創業当初から大量生産とは異なる“逸品作り”を理念に、確固たる地位を築いてきたミッシェル・エルブラン。2010年に兄から経営を受け継ぎ、現CEOを務めるピエール・ミッシェル・エルブラン氏が、ブランド節目の年で挑む新たな試みを明かしてくれました。
70周年はお祝いの復刻と新しい挑戦
――今年は節目の年ですがミッシェル・エルブランとして大きな話題はありますか?
70周年のトピックは2つ大きなものを用意しています。1つ目はスマートウオッチの発表です。現在のタイミングでは、タグ・ホイヤーをのぞいて唯一のスイスメイドで、基幹モデルのニューポートをベースにしています。見た目はアナログウオッチですが、活動量が測れるなどの付加価値をスイス製ながら気軽に試していただけるのです。これは重要なチャレンジとなるので、ソフトウェアは信頼できるパートナーからMotion―Xの技術を導入しています
――ニューポートの新たな展開というわけですね。
ニューポートは、それとは別にフルリニューアルも視野に入れています。70周年を皮切りに、その後のMHを象徴するようなコレクションへとさらに変化させる予定です。我々の顧客は半分以上が女性ですが、彼女らはこちらがメンズモデルと位置づける時計を購入することも多い。女性にさらに好まれるシリーズとなるかもしれませんね。
――もう1つの目玉はどのようなものでしょうか?
MHの哲学そのものといえる、オリジンのような時計をバーゼルで発表しました。創業当時に発表され、その後50年代のデザインの基調となった時計に対する、オマージュを捧げた一本です。創業者である私の父が手掛けていた頃の雰囲気を纏わせていて、今、私自身も一番お気に入りです。
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