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