現在では各分野において趣味が細分化され、ユーザーの好みに合わせた選択も容易くなった。時計界でも同様の流れがあり、近年ではブラックモデルが流行し、すでに定着化している。だが、安易な“黒”は評価されず、ブランド独自の視点と技術によって個性を強く押し出したモデルに注目が集まっているのだ。今回は2020年発売の新作より、こだわりのマテリアルとそれを生かすブラックを実現した3本について解説する。
50年前のブラックプロトタイプをモダンに再解釈

1970年製プロトタイプを現代的に再解釈し、当時では珍しかったブラックのステンレススチールケースを、マイクロブラスト加工のチタンで再現。ブラックのダイアル&コーデュラ調ラバーストラップに、マット仕上げでニュアンスを与えたグレーケースを組み合わせ、絶妙なダーク系デザインを生み出した。オリジナルモデルに由来する小ぶりな37mm径ケースに、自社製の自動巻きクロノグラフムーブメント、エル・プリメロ 4061キャリバーを搭載。5気圧防水。
問い合わせ先:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL.03-3575-5861
https://www.zenith-watches.com/jp_jp/
超軽量カーボン文字盤に“X”のマークが精悍な印象

“海のエベレスト登頂”とも呼ばれる、過酷な外洋レース「ヴァンデ・グローブ」とのパートナーシップ締結を記念する300m防水ダイバーズウオッチ。クラシックの殻を破る衝撃のXコンセプトを掲げるユリス・ナルダンらしいユニークなブラックダイアルは、逆回転防止ベゼルと同じカーボンから作られている。44mm径のケースは、軽量かつ耐食性の高いチタンにブラックDLC加工を施したもの。自動巻き。世界限定300本。
問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791
https://www.ulysse-nardin.com/
ブラック×グリーンのスポーツオクタゴンウオッチ

エクストリームスポーツをイメージしてデザインされたコレクションに、直径44mmのブラックセラミックケース、グリーンセラミックの8角形ベゼルやリューズ&プッシュボタン、さらにグリーンのテキスタイル加工ラバーストラップを組み合わせた。新しいアラビア数字インデックスを配したメガタペストリーダイアルは、グリーンからブラックへと移り変わるグラデーション仕様。自社製の自動巻きムーブメント、キャリバー3126/3840を搭載。10気圧防水。ブティック限定販売。
問い合わせ先:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000
https://www.audemarspiguet.com/ja/