ラグにオリジナルの意匠を残しながらも現代的な仕上がり
フィフティーシックスの第1弾コレクションは、オートマティック、デイ/デイト、コンプリートカレンダーの3型6リファレンスで登場。ステンレススティールとゴールドの両方を同時に発表するのは、260年以上あるブランドの歴史のなかでも初めてだそうです。
トータルデザインは、1950年代に製造していた自動巻きウオッチ「リファレンス 6073」にインスピレーションを受けたもの。その片鱗を、ラグの形状に見ることができます。
インデックスは、ビンテージ感のある飛びアラビアスタイルを採用。奇数のバーインデックスに施された夜光処理に、アクティブな雰囲気が漂います。偶数のアラビア数字インデックスは、現行モデルの「ヒストリーク・トリプルカレンダー 1942」にも似た、丸みを帯びた可愛らしさも感じる書体を採用。日付表示も同様の書体となっています。
盤面は仕上げを使い分けることで、モノトーンなのに表情は豊か。このデザインの妙は、さすが伝統あるブランドです。
ジュネーブ・シール未取得でも魅力的なオートマティック
次は、個別のモデルを見ていきましょう。やはり注目は、オートマティックのステンレススティールモデル。
直径40mmのこのタイムピースは、自社開発の新型キャリバー1326を搭載。ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴でもあるジュネーブ・シールは未取得ですが、それが130万円台という価格を実現する理由のひとつにもなっています。ジュネーブ・シールのような証明を取得するためには、それなりの費用がかかるんですね。
ジュネーブ・シールは時計好きには憧れの刻印ですが、それがないからといって仕上げが妥協されることはありません。ローターは、マルタ十字を象った22Kゴールドが使われた高級仕様ですし、刻印の有無をどう捉えるかは個人の判断、というわけです。
ちなみに、フィフティーシックスは、ステンレススティールのモデルでも針とインデックスにホワイトゴールドを使っているそう。こうした素材の使い分けに、最高峰ブランドの矜持が感じられますね。
ピンクゴールドモデルもスペックは同様ですが、ステンレススティールではフォールディング式だったクラスプが18KPGモデルでは尾錠になります。個人的には、フォールディングクラスプの方が革へのダメージが少なそうで好み。尾錠タイプも使いやすいんですけどね。