1936年から続く【IWCシャフハウゼン】の象徴的な航空時計「パイロット・ウォッチ」の2022年ニューモデルを大検証

スイスの高級時計ブランド【IWCシャフハウゼン(IWC SCHAFFHAUSEN)】の人気時計、パイロット・ウォッチ・マークコレクションが2022年に生まれ変わった。1936年からの歴史を持つこの名機の魅力について、東西ブティックの評価の声と併せて解説する。


新型キャリバーの搭載でより実用的な進化を果たした。「パイロット・ウォッチ・マークXX」 Ref.IW328201 68万7500円

 

新型キャリバー搭載で「マークXX」へと進化したクラシック航空時計の王道

1936年、今も製造が続く伝説的な航空時計の初号機「スペシャル・パイロット・ウォッチ」、ReḟIW436が誕生した。開発したのはIWC。当時の社長だったエルンス・ヤコブ・ホムバーガーのふたりの息子が発案したという。パイロットでもあった彼らは航空時計に求められる要件を熟知しており、急激な温度変化への適応、飛散防止ガラスを用いた風防、そして耐磁性能を与えたのだった。


1930年代中頃に製作されたパイロット・ウォッチの初代機。すでに耐磁性を有していた

 

1940年にはのちのビッグ・パイロット・ウォッチの起源となる「ビッグ・パイロット・ウォッチ・キャリバー52ṪṠĊ」が登場。直径55mm、厚さ16̇5㎜mmという特大サイズは、圧倒的な視認性と操作性を特徴とした。これらの製造で得たノウハウを用いて、1948年には現代IWCのクラシック・パイロット・ウォッチの直接的なルーツとなる腕時計「マークⅪ」が登場。英国空軍(RAF)の要請を受けて作られた同機は、軟鉄製インナーケースを用いた耐磁構造により、レーダー装置などから発せられる強力な電磁場からムーブメントを保護。搭載するキャリバー89の高精度を視認性高く、着用者に報せたのである。このモデルは実に30年以上に及ぶロングセラーを記録した。

カラーの選択肢で広がる上質な航空時計へと進化。「パイロット・ウォッチ・マークXX」
(レザー)Ref.IW328203 68万7500円/(ブレスレット)Ref.IW328206 81万9500円

 

1994年の「マークⅫ」以降は、時代に応じて進化し、2016年の「マークXⅧ」を経て、最新型の「マークXX」へと結実。基本デザインは変わらずとも、搭載ムーブメントは大きな進化を遂げている。また、ディテールのブラッシュアップはもちろん、従来の実用本位だったパイロット・ウォッチの印象を変えるグリーンダイアルの追加も特筆点。名機は今まさに、新章へ突入した。

 

IWCのことならスペシャリストに聞け! 銀座&大阪心斎橋ブティックで調査
パイロット・ウォッチ・マークXXの注目点と対抗モデル

新世代機の魅力を知るブティックマネージャーにオススメの仕様を取材。比較検討されそうなモデルと合わせて、注目ポイントを聞いた。


IWC 銀座ブティック 住所:東京都中央区銀座6-6-1 TEL:0120-26-1868 営業時間:11:00~20:00(日曜のみ~19:00)

今回の世代交代は好意的な意見が多数

銀座ブティックでのマークXXの評判は、かなり良いという。「従来のモデルチェンジですと、『先代モデルの方が良かった』とのご意見をいただくこともありましたが、マークXXに関してはポジティブな意見が圧倒的。やはり今までにないEasX-CHANGEシステムが購入の決め手になっている印象を受けます」(IWC 銀座ブティック マネージャー)。銀座には目の肥えた時計愛好家が多い一方で、本格時計を初めて購入しようと訪れる人も多い。IWC独自のストラップ交換構造は、便利なことからその両者から好評のようで、結果的にマークXXの高い評価に繋がっている。

<IWC 銀座ブティック>レコメンドモデル

「パイロット・ウォッチ・マークXX」 Ref.IW328201 68万7500円(交換用ラバーストラップ 3万4100円)

「今までになかったストラップ交換が魅力」

銀座ブティックのおすすめは、ブラックダイアルにラバーストラップという組み合わせ。こうした付け替えを薦めやすくなったのは、やはりEasX-CHANGEシステムによるところが大きい。「10気圧防水とEasX-CHANGEシステムの採用により、TPOに合わせて使える幅が広くなったことが一番の魅力だと思います。ラバーストラップを追加で持っておくと、リゾートでもお使いいただけます」(IWC 銀座ブティック マネージャー)。ストラップのバリエーションは、ぜひブティックでご確認いただきたい。

 

<IWC 銀座ブティック>マークXXの対抗モデル


「ビッグ・パイロット・ウォッチ 43」 Ref.IW329301 116万500円

「実際に検討する人も多いという究極の2択!?」

マークXXと比較検討されそうなモデルとして銀座ブティックで挙げてもらったのは、ビッグ・パイロット・ウォッチ 43。シースルーバックからCal.82100が確認できる点に大きな違いがある。「実際にこの2択で検討される方も多いです。従来のビッグ・パイロット・ウォッチの46㎜の大きさを敬遠されていた方でも、43㎜ならば抵抗なく着用いただけます。マークXXと同じく、ビジネスシーンでも違和感なく着用できるサイズ感という点もいいですね」(IWC 銀座ブティック マネージャー)。

 


IWC 大阪心斎橋ブティック 住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋2-2-3 TEL:0120-27-1868 営業時間:11:00~19:00

最新技術が投入された新世代は大反響

関西一の繁華街の中心地にある心斎橋ブティックでもマークXXは一大旋風を巻き起こしているそうだ。「今回の世代交代で皆様が『このモデルを待っていた!』というぐらいに隙がなくなり、大反響を呼んでいます。現在、当店では一部商品の店頭展示があり、購入は入荷連絡を承り中という状況です」(IWC 大阪心斎橋ブティック マネージャー)。誰もが納得できる価格とスペックのバランスが整ったマークXXは、ファンにとって待望の一本と言えるだろう。

<IWC 大阪心斎橋ブティック>レコメンドモデル


「パイロット・ウォッチ・マークXX」 Ref.IW328203 68万7500円(交換用NATOストラップ 32万900円)

「ストラップを変えて自分好みに仕立てる」

大阪心斎橋ブティックで挙げてもらったおすすめの組み合わせは、防水性の向上とEasXCHANGEストラップの追加という進化に合わせたもの。その発想は、さすがブティックだ。「ブルーの文字盤同色のNATOストラップの組み合わせは、オリジナリティがあっておすすめです。防水性が増したのでアクティブなライフスタイルでも安心してお使いいただけますし、他のストラップに交換すれば幅広いシーンに対応できます」(IWC 大阪心斎橋ブティック マネージャー)。確かに自分好みに仕立てるのも面白そうだ。

 

<IWC 大阪心斎橋ブティック>マークXXの対抗モデル


「ビッグ・パイロット・ウォッチ 43」 Ref.IW329304 129万2500円

「“欲しい”が見つかる幅広いサイズ展開」

銀座ブティックと同じく、マークXXの対抗馬はビッグ・パイロット・ウォッチ 43。改めて幅広い顧客層を見据えたコレクションのラインナップに感心する。「こちらはよりハイエンド寄りのモデルを好まれる方に最適な一本だと思います。また、『46mmでは大きすぎるが、マークXXの40mmでは物足りない』という方にご提案しやすいモデルでもあります」(IWC 大阪心斎橋ブティック マネージャー)。パイロット・ウォッチの幅広いサイズ展開は、時計選びの現場で極めて効果的に機能しているようだ。

 

問い合わせ先:IWCシャフハウゼン TEL:0120-05-1868 https://www.iwc.com/jp/ja/

Text:水藤大輔/Daisuke Suito(WATCHNAVI) Photo:岸田克法/Katsunori Kishida

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