海の情景と「阿波藍」が織りなす“青”の集大成の腕時計。カシオ オシアナス「OCW-S6000AP」着用レビュー

海の近くで育った筆者にとって、青い時計は常に特別な引力を持っている。昨今、ダイアルから外装パーツに至るまで多様な青の表現が時計界に溢れているが、カシオのプレミアムブランドであるメタルアナログウオッチ【オシアナス(OCEANUS)ほど、この色に並々ならぬ情熱を注いできたブランドも珍しい。

ブランド哲学の「先進のテクノロジーとスポーティなエレガンス」を象徴するその青は、常に独自の進化を遂げてきた。今月リリースされた新作「OCW-S6000AP-1AJR」は、彼らが長年培ってきた青の探求における、ひとつの集大成といえるモデルに仕上がっている。手元で特別な輝きを放つ、この美しき青い時計の着用感をここにレポートする。


ありきたりかもしれないが、スリムな時計はオンオフ両用の最適解

今や時計界において「青」は完全に市民権を得ており、スーツやジャケットを羽織るビジネススタイルから、休日のカジュアルな装いまでシームレスに調和するモデルが年々増加している。オシアナスが主眼を置くのは、身だしなみを日々意識する30代から50代の成熟した大人の男性。彼らの審美眼に応えるべく、一貫してスタイリッシュなデザインを追求し、ブランドカラーである青の表現を徹底してこだわり抜いてきた。ブランドが歩んできた青の探求。そんなバックグラウンドに想いを馳せながら「OCW-S6000AP-1AJR」の実機に触れると、これがひとつの完成形なのだという確信に変わった。

ベースとなるダイアルは、藍染の極致ともいわれる黒に近い「留紺(とまりこん)」を表現した濃紺。そこに波をイメージしたパターンがあしらわれ、どことなく唐松模様にも通じる、奥ゆかしい和の趣きを醸し出している。12時・9時・6時位置のインダイアルには、阿波藍で着色されたマザー オブ パール(白蝶貝)をセット。遠方になるにつれて青が薄く見える、広大な海の情景を再現している。さらに、メタルの縁や12時位置のインデックスに加え、リューズやプッシャーにはブルーグレーIPを、ボタンパイプにはブルーIPを施すなど、ディテールごとに緻密に計算された青が用いられている。

そして本機の造形的なハイライトとなるのが、ブルーグラデーションのサファイアガラスベゼルだ。波の躍動感を表現した48面もの複雑なカッティングが施されており、光の反射によって手首を返すたびに多彩な表情を見せる。見る者を惹きつけてやまない、圧倒的な魅力といえる。デザインと機能の特徴を、下にまとめた。

◆48面のカットが美しいサファイアガラスベゼル
厚さ約3.6mmのサファイアガラスリングには、24面のファセットカットに加え、独自開発による24面のスパイラルカットも施されている。この計48面からなる多角形状ベゼルにブルーグラデーション蒸着を組み合わせ、力強い波の躍動感を再現。複雑な光の反射が、本機を“貴石を使わないラグジュアリーウオッチ”へと押し上げている。

◆阿波藍が描く、インダイアルの海
インダイアルのマザー オブ パールは、日本国内で流通する天然藍の大部分を占める徳島県産の「阿波藍」で着色。その中でも、生葉1トンからわずか2〜4キロしか得られない、極めて希少な沈殿藍から抽出した「青藍粉(せいらんふん)」を使用している。インダイアルごとに顔料を緻密に調整することで、光や大気の影響を受け、遠方になるにつれて青が淡く溶け込んでいく海の情景をこの小さな盤面へ描き出した。

◆「留紺」を表現した深みのあるダイアル
ダイアル全面には、波をイメージしたパターンを透明マット印刷でデザイン。ベースの濃紺はあえて天然藍ではなく、藍染においてこれ以上浸けても染まらないほど黒に近い「留紺(とまりこん)」をイメージし、ブラック蒸着で仕上げている。微かに青みを感じさせ、眩しい太陽光の下での表情も実に印象的。この引き締まったカラーが、各所のブルーをより一層際立たせている。

◆ディテールごとに異なるブルーで彩る
外装もパーツごとに異なるブルーを採用。チタン製のケースとバンドには耐傷性に優れたブルーAIP(アークイオンプレーティング)、リューズとプッシュボタンにはブルーグレーIP、ボタンパイプにはブルーIPで蒸着処理を施している。海、そして伝統技術である藍染が持つ多彩な青の表情を、時計全体で余すところなく演出しているのだ。

◆実用性を高める公式アプリ「CASIO WATCHES」
個人的にも重宝しているのが公式アプリ「CASIO WATCHES」だ。カシオ製のBluetooth搭載ウオッチに対応しており、海外渡航時にもスマホから手軽にタイムゾーンの変更などができて便利なのだ。なお「OCW-S6000AP-1AJR」は、Bluetooth連携のほかに日本・北米・ヨーロッパ・中国エリアの標準電波に対応する「マルチバンド6」も搭載しており、時計単体でも自動的に正確な時刻を刻んでくれる。

天気の良い海辺で本領発揮。ブルーの美しさがさらに高まる

ここまではブルーの表現や技術面に対する魅力について綴ってきたが、この「OCW-S6000AP-1AJR」はやはり外に連れ出してこそ本領を発揮するタイムピース。そう考え、実際に海辺へと携行し、いくつか撮影をしてみた。

⚫︎自然光の下で輝く多面カットベゼル
天気が良く、海の青さが際立つ日には、多面カットのサファイアガラスベゼルがまるで貴石のように輝き、抜群の存在感をアピールする。

⚫︎時計全体が帯びるブルーの存在感
「OCW-S6000AP-1AJR」が時計全体でブルーを纏っていることがよくわかる1枚。太陽光の下で独自の存在感を放ち、これからの夏本番、思う存分腕元を彩ってくれるだろう。

⚫︎海辺のアクティビティにも安心の10気圧防水
本格的なダイビングではなくとも、海辺のアクティビティ程度なら十分に耐えられる10気圧防水を確保。チタン外装のためサビにも強く、海での使用にも確かな安心感がある。

⚫︎デスクワークでも光るスポーティ・エレガンス
海から離れ、デスクの上にて。改めてスポーティさとエレガントさを高い次元で兼備していることがわかる。デスクライトの下でも視認性を失いにくく、ダイアル表面の個性的なパターンが美しく浮かび上がる。

⚫︎厚さわずか9.2mm。ザラツ研磨が魅せる平滑面
ケース厚は10mmを切るスリムな9.2mm。多数の直線から構成されるケースは、ザラツ研磨によって歪みのない平滑面とシャープなエッジを実現している。ヘアライン仕上げにブルーAIPのコーティングが施され、自然光の下でその美しさはいっそう際立つ。

⚫︎夏の腕元をアクティブかつ上品に
半袖を着る機会が増えるこれからの季節、海辺へ出掛けることもあるだろう。そんな時、「OCW-S6000AP-1AJR」があればアクティブなシーンから重要なディナーまで、シームレスに大人の腕元を演出してくれる。

まとめ:日本の伝統美と先進技術が交差する、唯一無二のブルー

「OCW-S6000AP-1AJR」を実際に着用してみて強く感じたのは、オシアナスが長年追求してきた青の表現が、単なるバリエーションの域を超え、日本の伝統的な美意識と深く結びついたという個性だ。

阿波藍の「青藍粉」を用いたマザー オブ パールのインダイアル、「留紺」を表現した奥ゆかしい和のエッセンス、独自の48面カットベゼル、そしてモバイルリンク機能といったカシオが誇る先進技術。一見相反するこれらの要素が、厚さ9.2mmのスリムなチタンケースの中で極めて自然に、そして美しく融合している。

スーツの袖口にもすっきりと収まるプロポーションでありながら、休日の海辺でも主役を張れるスポーティな頼もしさ。チタン外装のため軽量で、腕へのホールドも心地良く、金属アレルギーを起こしにくい安全性も保たれている。こうした理由から、時計に「美しさ」と「実用性」の両方を求める欲張りな大人にこそ、「OCW-S6000AP-1AJR」は提案したい一本だ。待ち遠しいこれからの季節を共に過ごす、最高のパートナーとなってくれることだろう。

 

オシアナス「OCW-S6000AP-1AJR」 49万5000円/クオーツ(タフソーラー)、時刻修正機能:Bluetooth連携(公式アプリ「CASIO WATCHES」対応)、マルチバンド6(世界6局標準電波受信)。チタンケース&バンド(耐傷性に優れたブルーAIP処理)、サファイアガラスベゼル。縦47.1mm×横42.5mm、厚さ9.2mm。10気圧防水。シリアルナンバー刻印(ケースバック)。専用パッケージ付属。世界限定700本。

 

問い合わせ先:カシオ計算機 お客様相談室 TEL. 0120-088925(時計専用) https://www.casio.com/jp/watches/oceanus/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/山口祐也(WATCHNAVI編集部)

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