カシオ、シチズン、セイコーの3社の発明が2021年度の「重要科学技術史資料」に登録決定
重要科学技術史資料は、国立科学博物館が定めた登録制度により保護される文化財のことで、2008年の第1回から毎年発表されている。愛称は未来技術遺産。2021年度が9月1日に発表され、腕時計の分野ではカシオの「PRT-1GPJ」、シチズンの「シチズン エクシード」、セイコーの「セイコー スプリングドライブ 7R68」が新たに登録された。セイコーは2018年のクオーツ式腕時計「アストロン」から毎年、シチズンは、2018年、2019年に続く3件目、カシオは腕時計以外の発明も含めると8件目の登録となる。
腕時計のさらなる発達に貢献した発明品
国立科学博物館は2008年から、「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」及び「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を 図るために重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)の登録を実施」している。
2021年度は日本初の磁気録音テープなど24件が登録。そのうちの3件で腕時計の発明が含まれている。第00306号登録のシチズン エクシードCal.1930は、1981年に製作された世界初のIC内温度補正機能搭載クオーツ腕時計。第00307号登録のセイコー スプリングドライブ 7R68は、1999年に製作された世界初のぜんまいで駆動しクオーツで制御する高精度腕時計。第00308号登録のカシオGPS内蔵ウオッチ“サテライトナビ”PRT-1GPJは、1999年に製作された世界初GPS機能を内蔵したアウトドアウオッチ。それぞれの個性が際立つ発明は、世界的にも貴重な腕時計の技術的成果である。
なお、国立科学博物館では2021年9月7日(火)〜26日(日)に今年度の登録される資料のパネル展示が開催される。●国立科学博物館上野本館(東京都台東区上野公園 7-20) 日本館1階中央ホール。要入館予約。
パネル展示の詳細:http://sts.kahaku.go.jp/event/2021/ft_panel14/
重要科学技術史資料一覧:http://sts.kahaku.go.jp/material/index.html