<取材協力>
ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)
1791年に創業されたスイスの高級時計ブランド【ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)】が、輝かしい歴史を彩るマイルストーンを称え、2つのリミテッドエディションを発表した。ひとつ目が1867年に考案した「スリー・ブリッジ」を現代的に解釈し、プロダクト化した「ロレアート スリー・ゴールド ブリッジ」。ふたつ目が1975年に世に発表した初代「ロレアート」から半世紀を祝う「ロレアート フィフティ」。伝統と革新を凝縮したこれらのニューモデルについて詳解する。
「ロレアート スリー・ゴールド ブリッジ」── ジラール・ペルゴの歴史的功績を象徴するタイムピース
ジラール・ペルゴにはもちろん、スイス時計界においてもスリー・ブリッジの意匠は特別な意味を持つ。1867年に発案されたこの設計は、機械式時計のムーブメントを〝魅せるデザイン〞に仕上げるという史上初の試みだったのだ。水平に並んだブリッジには香箱、輪列、トゥールビヨンを配置し、それらが時刻を刻みながら有機的に動く様子までさらけ出す意匠は、ジラール・ペルゴが1889年のパリ万博に出品した「ラ・エスメラルダ」の金賞受賞を持って世界の知るところとなった。ところが、スリー・ブリッジのように最初から美観と機能性を両立したキャリバーの設計が他社からも本格的に登場するのは、21世紀に入って以降のこと。19世紀には着手していたジラール・ペルゴの先見の明には舌を巻くほかない。

↑1889年のパリ万博で金賞を受賞したマスターピース「ラ・エスメラルダ」。19世紀の時点でこれほど芸術的なムーブを手がけたブランドは、ジラール・ペルゴを置いて他にない。永遠に語り継がれるべき傑作だ。
こうした歴史を踏まえて誕生50周年を祝うアニバーサリーモデルの第2弾として発表された「ロレアート スリー・ゴールド ブリッジ」を見ると、この時計がまさしく19世紀から3世紀に渡ってジラール・ペルゴが培ってきたサヴォアフェールを凝縮した特別モデルだと理解できる。表と裏から確認できるスリー・ブリッジの構造は、12時側に特許取得のマイクロローターと同軸の香箱をセット。そこから2番車や3番車、固定4番車を介してトゥールビヨンキャリッジを回転させるカナからエスケープメントを駆動させる仕組みだ。19世紀から継承し続けているこの設計を本機のサイズに合わせて完全新規開発したキャリバーGP9620は、その構造美に加えて仕上げも特筆もので、362の内角を含む418の角に手作業でポリッシュ仕上げを施す。光を浴びて煌めくムーブは、プラチナ製マイクロローターや、ホワイトゴールド製ブリッジ、計算された輪列設計、控えめなサスペンデッドインデックスと共鳴し、腕時計を機械芸術の域へと昇華させている。
これらを内包する「ロレアート」のケースは、直径41mm、厚さ10.85mmのサイズ。「ロレアート フィフティ」と同じく、ベゼルの角は正面からも鏡面が出現するよう若干コンケーブした面取りを採用し、リューズをオクタゴナルシェイプとしている。ブレスレットも最長4mmの調整機能を備えるなど、最新技術を駆使した仕様が満載。複雑時計でありながら実用性を重視した設計は、ベースが「ロレアート」だからこそなせる技だ。
「ロレアート スリー・ゴールド ブリッジ」は、1975年に誕生した独創モデルに伝統のスリー・ブリッジを冠し、最新技術でさらなる高みへと導いた一本。まさに現代ジラール・ペルゴの象徴と言っても過言ではない。
伝統のスリー・ブリッジが最新「ロレアート」と華麗に融合

ジラール・ペルゴ「ロレアート スリー・ゴールド ブリッジ」 Ref.99112-58-3576-1CM 2425万5000円
ジラール・ペルゴが1867年に発表したスリー・ブリッジの意匠が、現代のロレアートと融合した世界限定50本のスペシャルピース。人間工学に基づいて設計された直径41mmのステンレススチールケースに八角形の18Kホワイトゴールドベゼルをセット。伝統のH型ブレスレットへと流麗につながるフォルムが、独創スケルトンキャリバーと相まってこのうえない存在感を放つ。
スペック:自動巻き(Cal.GP09620-2206)、毎時2万1600振動、約55時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径41mm。30m防水。世界限定50本。
「ロレアート フィフティ」── 新たなステージへの突入を宣言する記念碑的な一本!
1975年に誕生した最初の「ロレアート」は、1969年の「ディープ ダイバー」から受け継がれた多角形ベゼルを、社内デザイナーが洗練さを加えてデザイン。これに完全自社製クオーツムーブメントを搭載した高精度ウオッチとしてデビューした。それから50年。新たな革新の歴史が幕を開ける。
新作「ロレアート フィフティ」は、数年間に及ぶ開発期間を経て完成した新型キャリバーGP4800を搭載。自動巻きながら薄型設計で、ケースの厚みも10mmを切るスリムな新型ケースとなった。外装の特徴的なポリッシュ面はレギュラーモデルよりも幅が広く、バイカラーの煌めきを豊かに表現。文字盤はインデックス、針ともにエッジを効かせた多面形状とした。また、同様のカットを秒針後端のカウンターウェイトのアローモチーフにも適用することで、文字盤に調和をもたらしている。

↑1984年から続くH型ブレスレットは、バックルに向かって徐々に細くなるテーパードデザイン。一体設計の外装をポリッシュ面が強調。
歴史的な特徴のひとつであるH型ブレスレットは、バックルに微調整機能を加えるなど着け心地への配慮が嬉しい。このように原型で忠実でありながらすべてが新しい「ロレアート フィフティ」は、これからジラール・ペルゴの進む未来を示すステートメントピースと言えそうだ。
原型に忠実でありながら現代技術を満載した限定新作

ジラール・ペルゴ「ロレアート フィフティ」 Ref.81008-63-3412-1CM 381万7000円
原点モデルのアイコニックなバイカラーを最新モデルに適用した世界限定200本の誕生50周年アニバーサリーモデル。直径39mm、厚さ9.8mmのスリムデザインは、ケースとムーブメントともに新設計して実現。
スペック:自動巻き(Cal.GP4800)、毎時2万8800振動、約55時間パワーリザーブ。ステンレススチール+18Kイエローゴールドケース&ブレスレット。直径39mm、厚さ9.8mm。150m防水。世界限定200本。
新型キャリバーGP4800は30年ぶりの次世代旗艦ムーブメントだ

↑キャリバーGP4800/セラミック製ボールベアリングで回るローターには、巻き上げ時のノイズや耐衝撃性能を高める機構も装備。直径25.60mm、厚さ4.28mm。毎時2万8800振動、約55時間パワーリザーブ。163パーツから構成。
間。
10種類もの仕上げを駆使して作られる 美観も性能も最高峰のベースムーブメント
長らくジラール・ペルゴを支え続けているキャリバーGP3300の次の世代を担うと目されているのが、今回のアニバーサリーモデルに搭載されたキャリバーGP4800。直径25.6mm、厚さ4.28mmのサイズに、サンドブラストやサテン、サンレイ、コート・ド・ジュネーブ、スネイル、ポリッシュ、エングレーブといった10種類に及ぶ仕上げを、目には見えない裏側の部分まで施し尽くしている。ローターは1867年のオリジナルのブリッジに敬意を表したポリッシュ仕上げのアローモチーフを採用するなど、歴史的なデザインを現代的な仕上げとともに楽しむことができる。

↑ガンギ車やアンクルにシリコンを用いたエスケープメントを採用しながら秒停止機能も搭載。軽量化や摩耗耐性も向上し、長期にわたる安定した高精度を維持できる。テン輪の縁にある4個のホワイトゴールド製ネジで歩度調整が可能な可変慣性テンプを備え、2点支持の受けと合わせて耐衝撃性能も高めるなど、基本性能が大幅アップ!

↑現社名の由来となった19世紀の有能な時計師コンスタン・ジラールが1860年に考案したスリー・ブリッジの思想に則り、設計をシンメトリーに限りなく近い3分割に。写真奥は香箱受け、中央は輪列受け、手前はテンプ受け。
問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791 https://www.girard-perregaux.com/jp_jp/
※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/水藤大輔(WATCHNAVI)
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