5つのパートに多くの特許技術を組み込む
「アルティプラノ」アルティメート・コンセプトには、多くの特許技術が使われているそうです。部位でいえば大きく「主ゼンマイ」「脱進・調速機構」「巻き上げ機構」「リューズ」「ガラス構造」の5つに分けられるとのこと。
「主ゼンマイ」の機構では、主ゼンマイを収める香箱は使わず、地板代わりの裏蓋に直接セットする方式を採用。主ゼンマイが当たる部分にはブラックPVD加工を施し、見た目の美観も保ちながら耐摩耗性を高めています。この主ゼンマイを約100個のセラミック製ボールベアリングの内周に取り付け、角穴車を香箱の蓋代わりに被せることで高さを抑えながら、約44時間パワーリザーブも実現する高効率な構造を作り上げたわけです。
「脱進・調速機構」は、時間を正しく示すために欠かせない装置。本機では、テンプ受けを使わないフライング式の構造になっており、テンプの下層のみで支えられています。その支えをアンクル受けと同じ高さにすることで、厚みを抑えているわけです。ちなみに、この部分にもボールベアリングが使われており、一般的な耐震装置であるインカブロックに代わってテンプにかかる衝撃を分散するようになっているとのこと。
「巻き上げ機構」は、キチ車を使った一般的なメカニズムでは高さが出てしまうため、巻き芯にウォームギアを使用した独自の「インフィニットスクリュー」というメカニズムを採用。時刻合わせと主ゼンマイの巻き上げの操作の使い分けを、驚くほどの薄さの中で行えるようしています。
「リューズ」は、ラウンドケースとシームレスに収まっています。一見すると、リューズがないように見えますが、実際は2段階に引き出すことができます。ただし、この繊細なパーツを直接操作してしまうと破損しかねないため、この時計のためのワインディングデバイスが付属。ワインディングデバイスもピアジェが製作した特別品です。
最後は「ガラス構造」。時分針とテンプの周りには囲いがしてあるのですが、この囲いがサファイアクリスタルガラスとパーツとの接触を防ぎます。厚さ2mmの時計を目指すには歯車やパーツの重なる部分の隙間を極限まで詰めるわけですが、その一方でしっかり使うことを念頭に置いた設計にもなっているわけです。ちなみに、ケース素材にはコバルト基合金が採用されており、地板代わりにもなっている裏蓋の難しい設計を実現しながら、装着に耐える高い剛性も保持しているとのこと。
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