記念すべき節目に生まれたオーデマ ピゲ最新【CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ】&【ロイヤル オーク オフショア】をレビュー

1875年創業の時計界随一のマニュファクチュールブランド【オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)】において、代表的な2コレクション「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」&「ロイヤル オーク オフショア」がアニバーサリーイヤーを迎えた。この記念すべき年に発表された最新ウオッチから、ブランドの未来を考察する。

 

ステンレススチールを纏ったCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ5年目の再革新

 

5年目にして早くもオーデマ ピゲの定番となった感のあるCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ(以下、CODE 11.59)に、今年からステンレススチールモデルが加わった。ファン待望の新作で特筆すべきはやはり文字盤だろう。スイスのギヨシェ職人ヤン・フォン・ケーネルと共同制作したという文字盤の百以上に及ぶ微小な凹凸が生み出す輝きと陰影は、もはや芸術的でさえある。これをさらにブルーとグリーンをPVDで、ベージュをガルバニック加工で仕上げる使い分けも心憎い。結果、CODE 11.59の特徴である風防のダブルカーブサファイアクリスタルガラスが生み出す視覚効果と相まって、まったく違う世界を直径41mmのケース内に作り出したのだ。

 


↑ゴールドよりも硬いステンレススチール素材でCODE 11.59の造形を作り上げた点に驚愕。文字盤面積の広さから直径41mmの数値以上に大きく見えがちなケースは、着用すると驚くほど腕馴染みが良い。ベージュモデルは八角形のミドルケースにセラミックを使い、サイドビューに個性を与えた

 

文字盤のパターン以外にも、インデックスがすべて蓄光付きのバータイプとなり、その外周には8Hzの振動数に合わせた緻密なチャプターリングを採用。クロノグラフのカウンターもそれぞれに異なる組み合わせを与えるなど、視認性への配慮も十分になされている。こうしたゴールドモデルからの変更点の数々は、すべて普段使いが前提となっているのだろう。頑丈な素材の特徴をデザインに落とし込んだステンレススチール仕様のCODE 11.59により、オーデマ ピゲを愛する人はますます増えそうだ。

 

デイリーウオッチの最高峰が堂々完成

2019年に登場したコレクションに初めて加わったステンレススチールモデルは、中3針とクロノグラフでそれぞれベージュとグリーン、ブルーの3色展開。直径はすべて41mmとなる。円と直線が入り組んだ複雑な文字盤は型打ちによる成型。針とインデックスに蓄光塗料が入るなど、躍動的な印象が強まった。


オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」 Ref.15210QT.OO.A064KB.01 346万5000円/自動巻き(自社製Cal.4302)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、ラバー加工レザーストラップ。直径41mm、厚さ10.7mm。30m防水。

 


オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」 Ref.26393ST.OO.A348KB.01 434万5000円/自動巻き(自社製Cal.4401)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、ラバー加工レザーストラップ。直径41mm、厚さ12.6mm。30m防水。

 


オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」 Ref.26393ST.OO.A056KB.01 434万5000円/自動巻き(自社製Cal.4401)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、ラバー加工レザーストラップ。直径41mm、厚さ12.6mm。30m防水。

 

30thアニバーサリー ロイヤル オーク オフショアはブラックセラミックでオフでも、オンでも

1993年にデビューするなり、その圧倒的なルックスから「ビースト」のニックネームが付いたロイヤル オーク オフショア。当時22歳だったデザイナーのエマニュエル・ギュエが若者に向けて作り上げた1stモデルの直径42mm、厚さ16mmというサイズ感は、のちに訪れる時計界のトレンドを先取りしたものでもあった。

このオーバーサイズのラグジュアリーウオッチはやがてハリウッドスターや世界的アーティストに愛されるなど、オーデマ ピゲの重要なコレクションへと成長。基本スタイルを受け継ぎつつも進化を繰り返しながら、今年で誕生30周年を迎えるに至ったのである。

 


↑直径43mmのケースは着用時に存在感を発揮。ラグからシームレスで繋がるアリゲーターストラップが手首に沿うようにフィットすることで、快適な装着感が得られた

 

この節目にまず登場したのが、上の2本。初のフルブラックセラミックウオッチはオリジナルに忠実な縦3つ目の配置を採用し、18Kイエローゴールドとのコンビ仕様はCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲと同じキャリバー4401を搭載した横3つ目のインダイアルを備える。その精悍なスタイルに“エクストリームスポーツウオッチ”という従来の形容は果たして相応しいのか。少なくとも筆者はロイヤルオーク オフショアこそ、現代をタフに生きる人のライフスタイルに合った、最もラグジュアリーなツールウオッチだと考えている。

 

ライフスタイルに寄り添うツールウオッチの最高峰

直径42mmのサイズを含め、1993年のオリジナルに忠実なデザインを取り入れながら、ブレスレットまでブラックセラミックで統一した初のオフショア。フライバッククロノグラフ機構を組み込んだ自動巻きキャリバー4404を搭載し、ケースの厚みは15.3mmとなる。


オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」 Ref.26238CE.OO.1300CE.01 1045万円/自動巻き(自社製Cal.4404)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ブラックセラミックケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径42mm、厚さ15.3mm。100m防水。

 

ブラックセラミック×イエローゴールドの際立つ存在感

仕上げも形状も複雑さを極めた進化系メガタペストリーを持つ、モダンデザインの一本。ブラックセラミックケースに、マッシブなリューズガードやブレスリンクの18Kイエローゴールドパーツが映える。交換可能なアリゲーターストラップに、ラバーストラップも付属。


オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」 Ref.26420CE.OO.A127CR.01 748万円/自動巻き(自社製Cal.4401)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ブラックセラミック×18Kイエローゴールドケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ。直径43mm、厚さ14.4mm。100m防水。

 

ロイヤル オーク オフショア誕生30周年記念エキシビション開催

オーデマ ピゲ ブティック 銀座の地下1階では現在、『ロイヤルオーク オフショア 30年の歩み』展が開催されている。これは、顧客が個人所有する「ロイヤル オーク オフショア」と入手した背景(ストーリー)を紹介するもので、非常に貴重なモデルを含んだ約20点の品々が展示されている。

■開催期間:~2023年12月末まで 各日12:00~19:00(18:00最終受付、定休日はオーデマ ピゲ ブティック 銀座に準ずる)
■開催場所:東京都中央区銀座6-5-13
■入場料:無料(事前予約優先 予約はコチラ>>>
イベントに関する問い合わせ先:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0788

 

問い合わせ先:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000
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※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。

Text/水藤大輔(WATCHNAVI) Photo/高橋敬大(TRS) Styling/石川英治(TRS)

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