＜取材協力＞
BEST ISHIDA
腕時計を大切に使うためには、“何を買うか”と同じぐらい“どこで買うか”が大切だ。他のアイテムと同じく、腕時計もまた定期点検や困ったときにまず頼るのが購入店。特に腕時計は一生使えるものだからこそ、実績あるショップで購入するべきと言える。本稿では、時計を熟知した専門スタッフを揃える正規販売店【ISHIDA】を特集する。
機械式時計ブームを牽引してきた有名店
「ISHIDA」の新宿の店舗は長らくBEST新宿本店として親しまれてきた。1990年代のGｰSHOCKやスウォッチのブームの際には、同店舗の前に開店待ちの行列ができたほど。その影響力は、高級時計の正規販売に移行してからいっそう力強さを増す。
2000年代初頭にはブライトリング初のブティックオープンにも貢献。表参道をはじめとする首都圏近郊、そして関西方面へと拡大してきた。
【ISHIDA新宿】 新宿都心のビルがまるごと腕時計専門フロア新宿駅東口より徒歩3分で到着するISHIDA新宿は、建物に掲げられる時計ブランドのビルボードが目印。地上5階までの全フロアで腕時計を展開する稀有な正規時計販売店である。異なる世界観を持つフロアを巡れば、それだけで腕時計の最新トレンドが把握可能。知識豊富なスタッフから接客を受ければ、よりディープな時計知識が得られる。では、フロアごとの魅力や注目ブランドを見ていこう。
TEL：03-5360-6800
〈1F〉時計の世界へと誘うエントランス
通りからも見通せるオメガとパネライ、ピアジェの専門コーナーが特徴。都心の喧騒とは別世界の贅沢な空間演出で、ISHIDA新宿への期待感を盛り上げる。モンブランの筆記具やFOPEのアクセサリーなど、時計以外も取り揃えている。 ISHIDA新宿〈1F〉オススメウオッチ
30分積算計を持つ自社製造の自動巻きクロノグラフムーブメント「P.9200キャリバー」を搭載。1950年代から継承するクッション型ケースに独自の18K素材「ゴールドテック™」を用いて華やかな仕上がりに。 スペック：自動巻き（自社製Cal.P.9200）、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。ゴールドテック™ケース（シースルーバック）、アリゲーターストラップ。直径44mm。5気圧防水。
〈2F〉2大人気ブランドが大充実
2階で最大面積を占めるブランドが、ブライトリングとタグ・ホイヤーの2大巨頭。これに加えてロンジンやベル＆ロス、レイモンド・ウェイル、エベラールなどのコーナー展開もあり、ここだけでも1店舗相当の充実ぶりを誇る。 ISHIDA新宿〈2F〉オススメウオッチ
“グラスボックス”デザインが採用された新世代機のクロノグラフ。センター針が60秒かけて徐々に減速し、1周する特殊な新機構を備える。個性豊かなポルシェとのコラボモデルだ。 スペック：自動巻き（自社製Cal.TH20-08）、毎時2万8800振動、80時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース（シースルーバック）、レザーストラップ。直径42mm。10気圧防水。
〈3F〉よりディープな時計世界へ
3階のメインブランドは、時計愛好家から絶大な支持を集めるIWCとゼニス、そして雲上ブランドとして知られるジュネーブ発祥のヴァシュロン・コンスタンタン。ブランドの品格に相応しい広々とした空間で、じっくり時計選びが楽しめる。 ISHIDA新宿〈3F〉オススメウオッチ
航空クロノグラフに不可欠な即時の再計測機構「フライバック」を備えた一本。大型日付表示も「エル・プリメロ」に組み込んだ。往年の名機に着想を得た配色も特徴だ。 スペック：自動巻き（自社製Cal.エル・プリメロ 3652）、毎時3万6000振動、60時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース（シースルーバック）、ブラックコーデュラ・エフェクト ラバーストラップ。直径42.5mm。10気圧防水。
〈4F〉時計界のハイブランドが勢揃い
スイス時計界を代表するハイブランドであるブレゲ、ブランパン、ジャガー・ルクルト、ジラール・ペルゴが4階で一堂に会する。さらにH.モーザーやアーミン・シュトロームといった実力派インディペンデントブランドの時計も展開。 ISHIDA新宿〈4F〉オススメウオッチ
1950年代、軍用向けに開発されたクロノグラフの民間バージョンが本機のルーツ。搭載するのは新設計の自動巻きキャリバー728。付属の替えストラップは簡単に交換できる。 スペック：自動巻き（自社製Cal.728）、毎時3万6000振動、60時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース（シースルーバック）、カーフストラップ。直径42mm、厚さ14.1mm。10気圧防水。
〈5F〉多彩な腕時計を一挙に掌握
売場の最上階では価格もデザインも幅広い、20以上のブランドを展開。グランドセイコーのコーナーやG-SHOCKコンセプトショップ「EDGE」などの国産勢を筆頭に、それぞれ十分な品揃えを実現している点にISHIDA新宿の実力が伝わる。 ISHIDA新宿〈5F〉オススメウオッチ
GSメカニカルの製造地である岩手県雫石町の工房近くにある白樺林に着想を得た文字盤が目を引く一本。先進技術を駆使した自動巻きキャリバー9SA5を搭載する。型打ちダイアルに静謐な雰囲気漂う世界的大ヒット作である。 スペック：自動巻き（自社製Cal.9SA5）、毎時3万6000振動、約80時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース（シースルーバック）＆ブレスレット。直径40mm、厚さ11.7mm。10気圧防水。 |
現在のBEST ISHIDAグループは、札幌、東京、大阪に店舗を展開中。地下1階から5階までのすべてが時計専門フロアという時計店は、いまなおISHIDA新宿をおいて他にない。しかも新宿都心のど真ん中という立地。時計購入を検討する際に、これほど好条件なショップは全国的にも珍しいだろう。
ISHIDA表参道は、都心にいることを忘れるほどの広々としたワンフロア構成が特徴。その贅沢な売場空間と、メインストリート沿いにある立地の良さから、時計ブランドとの共同イベントなどの会場となることも多い。
【ISHIDA表参道】 表参道の地下に全国屈指の売場空間を実現バリアフリーに配慮したワンフロアの売場を特徴とするISHIDA表参道は、2006年にオープン。変化の早い街のトレンドに合わせ、幾度となく時代に応じたリニューアルを繰り返してきた。取り扱うほぼすべてのブランドを専用コーナーで展開。海外リゾート地にある高級ブティックのように、それぞれの世界観に包まれながら時計を選ぶことができる。
ショップは神宮前交番付近、ラルフローレンの旗艦店と同じ建物の地下で、外階段を降りてすぐの場所にISHIDA表参道がある。広々としたエントランスから独立したカウンタースペースへの動線に合わせ、左手側にはブライトリング、オメガ、カルティエの専用コーナーを見ることができる。ここにはG-SHOCKコンセプトショップ「EDGE」で扱う数万円台のモデルからフランク ミュラーの複雑時計まで、価格もデザインも多種多彩な約30のブランドの時計を一気に見ることができる。同店を訪れたなら、モリッツ・グロスマンやスピークマリン、HYTといった少量生産の希少な独立系ブランドのタイムピースも必見だ。
カルティエをはじめ、フランク ミュラーサロンなどブランドの世界観を存分に体感できる。店内を巡るだけでも楽しい。
TEL：03-5785-3600
ISHIDA表参道オススメウオッチ
1万5000ガウスもの耐磁性能のほか、厳格な検定基準を満たし「マスター クロノメーター」認定を受けた最新の手巻きキャリバーを搭載。ケースは独自のムーンシャイン™ゴールド製で、名作クロノグラフに究極的な美を与えた。 スペック：自動巻き（Cal.3861）、毎時2万1600振動、50時間パワーリザーブ。ムーンシャイン™ゴールドケース（シースルーバック）、ラバーストラップ。直径42mm。5気圧防水。 |
ISHIDA N43°は2016年にオープン。いまや札幌は多くのブランドが熱視線を送る重要エリアだが、こうした時計文化の発展はISHIDAブランドの進出がきっかけだった。道内でも唯一の取り扱いブランドを揃えるだけでなく、系列店からの商品調達ネットワークが確立している。さらにISHIDA独自の3年間無料点検を含む各店共通の充実したサービスにより新規顧客の心を掴んだのである。2021年には新宿の店舗の大規模リニューアルが完了。正規時計販売店をISHIDAブランドで統一し、新たな時代を歩み始めている。
【ISHIDA N43°】 札幌に高級時計の文化を広めた意義深いショップISHIDA N43°は大通公園沿い、大通り西5交差点の一角に店を構えている。2016年のオープン時には他店に先駆けて設置したコンシェルジュコーナーが話題を呼び、実際にここで来店者の様々な要望に応えてきた。2フロア構成のショップは1階がカルティエ専用フロアになっており、階段を上がるとISHIDAらしい充実の品揃えを見ることができる。
2階には、道内でも珍しいウブロやブレゲ、ブランパン、グラスヒュッテ・オリジナル、ノルケイン、エベラールなどのブランドを展開。階段側に人気ブランドを、奥側にハイブランドを配置したことで目的に応じた時計が探しやすい。ここにない時計もISHIDAの別店舗で取り扱いがあれば取り寄せてくれるというから、たとえ並んでいなくても気になる時計があれば気軽に相談してみよう。
エントランスの吹き抜けが開放的な店内は、1階のカルティエだけでも見応え十分。道内で希少なブランドは要チェックだ。
TEL：011-200-4300
ISHIDA N43°オススメウオッチ
ケースと融合したインテグレーテッド ブレスレットやスケルトンダイアルを採用し、ホワイト＆シルバーの美しいデザインに仕上げた日本限定仕様のビッグ・バン。コラムホイール式フライバックを備える。 スペック：自動巻き（自社製Cal.HUB1280）、毎時2万8800振動、約72時間パワーリザーブ。チタンケース（シースルーバック）＆ブレスレット。直径42mm。10気圧防水。日本限定。 |
［Column］ ISHIDAが運営するヴィンテージウオッチショップ「BEST VINTAGE」で賢く買い物しよう！日本の腕時計業界は中古市場も活発。そのなかでもほぼ唯一の業態と言えるのが、「BEST VINTAGE」である。運営母体が正規品を扱うISHIDAと同じベスト販売なので、格別の信頼感がある。かつての憧れモデルを探す際には真っ先に頼ろう。
ユーズドウオッチも一生モノ購入の選択肢に昨今の円安の煽りやその他の国際的な経済情勢を受けて、時計界でも価格改訂が繰り返されている。高騰し続ける定価を定点観測する熱心な時計愛好家の間では、「欲しくなったときが買い時」が常識なのである。一方で、新品にこだわらなければ憧れの一本を手の届く価格で入手できるチャンスはまだ残されているのだ。 BEST VINTAGEは、長らく新宿の店舗の地下にあった中古品売り場がルーツ。愛機を下取りに出して地上フロアに並ぶ正規新品の購入資金に充てるなどのユニークなプログラムは、いまも色々な時計を使いたい人々に活用されている。また、グループ内で正規品の情報が共有されているため純粋な並行中古品よりもあらゆる情報の精度が高いのも大きな魅力だ。ブライトリングについては認定中古品の販売を行うなど、ブランド側の信頼も厚い。 BEST VINTAGEは新宿と梅田のほか、オンライン販売もあるので遠方の人でも在庫状況がいつでもチェックできる。専門知識は乏しいけれどかつて憧れた廃盤品を手に入れたい人や、ユーズドでも正規品と共通の安心感を得たい人にとって、このショップはまずチェックするべきだろう。
「BEST VINTAGE」で買う3大メリット
【BEST VINTAGE 新宿】ISHIDA新宿の地下に広がるユーズドウオッチの販売拠点は、時計好きなら誰もが知るところ。ロレックスの豊富な取り扱いに加え、パテック フィリップやオーデマ ピゲなどの最高峰ブランドの腕時計も数多く取り揃える。買い取りブースもあるので、着けてきた腕時計をその場で査定もしてもらえる。自分次第で様々な楽しみ方ができるショップだ。
TEL：03-3341-4481
BEST VINTAGE 新宿オススメウオッチ
３時間で１回転のローターホイールに連動する３つのディスクが、回転しながら時を刻むワンダリングアワー。ディスクの数字が文字盤上部の分目盛をなぞり時刻を示す幻想的なコンプリケーションウオッチだ。自動巻き。プラチナ950ケース。
【BEST VINTAGE グランフロント大阪】大阪、梅田駅近くの商業施設「グランフロント大阪」内に2022年オープンしたこのショップは、1990年代ごろの「ポストヴィンテージ」ウオッチの品揃えに注力。とくにカルティエのタイムピースを豊富に揃えており、女性も気軽にヴィンテージウオッチ選びが楽しめる。こちらも買取ブースを設置しているが、その場で査定できるかは事前確認が必要。
TEL：06-6743-4451
BEST VINTAGE グランフロント大阪オススメウオッチ
仏語で「ひっくり返す」という意味を持つ、メゾンの独創性が発揮された個性的な反転式の角形時計。文字盤を裏返すことができ、衝撃からガラス面を守れる。ローマ数字とレイルウェイトラックの意匠も魅力。手巻き。ステンレススチールケース。
BEST VINTAGE公式サイト https://ishida-watch.com/store_vintage/ |
BEST ISHIDA公式サイト https://ishida-watch.com/
※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。本記事は『ウオッチナビ Vol.93』より抜粋・編集しています。
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