世界一タフな腕時計を夢見た若き開発者たち
1981年当時、腕時計はまだ貴重品で、注意深く扱っていた時代。薄く軽い時計がトレンドで、最薄・最軽量を競い合っていた。だが、カシオの若きエンジニアたちはそんな常識に疑問を持った。
「違う。腕時計はもっと生活に根ざしたもの。使い込むほど味わいが出てくるジーンズのような時計が作れないだろうか」
2年の膨大な試行錯誤の末に完成したのが、DW-5000Cだ。ウレタン樹脂で全面をカバーし、心臓部であるモジュールは点で支える中空構造を採用した。初期角型モデルは、現在でこそG-SHOCKでは小振りな存在だが、当初は「大きすぎる」と、社内で否定的な意見が多かったという。また同時に、期待の声も一部にあった。だがさすがに、35年で出荷1億本の超ヒット作になるとは、誰も想像していなかったに違いない。
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1983年11月に発売された新作。DW-5000Cのタフさを追及し、-30℃から+50℃の環境でも正常に動作するようブラッシュアップされた
G–SHOCKの凄さを最初に見抜いたのはアメリカ人だった
G-SHOCKの実用性を最初に認めたのは、実は日本人ではなくアメリカ人。タフさと手頃な価格が彼らの合理性にマッチした。
決定的だったのは1984年、米国のテレビCM。アイスホッケー選手がパックの代わりにDW-5200Cをシュートするという映像だ。しかし、現地販売会社が製作したこのCMに、誇大広告ではないかと消費団体がかみ付いた。その騒動を聞きつけた全米ネットのニュース番組が、CMの再現実験を生放送。結果、やはりG-SHOCKはCM通りに無事。この偶然の騒動が、逆に知名度を高め、全米でブームが巻き起こった。
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1984年〜1988年モデル
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