ドイツの高級時計ブランド【グラスヒュッテ･オリジナル（GLASHUTTE ORIGINAL）】が、アシメトリックなダイアルデザインを特徴とする「パノ」のニューモデルを発表した。高層建築で構成される都市をイメージした意匠を文字盤に施す「パノインバース・リミテッド・エディション」は、希少な世界限定50本でのリリース。価格は663万3000円（税込）。
架空の都市を描いた「パノインバース・リミテッド・エディション」
新作「パノインバース・リミテッド・エディション」は、ポリッシュとサテンで仕上げた42mmのプラチナ製ケースに、グラスヒュッテ･オリジナルのデザイナーと時計職人によって構想された架空の都市を描いた文字盤を備える。都市の現代性、技術的進歩、ビジョンがパノと共通することが、今回デザインテーマに選ばれた理由だ。本機文字盤の表面には、レーザーエングレービングによって高層ビル群があしらわれ、コレクションでお馴染みのアシンメトリーな時分表示とスモールセコンド、さらに2時位置にはパワーリザーブインジケーターが配されている。これらの調和がもたらす美しさは、黄金比率に基づくもの。情報量の多いデザインながら、その明快さは見事といえる。
ドイツ時計伝統の4分の3プレートにも装飾を施す
文字盤の一部スペースをスケルトナイズとし、搭載ムーブメントのバランスブリッジとダブルスワンネック緩急微調整装置を着用しながら眺められるのが見どころでもある。こうしたこだわりはケースバックにも貫かれ、都市モチーフを4分の3プレートにもデザイン。デザイナーの遊び心が投影されており、高層ビルの“看板”などにブランドネームや「MADE IN GERMANY」、「JEWELS」が刻印されている。もちろんサファイアクリスタルバックを通し、これらのユーモアをじっくりと楽しむことができる。
マニュファクチュールムーブメント「キャリバー66-12」
なお本機は、グラスヒュッテ・オリジナルの工房にて手作業で製造、装飾、調整された手巻きムーブメント「キャリバー66-12」を搭載している。ネジ留め式のゴールドシャトンをはじめ、青焼きネジ、高品質なルビー、エッジの面取り、ポリッシングされたスチールパーツなど、ドイツにおける最高水準の時計製造技術を用いて製作されたもの。その本格的なディテールの数々だけでも見物だが、通常はケースバック側に位置するバランスブリッジとダブルスワンネック緩急微調整装置を文字盤側に移動するため、専用でパーツを開発・製造している。そして本来とは逆の手順で取り付けを行うことで、この独自構造を実現しているのだ。
スケルトンダイアルのモダンな印象やプラチナケースの高級感に合わせ、スモーキーなグレーのルイジアナ産ヌバック仕上げアリゲーターストラップが標準で付く。これにはケースと同じプラチナ製のダブルフォールデングバックルが搭載されており、ラグジュアリーで重厚な作り込みにグラスヒュッテ･オリジナルの意気込みを感じる。わずか50本しか製造されない本機は、ブランドの技術、ドイツ時計の伝統、そしてコンテンポラリーなアイデアが結実した一本といえる。
グラスヒュッテ・オリジナル「パノインバース・リミテッド・エディション」 Ref.1-66-12-01-03-62 663万3000円／手巻き（自社製Cal.66-12）、毎時2万8800振動、42時間パワーリザーブ。プラチナケース（シースルーバック）、アリゲーターストラップ。直径42mm、厚さ11.40mm。5気圧防水。世界限定50本。
問い合わせ先：グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座／スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7266 https://www.glashuette-original.com/ja/
Text／三宅裕丈