ウオッチナビ編集部が選ぶGMT機能を搭載した時計3選

GMTは、2つの異なる時間帯を同時に知ることができる便利な機能だ。海外への旅行や出張時に活躍するGMT機能は、3針モデルには無い機能美が魅力。そんなGMTを搭載した時計をウオッチナビ編集部が3本セレクトして紹介する。

ハイドロコンクエストにGMT機構搭載

「ハイドロコンクエスト GMT」は直径42mmのねじ込み式ステンレススチール製ケースに、ブランド独自の新GMTムーブメント、ロンジン エクスクルーシブキャリバー L844.5を搭載。先端が三角形の形をした24時間針とインナーベゼルに記された24時間表記を使えば、常に2つの時刻を確認することができる。ロンジン エクスクルーシブキャリバー L844.5は、約72時間のロングパワーリザーブに加えて、シリコン製ヒゲゼンマイと非磁性素材の採用によって、ISO764規格の約10倍の耐磁性を実現しており、GMT機能をはじめ、本機の実用性を大きく高めている。

ロンジン「ハイドロコンクエスト GMT」(左)Ref.L3.790.4.66.6(中)Ref.L3.790.4.56.6(右)Ref.L3.790.4.96.6 各43万5600円(税込)

本機は、グリーン、ブラウン、ブラック、ブルーの4つの文字盤カラーをラインナップ。夜光塗料を塗布したセラミック製の逆回転防止ノッチドベゼルも文字盤カラーと同色で描かれ、モダンでスタイリッシュなデザイン性が強調された印象だ。ステンレススチールブレスレットが標準装備となるが、ブラック文字盤、ブルー文字盤の2種類のみ、それぞれ同色のラバーストラップ仕様も展開される。文字盤も丁寧に作られており、サンレイ加工を施すことで光の角度によって異なる表情を演出。6時と9時位置にドット型、12時位置に三角型のインデックス、3時位置には日付表示をバランス良くレイアウトし、ポリッシュ加工のゴールドカラーまたはシルバーカラーの針とアワーマーカーにはスーパールミノバ®を施すことで、高い視認性を確保している。また、GMT針は、文字盤の24時間表示のカラーとマッチしている点にも注目しておきたい。

ロンジン「ハイドロコンクエスト GMT」 Ref.L3.790.4.06.6 43万5600円/自動巻き(Cal.L844.5)、毎時2万5200振動、約72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット。サファイアクリスタル風防(両面多層反射防止加工)。直径41mm、厚さ12.9mm。30気圧防水。

問い合わせ先:ロンジン/スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7350 https://www.longines.com/jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。

 

スタイリッシュなデザインとハイスペックを纏う次世代GMTウオッチ

 

ボール ウォッチといえば、堅牢かつ高い信頼性の実用的な機械式時計を得意としている。そのため、外観からタフさが伝わってくるコレクションを多数揃えているが、2023年の新作「エンジニア Ⅲ アウトライアー」は、デザインのスタイリッシュさが魅力のひとつ。その新鮮さは、ユニークな“アウトライアー(異端児)”というネーミングにも表れており、既存の価値観から脱却して新たな世界にチャレンジするというコンセプトから開発されている。

本機は、ボリュームのあるドーム型サファイアガラス風防、これを押さえる両方向回転式のソリッドなスチールベゼル、オレンジのGMT針やベゼルの基準マークなど、これまでのラインナップになかった異色のスポーツウオッチといった雰囲気である。

デザイン面だけではなく、スペック面でのこだわりも凄まじい。本機で初登場となるボール ウォッチのマニュファクチュールムーブメント「キャリバー RRM7337-C」を搭載。リューズを1段引いたポジションが短針を単独可動(1時間毎)できる構造となっており、早送りも早戻しの調整も可能だ。しかも日送り車が連動して動くため、カレンダーをローカルタイムの日付に迅速に設定できる。さらにはスイスのCOSC認定クロノメーターを取得して平均日差-4秒~+6秒以内の高精度を保証しており、24時間表示の回転ベゼルの併用によって第3時間帯まで表すことができる。

高性能な新型GMTムーブメントを内包するケースは、直径は40mm、厚さ13.8mmという一般的な3針スポーツウオッチと同等のサイズに収めている。そのため装着性に優れているが、ユーザビリティの追求はこれに留まらず、外装の素材には904Lステンレススチールを使用。酸や塩化物の影響を受けにくく、高硬度かつ表面を美しい光沢仕上げにできる904Lステンレススチールは、316Lステンレススチールよりも高機能と位置付けられている。しかしながら同素材は成形加工に特殊な技術を必要とし、コストもかさんでしまうため採用を見送っているメーカーが多い。そんな中、コストパフォーマンスに定評のあるボール ウォッチでは本機を含めて採用モデルを複数揃えており、その有用性を実証している。

ボール ウォッチ「エンジニア Ⅲ アウトライアー」 Ref.DG9000B-S1CJ-BK 40万7000円/自動巻き(BALL自社製キャリバーRRM7337-C)、スイスCOSC認定クロノメーター、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。904Lステンレススチールケース&ブレスレット、反射防止処理済みサファイアガラス風防。直径40mm、厚さ13.8mm。200m防水。

問い合わせ先:ボール ウォッチ・ジャパン TEL.03-3221-7807 https://www.ballwatch.co.jp/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。

 

1968 メカニカルダイバーズの意匠を継承するプレミアムスポーツウオッチ

 

セイコーは国産初のダイバーズウオッチの発売から3年後の1968年、当時世界最高水準となる毎秒10振動のムーブメントと、裏蓋のないワンピース構造ケースを使った300m防水モデルを世に送り出すなど、この分野の技術開発を重ね、極限の環境にも耐える安全性や信頼性を獲得してきた。これが世界中のプロフェッショナルダイバーや冒険家に愛用者が多い理由である。

今夏、このヒストリカルな1968年製ダイバーズを題材に、スペックとデザインを最新アップデートしたコレクションがリリースとなる。新作「セイコー プロスペックス 1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」は、新開発のメカニカルキャリバー「6R54」を搭載。GMT表示付きながら、3日間のロングパワーリザーブも備える。先端が三角形のGMT針を単独調整できる仕様であり、ホームタイムを指し示す短針を動かさずに第二時間帯を設定可能だ。

「セイコー プロスペックス 1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」 Ref.SBEJ011 20万9000円

精緻な造形のベゼルのトップは傷に強いセラミック製で、誤操作を防ぐ逆回転防止式を採用している。低重心設計のケースとの組み合わせもバランスが良く、標準装備のブレスレットも新開発のもので、トータルで手首へのフィットにストレスがかかりにくいデザインとなっている。

「セイコー プロスペックス 1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」 Ref.SBEJ009 20万9000円/自動巻き(自社製Cal.6R54)、毎時2万1600振動、約72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット、サファイアガラス風防(内面無反射加工)。直径42mm、厚さ12.9mm。200m空気潜水用防水。

問い合わせ先:セイコーウオッチ お客様相談室 TEL.0120-061-012 https://www.seikowatches.com/jp-ja/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。

Text/平野翔太(WN編集部)

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