珠玉の腕時計を、ドラマティックなシーンに重ねて紹介する時計専門誌・ウオッチナビの連載「TOKYO タイムピース」。
今回は、“時の哲学者”として独創的な複雑機構を数々生んできた天才時計師、フランク ミュラーのスピリットを宿す、トノウ カーベックス誕生25周年記念の複雑カレンダーモデルを語る。
遠い未来まで正確に時を刻む。 時の創造者と呼ばれる天才時計師の渾身の逸品
カナダのSF作家、ロバート・J・ソウヤーが書いた『フラッシュフォワード』という作品がある。素粒子実験の最中、事故が起こり、世界中の人々が同時に意識を失う。その2分ほどの時間、意識を失っていた人々は自分の未来を見てしまう。自分の未来を知ってしまったことで全人類に大きな動揺が広がるという物語だ。2010年、ジョセフ・ファインズ主演でテレビドラマ化された。このドラマに限らず、“時間”はSF映画、いや人類にとっての重要なテーマと言えるだろう。
天才時計師の名を欲しいままに、次々と傑作を生み出すフランク ミュラー。彼は「時間は人間がつくった概念だから、もっと自由な捉え方をしてもいいのでは」と話す。その言葉通り、これまでに機械式時計の常識をことごとく覆すような、独創的な複雑時計を製作してきた。
「トノウ カーベックス パーペチュアルカレンダー 25th」は、ブランドの原点であり、いまでは珍しいサイズ感の2851ケースに、閏年まで判断して1461日のサイクルで一周するグランドコンプリケーションを搭載する。このメカニズムに対して、フランク ミュラーは、「人生を共に語る時計に相応わしい」と称える。“時の哲学者”と例えられるフランク・ミュラー。彼には未来の“時”が見えているのであろう。
フランク ミュラー（FRANCK MULLER）「トノウ カーベックス パーペチュアルカレンダー 25th」Ref.2851QPLTD25TH 616万円（上の時計の文字盤バリエーション）
「フランク ミュラー」は、同名の創始者が一代にして超一流へと導いた稀有なラグジュアリーブランドである。本機は、アイコニックな「トノウ カーベックス」の原点となる“2851”コレクションを甦らせ、複雑な永久カレンダームーブメントを搭載した。どこかクラシックな雰囲気漂う各カレンダー表示のデザインもまた、数多くの驚愕コンプリケーションを手掛けてきた経験に基づくものと言える。自動巻き。18Kイエローゴールドケース。クロコダイルストラップ。縦45×横30mm。日常生活防水。世界限定25本。
問い合わせ先：フランク ミュラー ウォッチランド東京 TEL.03-3549-1949 https://franckmuller-japan.com