<取材協力>
ブランパン(BLANCPAIN)
防水ケースや逆回転防止ベゼルといったダイバーズウオッチの基準は、1953年に【ブランパン(BLANCPAIN)】が開発した「フィフティ ファゾムス」によって完成を見た。このほど、ステンレススチール製ケースのコンパクトモデルが登場し、モダンダイバーズのパイオニアは誰もが手にしたい憧れのコレクションへと発展を遂げている。
フィフティ ファゾムスは実用性でも最高峰にある
腕時計の一大ジャンルであるダイバーズにおいて、「フィフティ ファゾムス」は最高峰に位置付けられている。歴史から機能、ステータスまで申し分ない魅力を有し、時代に合わせて進化してきた。その最新作となる「Ref.5010‐1130」も歴代に肩を並べる仕上がりだ。
現行の45mmモデルは2007年から続くロングセラーで今なお根強い人気だが、かねてからオリジナルモデル(41mm径)に近いサイズを求める意見が寄せられていた。その声に応えるように2023年の70周年記念モデル「フィフティ ファゾムス 70周年記念Act 1」で、42mmケースが登場。EMEA(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)、アジア太平洋、アメリカ大陸のエリアごとに70本ずつ、計210本限定は即完売を記録する盛況ぶりだった。
↑「フィフティ ファゾムス 70周年記念Act 1」 (完売済み)
これを受けて、昨年は42mm仕様のチタンモデルと18Kレッドゴールドモデルがレギュラー化され、今春そのステンレススチールモデルが遂にデビューした。気になる45mmモデル(Ref.5015‐1130‐71S 276万1000円)との違いは下にまとめたが、ディテールにおけるポイントはサンバーストブラック文字盤とケースバックの差異である。コンセプトが異なるため優劣はつけにくいが、42mmモデルは合理的サイズから広く支持を集めることは確実で、一方の45mmモデルはオリジナルの系譜を継ぐ第3世代として継続する価値がある。
≪フィフティ ファゾムス オートマティック比較 45mm径「5015‐1130‐71S」&新作42mm径「5010-1130-71S」≫
フィフティ ファゾムス オートマティック共通の個性のひとつが、短いラグにある。これによってフィット感を高めているが、42mm径の新作はさらに快適な装着感を実現した。厚さは1.2mm、重さ(ステンレススチールブレスレットモデルの場合)は約30gの差があり、新作は日々使う時計としてもストレスが低減されている。なお日付表示は、同じ4時-5時の間に位置する。
今回発表された新作「Ref.5010‐1130」の中で、注目はブレスレット仕様だろう。真円の文字盤とベゼル、アラビア数字や楔形の夜光付き目盛り、力強い針、短めのラグといったフィフティ ファゾムス固有のプロポーションを巧みにダウンサイジングし、42mm径のラウンドケースに収めた。これに繋がるブレスレットも基本設計を変えず、剛性の高い作りを受け継いでいる。フルポリッシュのケースに対し、ブレスレットはサテンとポリッシュを均整良く配することで、装着した際のシャープな印象が際立ち、腕元をスタイリッシュに飾る。まさにデイリーユースしたくなる、タイムレスなラグジュアリーダイバーズがここに誕生したのだ。
ブランパン「フィフティ ファゾムス オートマティック」 Ref.5010-1130-71S 268万4000円
新サイズ42mm径のステンレススチールモデル。ブレスレットは幅広の中央コマがサテン仕上げのみ、両側にはサテンとポリッシュのコマを交互に組み合わせた設計を採用している。バックルは装着しやすい両開き式だ。ベゼルトップは硬質で透明度の高いサファイアクリスタル製。
スペック:自動巻き(自社製Cal.1315)、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径42mm、厚さ14.3mm。30気圧防水。
問い合わせ先:ブランパン ブティック 銀座 TEL.03-6254-7233 https://www.blancpain.com/ja ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/山口祐也(WATCHNAVI編集部) Photo/戸田嘉昭(PileDriver)
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