【時計界の偉人列伝】世界で初めて自動巻き機構を開発し、特許を取得した男――ジョン・ハーウッド

イギリス人時計技術者、ジョン・ハーウッド(1893年-1964年)は、腕時計における自動巻き機構の基本メカニズムを1923年に開発した偉人である。人間の腕の動きを利用し、装着する腕時計のムーブメントのローターが回転することによって、自動的にゼンマイが巻き上がる世界初のシステムを実用化したのだ。

 

自動巻きムーブメントの登場で腕時計はさらに実用的に

ジョン・ハーウッド(資料提供:フォルティス)

第一次世界大戦で兵士が活用した腕時計が、近いうちに世の中に浸透すると予感していたジョン・ハーウッドは、時計師として、その欠点も理解していた。湿気や埃にさらされる腕時計は、懐中時計と違って故障も多かったのである。彼は従来とは異なるゼンマイの巻き上げ方法の開発に没頭していくなかで、目を付けたのがシーソーで遊んでいた子供たちの様子であった。

これと同じように反復する動作によって、動力源たるゼンマイが自動的に巻き上がる仕組みができないかとひらめいたのだ。そして腕の動きによって装着している腕時計はローターを介して動力を香箱へと伝え、格納するゼンマイを巻き上げるシステムを考案した。ジョン・ハーウッドはこの基本構造を1923年に発明し、翌年スイスで特許を取得。1926年にスイスの時計ブランド、フォルティスとの共同開発の末に完成させたのである。

ジョン・ハーウッドが最初に製作した、自動巻き懐中時計の量産化前のプロトタイプ

 

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