スイスの時計ブランド【ルイ・エラール(Louis Erard)】が、伝統的な時計製造や技法を用いた「ノワールモン メティエ・ダール コレクション」より最新作を発表した。多重構造のダイアル、オープンワークの時・秒ディスクと多層装飾技法によるレギュレーター表示を組み合わせた「エスプリ フランケ」が発売となり、価格は105万6000円。ブルーバージョンとグレーバージョンの2型が用意され、どちらも世界限定99本の生産となっている。
スケルトン仕様の時表示と秒表示ディスクを初導入
本機最大の見どころは、ルイ・エラールとして初めて導入されたスケルトン仕様の時表示および秒表示ディスクにある。12時位置の時表示と6時位置の秒表示に配されたこのオープンワーク構造のディスクは、ダイアルの上で重力から解放されたかのように軽やかに回転。この複雑な機構は、滑らかな回転動作と安定性、そして瞬時に時を読み取るための高い視認性を両立させるべく、極めて精密な設計を経て開発されている。ダイアル全体に動的なリズムと浮遊感をもたらすこの試みによって、時計をひとつの動的なオブジェへと昇華させた印象だ。本機の開発について、ブランドは次のように語っている。「『エスプリ フランケ』は、パターンと光によってルイ・エラールのシグネチャーであるレギュレーターを再定義し、明確な視覚的階層構造によって時間を再構築します」。
ダイアルの表情を決定づけるのは「エスプリ フランケ技法」と名付けられた高度な装飾技法である。ベースダイアルにはフルーテッド・サンレイ装飾が精緻に刻まれ、その上からラッカー仕上げを幾重にも重ねることで、多層構造のダイアルを構築。この技法により、放射状に広がるラインに沿って光がドラマチックに拡散し、腕の動きに合わせて反射が絶えず移ろい、明暗と奥行きのコントラストが刻々と変化するその様は、まさに光の相互作用そのものだ。視線は深みのあるブルー、またはグレーに彩られた分表示へと誘われ、メゾンのアイデンティティであるモミの木を模したセンター分針が、その中心で力強い存在感を放つ。
異なる魅力を放つブルーモデルとグレーモデル
直径39mmのステンレススチールケースは、全面を丁寧にポリッシュ仕上げすることで、鏡のような輝きを演出。ブルーモデルはベージュのカーフストラップを合わせることで温かみのある佇まいに仕上げたが、グレーモデルはダイアルからストラップまで同色系のトーンで統一。建築的でミニマルなモノクロームの美学を突き詰めており、現代的なスタイルとクラシカルな時計作りを高度に調和させている。内部の心臓部には、自動巻きレギュレーター・ムーブメント「キャリバーSW266-1」を搭載。シースルー仕様のケースバックからその姿を直接鑑賞でき、ブラックラッカーでブランドロゴを刻み込んだオープンワーク仕様のローターをはじめ、細部まで妥協のない職人技を楽しむことができる。さらに日常生活を支える5気圧防水を有し、両面に無反射コーティングを施したドーム型サファイアクリスタルが、光の干渉を排除して常にクリアな視界を確保する。
近年のルイ・エラールは、手彫り装飾、グラン・フー・エナメル、フィル・ドールといった伝統技法を現代的な文脈で再解釈し、「ノワールモン メティエ・ダール コレクション」で発表してきた。今回の「エスプリ フランケ」は、そうした探求の歩みがさらに深化し、新たな到達点を示したといえるだろう。伝統への敬意と現代的な表現を巧みに融合し、独自のコレクタブルな立ち位置を築くルイ・エラールならではのタイムピースとして、世界中の愛好家から大きな注目を集めることになりそうだ。
ルイ・エラール「エスプリ フランケ」 Ref.LE85248AA65.BVA158 105万6000円/自動巻き(Cal.SW266-1)、毎時2万8800振動、約38時間パワーリザーブ。ステンレススチール製ケース(シースルーバック)、グレインカーフレザーストラップ。直径39mm、厚さ12.82mm。5気圧防水。世界限定99本。2026年5月中旬発売予定。
ルイ・エラール「エスプリ フランケ」 Ref.LE85248AA62.BVA153 105万6000円/自動巻き(Cal.SW266-1)、毎時2万8800振動、約38時間パワーリザーブ。ステンレススチール製ケース(シースルーバック)、グレインカーフレザーストラップ。直径39mm、厚さ12.82mm。5気圧防水。世界限定99本。2026年5月中旬発売予定。
問い合わせ先:大沢商会 時計事業部 TEL.03-3527-2682 https://www.josawa-watch.com/louis_erard.html ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈
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