青山・ライトボックススタジオにて機械式腕時計の魅力を伝える展覧会「からくりの森 2025」が開催

セイコー(SEIKO)】は2025年11月18日(火)までの期間、港区南青山にあるライトボックススタジオにてセイコーの機械式腕時計の特性とムーブメントに込められた技術の可能性を伝える展覧会「からくりの森 2025」を開催している。

腕時計の新たな可能性を育み、腕時計の様々な楽しさを体験

「からくりの森」は、2022年秋に誕生した“エンジニアリングとデザインで創り出した、腕時計の様々な楽しさを体験する活動”である「Seiko Seed(セイコー シード)」の一環として毎年開催されている。これまで原宿で開催されていた同展覧会は、回を重ねるごとに機械式腕時計のメカニズムの魅力と新たな可能性を求めて深化してきた。

腕時計の動きと音からインスピレーションを得た作品

 

原宿から青山に場所を移して開催される今回は、機械式腕時計の動きと音からインスピレーションを得た数々の作品を展示。セイコーウオッチデザイン部のほかに、セイコーウオッチのデザイナーでありアーティストの小松宏誠氏、エンジニアリングデザイン集団のSpline Design Hub、そしてデザイナーの三好賢聖氏が参加し、それぞれの専門分野から機械式腕時計の魅力を検証、発想、表現するとのこと。そんな展示作品を紹介していく。

まず、小松宏誠氏の作品「月のモビール(Moon)」は、ステンレスの円盤が1分間に1回転し、そこに映る光が満ち欠けを繰り返すというもの。無機質な動きの中に、時を感じさせるものとして月をモチーフにしたロマンチックな作品となっている。

次に、小松宏誠氏と三好賢聖氏の共作である「プワンツ(PUWANTS)」。「プワンツ」は、水のなかで気泡の浮力によってゆったりと動くアート作品のシリーズで、今回は時間や腕時計のインスピレーションから生まれた新作と過去作のリメイク作品が出展される。砂時計の逆を表現したという作品では、装置上部に気泡が溜まるとバブルリングを放出。毎回違う形で放出されるバブルリングは、さまざまな時の流れがあることを感じさせる。

3作品目は、Spline Design Hubの「螺旋の律動(Cadence of the Spiral)」だ。本作は、機械式腕時計を分解した際に出会った動力ぜんまいやひげぜんまいの存在から着想を得た作品とのこと。複数のアームによって支えられる長くしなやかなステンレス板の螺旋構造がそれぞれ独立して伸縮する。鼓動のように緩やかに動く本作は、目に見えない時間の輪郭を静かに描き出しているようだ。

4作品目は、三好賢聖氏による「時のムーブメント(Movements of Time)」である。セイコーウオッチの6・8・10振動のテンプが刻むチクタク音を同時に鳴らすことで、楽曲として成立させた作品となっている。本作はテンプの音、回転錘の回転音、それらを組み合わせたもの、無音の4つの楽章を実演する。今回、同氏がコラボレーションしているサウンドアーティストに、6・8・10振動専用の作曲ソフトウェアを開発してもらい、それをもとに作曲していったとのこと。また本作に使用している文字盤は、それぞれ6・8・10振動であることが見て分かるようなデザインにセイコーウオッチが仕上げたようだ。

5作品目は、セイコーウオッチのデザイナーによる作品「時の軌跡(Traces of Time)」だ。本作では機械式時計の精緻な針の動きを拡張し、砂の上に紋様を描くことで、時間を可視化しているようだ。3針時計と同じく、砂の上を60秒、60分、12時間でそれぞれ1回転する装置が置かれている。これらの装置は同じ紋様を描くように回転しているが、砂の高低差によってそれぞれが異なる紋様を描く。

最後に紹介する作品もセイコーウオッチのデザイナーによるもので、「時の交わり(Intersection of Time)」という作品だ。本作では、ケースの中の針を外に出し他の時計の針と交わらせることで、そこに小さな世界を生み出した。針の先端には手を挙げた人が成型されており、それが回ることで様々な物語を展開する。本作は、針がただの道具ではなく人の時を刻んでいるということを感じさせる。

様々な角度から時間を表現した作品が展示されている「からくりの森 2025」。本展覧会にて、これまで味わったことのない“時の流れ”を体感してはいかがだろうか。

 

【からくりの森 2025】
開催期間:2025年11月5日(水)~11月18日(火)
休館日:会期中無休
開館時間:11月9日(日)までは10:00~20:00、11月10日(月)より11:00-20:00(入場は19:45まで)
会場:LIGHT BOX STUDIO(東京都港区南青山5丁目‑16-7)
入場料:無料
URL:https://www.seiko-seed.com/karakurinomori2025/

主催:セイコーウオッチ株式会社
参加クリエーター:小松宏誠、Spline Design Hub、三好賢聖、セイコーウオッチ株式会社
プロデューサー:桐山 登士樹(TRUNK)

 

問い合わせ先:セイコーウオッチ(株)お客様相談室 TEL.0120-061-012 https://www.seikowatches.com

Text/Ren Kanagawa

TAG

人気のタグ