スイスを中心に、ドイツやイタリア、アメリカ、日本と世界に名だたる時計ブランドは数百社存在します。そのなかでも人気・実力とも評価の高いブランドを、新モデルとともに紹介。今回は、日本を含む世界の実力派4ブランドをピックアップします。
【日本】セイコー
伝統の機械式とクオーツ、そして第3の機構で世界戦略を展開
服部時計店として創業後、1892年に精工舎を設立し、掛け時計を製造。1895年に懐中時計「タイムキーパー」、1913年には国産初の腕時計「ローレル」の製造を開始します。クオーツ時計の先駆者でもあり、1969年に世界初となる「クオーツ アストロン」を発売し世界を席巻しました。1999年にはゼンマイ駆動ながらクオーツで制御する第3の時計機構「スプリングドライブ」を発表。伝統の機械式やクオーツの技術と併せ、世界戦略を展開中です。
NEW MODEL
ブランド初となる「サファイアガラス製のベゼルリング」による高級感と透明感が特徴の衛星電波時計。シャープな面で構成されたケースとブレスレットデザインが、品格ある存在感を放ちます。
【イタリア】ブルガリ
イタリアの洗練デザインで時計界に独自の地位を築く
ギリシャ系の銀細工師ソティリオ・ブルガリが、ローマに宝飾店を開いたのが1884年。腕時計の製造は1977年からで、最初のモデル「ブルガリ・ブルガリ」は現代まで続く代表作に。以来、一流の宝飾ブランドならではのファッション性の高い逸品に、世界の支持が集まりました。2010年には「ウオッチメーカー宣言」を行い、翌年には傘下のダニエル・ロートとジェラルド・ジェンタを垂直統合。時計界でも独自の地位を築いています。
NEW MODEL
2.23mmという世界最薄の自社製ムーブメントを搭載し、世界で最も薄いケース厚5.15mmを実現。チタンケースやベゼルを巧みにカッティングしたミニマルなデザインが、ブルガリの創出する「美のコード」を見事に具現化しています。
【ドイツ】グラスヒュッテ・オリジナル
ドイツ時計界の歴史を担うマニュファクチュール
フェルディナント・アドルフ・ランゲが1845年に設立した時計工房がルーツ。その後、ユリウス・アスマンやアルフレッド・ヘルヴィグといった屈指の時計師が町に工房を構え、第二次大戦後の1951年、これら時計関連会社が統合して東ドイツ国営のGUBに。さらに東西ドイツ統一後の1990年、GUBは民営化されて現在の同社となります。「セネタ」(1997年)や「パノ」(2000年)など、ドイツ時計らしい質実剛健な時計を展開。
NEW MODEL
シリコンヒゲゼンマイを初採用して昨年発表された自社キャリバー36をベースに、永久カレンダーを搭載。左サイドのコレクターを用いる調整のしやすさと、パノラマデイトや閏年など各表示をバランス良く配した文字盤の視認性に定評アリ。
【アメリカ】ボール ウォッチ
米国鉄道黎明期を支え究極のタフネスを追求
アメリカをはじめ、カナダ、メキシコなどで安全な鉄道運行のカギを握る高精度な鉄道時計の検査システムを構築し、普及に努めたウェブスター・クレイ・ボールが創業。鉄道時計がブランド創設の根本にあたるため、精度や機能性、視認性にこだわったモデルを数多く生み出しました。従来の夜光塗料とは一線を画す自発光マイクロ・ガスライトを導入したタフモデルが、海や極地、宇宙など過酷な状況で活躍するプロに支持されています。
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独自のスプリングロックの改良型を装備。ケース素材には、船舶部品にも使われる高耐久素材アルミニウムブロンズを採用しています。内部にはミューメタル製インナーケースを備え、8万A/mの高帯磁性を実現。ボール ウォッチには珍しく、数字インデックスにスーパールミノバを採用し、外周にはマイクロ・ガスライトが控えめにセットされています。
国ごとに時計を見ていくと、その国らしいデザインや気質みたいなものが反映されていたりと、カラーもそれぞれ。「ビジネスで必要だから」「ファッションのアイテムとして」時計を選ぶのも良いですが、小さな体に刻まれた歴史を知れば、自分にピンとくるブランドに出会えたり、腕時計をさらに好きになれるかもしれませんよ。
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