ケースやダイアルのデザイン・素材など、時計の魅力を決定する要素は数多く存在するが、時計ファンならその心臓部であるムーブメントに注目したいもの。そこで、本特集では人気ブランドについて、[ムーブメント概要=全体像][基幹=主力ムーブメント][最新&注目のムーブメント]について詳細を解説。時計内部の知識が深まれば時計の真価もさらに理解できるはず。今回はIWCシャフハウゼンをピックアップ!
IWCシャフハウゼン(IWC SCHAFFHAUSEN)
独創の伝統機構に最新鋭テクノロジーを付加
ローターの回転をハート形カムに伝え、2つの爪を持つレバーがその動きをゼンマイに伝えるペラトン爪レバー機構。自動巻きの中でも最も効率的と称されるこの機構を軸に自社製ムーブメント各種を製造。近年は同機構のパーツにセラミック素材を採用したり、アンクルやガンギ車など脱進機構にシリコンを採用するなど、耐久性や耐磁性のさらなる向上が図られている。
基幹ムーブメント
ペラトン爪レバー機構を搭載した自動巻きキャリバー50000の進化版。非常に効率的なゼンマイの巻き上げを実現すると同時に、2つの香箱が7日間のロングパワーリザーブを確保。巻き上げ爪と自動巻きホイールにはブラック・セラミック、ローター軸受けはホワイト・セラミックといったハイテク素材を用いることにより、摩耗も極限まで軽減している。
クラシカルなコラムホイールを採用した屈強系自動巻きクロノグラフムーブで、ペラトン爪レバーに似た双方向巻き上げ機構を採用。9時位置にアワー・カウンター、12時位置にミニッツ・カウンター、6時位置にスモセコを装備し、ドレス系やパイロット系など幅広いジャンルの3カウンター式クロノグラフモデルに使用されている。パワーリザーブ約46時間。
注目の最新ムーブメント
2017年に登場したCal.82000系の性能をグレードアップした自動巻きムーブメント。ペラトン爪レバー式自動巻きの伝統機構を継承しつつ、巻き上げ爪や自動巻きホイール、カムといった機械式時計で最も負荷のかかるパーツにセラミック素材を用いることで、その摩耗を理論的にはゼロに削減。緩急装置には耐衝撃性に優れ、等時性の高いフリースプラングテンプが採用されている。パワーリザーブ約60時間。
搭載モデル「ビッグ・パイロットウォッチ 43・トップガン」
問い合わせ先:IWC TEL.0120-05-1868
https://www.iwc.com/
◎本記事は『ウオッチナビ 2022 Summer Vol.86』より抜粋・編集しています。
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