2026年、創業30周年の節目を迎えたスイスのマニュファクチュールブランド【パルミジャーニ・フルリエ(PARMIGIANI FLEURIER)】が2つのビッグニュースを発表した。ひとつは、世界限定5本で製作されたスペシャルモデル「カリヨン トゥールビヨン」のリリース。もうひとつは、長年世界の舞台で活躍してきたサッカー元日本代表、吉田麻也氏のブランドパートナー就任である。

19世紀初頭の懐中時計から着想を得て開発
「カリヨン トゥールビヨン」の開発背景には、2000年にパルミジャーニ・フルリエのアトリエにおいて完璧な修復を遂げた、サンド財団所蔵の19世紀初頭のペラン・フレール製懐中時計の存在がある。この歴史的な傑作から得たインスピレーションは、決して懐古的な模倣ではなく、音と所作、および構造の知性を未来のタイムピースへと正統に継承するための力強い原動力となった。構想や開発、製造から組み立て、および最終的な仕上げに至るまでのすべての工程を自社内で完結できるマニュファクチュールの強みを最大限に活かし、時計師や設計者、修復師らの英知をひとつのタイムピースとして見事に結実させている。
「カリヨン トゥールビヨン」の最大の特長であり、メゾンの美学を体現する要素として挙げられるのが、4つの異なるゴングが奏でるミニッツ・リピーター機構である。この独創的な波状のフォルムを持つゴングは、ガラスボックス型のサファイアクリスタル風防の下にその姿を露わにしており、限られた空間のなかで圧倒的な存在感を放つ。時間を告げる音色の構成もユニークで、低音で時間、高音で分で表し、さらに2つのトーンで四半時を表現。この打鳴機構の調速には、一体型のフライホイールが採用されており、最初のひと音から最後の余韻に至るまで、完全にコントロールされた一定のテンポと美しく均一な音響空間を維持する。
18Kホワイトゴールド製ケースに自社製ムーブを搭載
この精緻な構造を包み込む外装には、美しく再設計された18Kホワイトゴールド製ケースを採用。直径41.6mm、厚さ12.6mmに仕立てられたこのケースは、単内部のムーブメントを保護する枠組みであることを超え、音の密度や透明感、響きの持続性を極限まで高めるための共鳴器としての役割を担っている。その内側に収められたモーニングブルー文字盤は、職人の繊細な手仕事によるハンマー加工が施され、シルバーとブルーが織りなす繊細な色彩が、差し込む光の角度によって刻々とその表情を変化させる。
本機に搭載されるのが、456個もの厳選されたパーツを手作業で緻密に組み上げた手巻き式のマニュファクチュールムーブメント「キャリバー PF950」である。内部には2つの香箱を同軸上に重ねて配置することによって、約12日間に及ぶ驚異的なロングパワーリザーブを実現。さらに打鳴機構専用の独立した3つ目の香箱を設けることで、ミニッツ・リピーターが作動している際にも輪列へのエネルギー供給を完全に安定させ、ムーブメント全体の正確な運針を妨げない構造となっている。さらに、シースルーバックから鑑賞できる各パーツの表面には、かつてメゾンの象徴的なアートピースである「アルモリアーレ」でも披露されたメゾビブブラートと呼ばれる高難度の彫刻技法が全面に施されており、こちらも本機の見どころのひとつとなる。
プロサッカー選手、吉田麻也氏がブランドパートナー就任
このように、伝統を尊びながらも常に革新的な機械芸術を追求し続けるパルミジャーニ・フルリエの精神は、ブランドの歩みを進めるパートナーシップのあり方にも深く共鳴している。今回、メゾン創立30周年という偉大なる節目を祝し、プロサッカー選手として国内外のトップリーグで約20年にわたり活躍を続けてきた吉田麻也氏が、新たなブランドパートナーへと就任。サッカー日本代表において長年にわたりキャプテンとしてチームを牽引し、現在はロサンゼルスを拠点とするLAギャラクシーに所属しながら日本プロサッカー選手会の会長としても活動の幅を広げる同氏の誠実な姿勢と静かな情熱は、プライベート・ラグジュアリーというメゾンの価値観に美しく響き合う。
今回のブランドパートナー就任にあたり、吉田麻也氏は次のように語る。「4年前に出会って以来、パルミジャーニ・フルリエの時計は、私にとって人生の大切な時をともに刻んできた特別な存在です。自身が愛用してきたメゾンの魅力を、多くの方々にお伝えできることを大変嬉しく思います。過去の修復から学び、そこから新たな革新を生み出していく姿勢。そして、機械芸術という究極の領域を妥協なく追求し続ける哲学に、強く共感しています。日々の積み重ねを大切にしながら、自分自身のスタイルを磨き続けること。その価値観は、世界のピッチで歩んできた私自身のキャリアとも深く重なっています」。
ロサンゼルスにて撮影されたキャンペーンビジュアルでは、2026年4月発表の「トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ」を着用した吉田氏の姿が切り取られており、ピッチの外でも揺るぎない自己のスタイルを磨き続けるトップアスリートとしての研鑽の日々が、メゾンの目指す究極のタイムピースの姿と見事に重ね合わされている。同ビジュアルはすでに公開されているので、ぜひその目で確かめてほしい。
問い合わせ先:パルミジャーニ・フルリエ TEL.03-5413-5745 https://www.parmigiani.com/jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈





