日本が世界に誇るウオッチメーカー【セイコー(SEIKO)】から、ブランド誕生100周年を祝うアニバーサリーモデルが登場。「セイコー プレザージュ」より1965年発売の国産初のダイバーズから着想を得たレギュラーモデルと世界1000本限定モデルの各1種が発売され、価格はいずれも42万9000円(税込)。さらに「セイコー プレザージュ」より1924年発売モデルにオマージュを込めた世界1000本限定モデルが発売となり、価格は25万3000円(税込)。
2024年に「SEIKO」ブランドは誕生100周年
セイコーは、1881年に服部時計店として創業し、1924年に初めて「SEIKO」の名を冠した腕時計を発売している。そして2024年には、「SEIKO」ブランドは誕生100周年を迎える。この記念すべき一年を祝うべく、「セイコー プロスペックス」、「セイコー プレザージュ」の2つのコレクションからアニバーサリーモデルが発表された。まず「セイコー プロスペックス」は、専用設計の高精度ムーブメントを搭載するダイバーズウオッチの最高峰である「マリンマスター」のレギュラーモデルと限定モデルの各1種をラインナップ。
2モデルともに、1965年に発売した国産初のダイバーズウオッチであり、1966年から4回にわたって南極観測隊越冬隊員の装備品として活躍した歴史的名機「1965 メカニカルダイバーズ」をデザインソースとして採用。同機の特徴的な時・分・秒針の形状と角型インデックスを踏襲しつつ、ケースやブレスレットにヘアラインと鏡面仕上げを施すことで、現代的で洗練された雰囲気を作り出している。
ダイバーズウオッチ用に開発されたキャリバー6L37
大きすぎず小さすぎない39.5mmケースには、逆回転防止ベゼル、ねじロック式リューズ、ボックス型サファイアガラスを備え、本格的な使用に耐えうる200m空気潜水用防水を確保。新たに開発した、コマの一つひとつの両面が曲面となるブレスレットを採用し、肌あたりに優れ、しなやかで心地よい装着感を実現している。ムーブメントには、ダイバーズウオッチ用に開発された薄型で耐衝撃性の高いキャリバー6L37を搭載しており、セイコーの現行メカニカルダイバーズウオッチとして最薄となるケース厚12.3mmを達成。また、ブランドのダイバーズウオッチとして初めてシースルーバックを採用し、時計を裏返せば、精巧に作り上げられた機械式ムーブメントの繊細かつ力強い動きを鑑賞することができる。
レギュラーモデル、限定モデルともに基本的なスペックは共通となるが、レギュラーモデルは軽やかなライトブルーの文字盤にトーンの異なるブルーのベゼルを組み合わせて、都会的でモダンなルックスを演出。一方、世界1000本となる限定モデルは、光沢のあるシルバーホワイトの文字盤とシルバーベゼルのコンビネーションによって、メリハリのあるシャープな造形が強調された印象だ。
セイコー プロスペックス「マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン」 Ref.SBEN007 42万9000円/自動巻き(Cal.6L37、手巻き付き)、毎時2万8800振動、約45時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。ボックス型サファイアクリスタル風防(内面無反射加工)。直径39.5mm、厚さ12.3mm。200m空気潜水用防水。2023年12月8日(金)(セイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーオンラインストアおよびセイコーブティック先行発売)、2024年1月12日(金)(セイコーウオッチサロンにて発売)。
セイコー プロスペックス「マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 限定モデル」 Ref.SBEN005 42万9000円/自動巻き(Cal.6L37、手巻き付き)、毎時2万8800振動、約45時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。ボックス型サファイアクリスタル風防(内面無反射加工)。直径39.5mm、厚さ12.3mm。200m空気潜水用防水。世界限定1000本(国内200本)。2023年12月8日(金)(セイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーオンラインストアおよびセイコーブティック先行発売)、2024年1月12日(金)(セイコーウオッチサロンにて発売)。
1924年発売の歴史的名機のオマージュ
「セイコー プレザージュ」から登場する世界1000本の記念限定モデルは、初めて「SEIKO」をブランド名とし、1924年に発売された歴史的な腕時計のオマージュとなる。丸みを帯びたスリムな35.0mmケースに琺瑯(ほうろう)文字盤をあしらい、針の形状や墨を含ませた筆で描いたようなアラビア数字、大きくて薄いリューズなど、オリジナルモデルのディテールを数多く採用。
琺瑯文字盤は日本有数の琺瑯職人、横澤満氏が手掛けたもので、琺瑯ならではの艶やかな光沢と柔らかな質感が本機最大の見どころとなっている。さらに新開発のメカニカルムーブメントであるキャリバー6R5Hの採用により、6時位置にサブダイアルの設置が可能となり、文字盤上のレイアウトもオリジナルを忠実に再現。12時位置に描かれるクラシカルな「SEIKO」ロゴも当時の書体の復刻となる。
裏蓋には服部金太郎氏が商標登録した「丸角Sマーク」
本機は、現代の品質基準を確保しながらも、1924年のオリジナルモデルの発売時に多く見られた、可動式構造を伴う引き通しストラップを装備。美錠とストラップの裏側にも、ブランドロゴが刻印され、一つ一つのディテールも秀逸。裏蓋とリューズには、創業者の服部金太郎氏が1900年(明治33年)に登録した商標「丸角Sマーク」を刻まれており、そのマークの周囲には金太郎が掲げた信条「常に時代の一歩先を行く」の英訳となる“ONE STEP AHEAD OF THE REST”と“KINTARO HATTORI”がマーキングされる。
紹介した3モデルはブランドの偉大なる歩みへのリスペクトを感じさせながら、現代の卓越した技術、アイデアもしっかりと表現。100周年記念モデルにふさわしい出来栄えで、ブランドのファンや熱心な時計愛好家たちには、どれを購入するか非常に悩ましいところ。今後も新たな100周年記念モデルの登場が予想されるので、そちらも大いに注目したい。
セイコー プレザージュ「服部金太郎 限定モデル」 Ref.SART001 25万3000円/自動巻き(Cal.6R5H、手巻き付き)、毎時2万1600振動、約72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、レザーストラップ。ボックス型サファイアクリスタル風防(内面無反射加工)。直径35mm、厚さ12.3mm。日常生活用強化防水(5気圧)。世界限定1000本(国内300本)。2024年1月12日(金)発売予定。
問い合わせ先:セイコーウオッチ お客様相談室 TEL.0120-061-012 https://www.seikowatches.com/jp-ja/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈