ラグジュアリーメゾン【ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)】が、時計界の発展と活性化を目的とするコンペティション「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ」の専門家委員会を設立した。この委員会は世界各国から選ばれた各業界のエキスパートたちで構成され、応募作の審査を厳正に行う。セミファイナリスト、ファイナリストと選考は段階的に実施され、受賞者は2024年1月に発表される予定となっている。
時計界の未来のための新たなコンペティション
2022年12月に発表された「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ」は、スイスのジュネーヴに拠点を構えるルイ・ヴィトンのウオッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が主催するコンペティション。時計作りに従事する職人や起業家らの振興を通し、次世代への支援が最大の目的である。記念すべき第一回が今年2023年で、2年ごとの開催が予定されている。
本賞の創設者でルイ・ヴィトンのウオッチ部門ディレクター、ジャン・アルノー(Jean Arnault)氏は次のように語っている。
「ウオッチメイキングは休眠状態の産業ではありませんし、近寄りがたいものでもありません。若い世代のウオッチ愛好家は情熱的であり、新たなイノベーションの登場を待ち望んでいます。『ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン』が本賞を創設する狙いはそこにあります。これは、ウオッチメイキングのイノベーションを奨励し、技術イノベーションや前衛性だけでなく、伝統的なサヴォアフェール(匠の技)の点でも最高のアイデアを表彰するための慈善的・自主的な取り組みです」
多数の応募が見込まれる「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ」では今回、作品の審査を行う専門家委員会を立ち上げた。そのメンバーには、職人、スペシャリスト、ジャーナリスト、コレクターといった時計に精通する者だけでなく、パフォーミングアーツやファッション、ガストロノミーといった異なる分野のクリエイターなどが集い、その顔ぶれは実に多彩だ。
この専門家委員会の活動としては、2023年9月に応募作を審査して20名のセミファイナリストを選出。同年12月に「デザイン」、「クリエイティビティ」、「イノベーション」、「クラフツマンシップ」、「技術的複雑さ」という審査基準に基づいて、5名のファイナリストを決定する。最終的には専門家委員会の中から最終審査を行う5名の審査員が選ばれ、受賞者を決定する。
受賞者にはルイ・ヴィトンでの学びの機会が与えられる
なお、「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ」の受賞者は、ルイ・ヴィトンが2024年1月にパリで開催する授賞式で発表予定だ。受賞者には15万ユーロの助成金、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」による1年間のメンターシップの機会が提供され、専任のチームから時計作りに関するコミュニケーション、著作権、企業法務、マーケティング、業界戦略、ブランドの財務管理といった様々なレクチャーを受けることができる。
ルイ・ヴィトンによる類を見ないスケールのコンペティションは、時計界において革新的であり、その活性化と発展を視野に入れた価値あるアクションとなるに違いない。セミファイナリストの発表など、途中経過はオンラインでも公表される予定。新たな才能が生まれる場として、今後注目を集めることになりそうだ。
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/homepage
Text/三宅裕丈
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