LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループが主催する高級時計のイベント、「LVMH ウォッチ ウィーク」が先日開催され、LVMHグループに所属する計9つのブランドが集ってニューモデルを発表した。世界中から注目を集めるこれらの新作を、ブランドごとに紹介する。本記事では、1847年に時計製造をスタートさせた歴史や伝統のクラフトマンシップを活かしたコレクションを展開する【ティファニー(TIFFANY & CO.)】と、スイスのラグジュアリークロックメゾン【レペ 1839(L’Epée 1839)】のニューモデルを解説。
〈ティファニー〉至高の“作品”を生む美の感覚と時計製造技術
ティファニーは2021年にLVMHグループの傘下に入り、今回が初のLVMH ウォッチ ウィーク参加となった。同社はジュエリーウオッチメーカーとして1847年から展開しており、その歴史を物語る新作を投入してきた。ハイライトは、傑出したジェムセッティングとフライングトゥールビヨンを一体化させた「バード オン ア フライング トゥールビヨン」ウオッチ。両分野に精通することを証明した。
また、20年以上にわたり同社デザイナーとして活躍したジャン・シュランバージェへのトリビュートモデルが華々しくデビューした。
コンプリケーションとジェムセッティングの共演
ティファニー「バード オン アフライング トゥールビヨン」ウォッチ 4708万円
クラフトマンシップ、ハイジュエリー、コンプリケーションを見事に融合。合計4カラットを超えるダイヤモンド(848石)と同社初となるカスタムメイドのフライング トゥールビヨンを、ティファニー ブルー®の文字盤に配する。
スペック:手巻き。18Kホワイトゴールドケース、レザーストラップ。直径39mm。3気圧防水。世界限定25本。
稀代のデザイナーへのオマージュを腕時計に
ティファニー「ジャン・シュランバージェバイ ティファニー」バード オン ア ロックツァボライト ウォッチ 参考モデル
同社デザイナーのジャン・シュランバージェが1965年に手掛けた「バード オン ア ロック ブローチ」。唯一無二のこの作品を彼のビジョンに敬意を表しながら新解釈を取り入れ、コンテンポラリーな自動巻き時計に変換させた。
スペック:自動巻き。18Kホワイトゴールドケース、レザーストラップ。直径39mm。3気圧防水。
1959年にデザインされた「16 ストーン」を継承
ティファニー「ジャン・シュランバージェバイ ティファニー」24 ストーン ウォッチ 2315万5000円
本機もジャン・シュランバージェが1959年に生み出した「16ストーン」コレクションが起源。ダイヤモンドを敷き詰めた文字盤の外周に18Kイエローゴールド製クロスステッチモチーフが配されており、手首の動きに合わせてこのリングが回転する。
スペック:自動巻き。18Kホワイトゴールドケース、レザーストラップ。直径39mm。3気圧防水。
エナメルやダイヤモンドで伝説的なランプを再現
ティファニー「ティファニー エタニティ」ウィステリア ウォッチ 2552万円
19世紀末から20世紀初頭にかけて製作されていた「ウィステリア ランプ」がモチーフ。装飾の美しい文字盤は、小さな金属の隙間に透明なエナメルを流し込むプリカジュール エナメル技法を用いたもの。
スペック:自動巻き。18Kホワイトゴールドケース、レザーストラップ。直径38mm。3気圧防水。数量限定。
問い合わせ先:ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク TEL.0120-488-712 https://www.tiffany.co.jp/
独創的で美しい高級置き時計「L’Épée 1839(レペ 1839)」もLVMHグループに仲間入り
2024年、趣味性の高いクロックで名高いレペ 1839がLVMHグループに入った。1839年にオーギュスト・レペが創業し、品質も精度も揺るぎないステージにあるクロックメゾンの参加は、LVMHの時計部門に新しい息吹をもたらすに違いない。初参加となった今回のLVMH ウォッチ ウィークでは、ウオッチ ボックスを披露。まるでアートのように、腕時計を機能的に見せる仕掛けが採用されている。
開発から組み立てまで完全自社生産の腕時計ボックス。ボタンを押すと機械的なリフトシステムが優雅にケースを開き、同時に収納した腕時計を鑑賞位置へと持ち上げる。またカバーを閉じると、内部機構が自動的に巻き戻されて次の展示に備える仕組みになっている。
※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
◎本記事は『ウオッチナビ 2025 Spring Vol.97』より抜粋・編集しています。
Text/WATCHNAVI編集部
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