【オリス】の歴史深きパイロットウオッチが高性能な自社製キャリバーや新デザインの採用でダイナミックな進化を遂げた

実用性と趣味性を兼ね備える機械式時計を幅広く手がけるスイスウオッチブランド、【オリス(ORIS)】。その旗艦コレクションである「ビッグクラウン」に、高性能な自社製オートマチックムーブメントを搭載する待望の新作が誕生した。現代ならではのニーズに応えるダイナミックな進化を遂げた、2021年を締めくくるに相応しい注目モデルの全貌に迫る。

“実用的に意味のあるものを作る”から生み出されたパイロットウオッチの最新仕様として

 

1904年にスイス・ヘルシュタインで創業し、技術と伝統を紡いできたオリスは、歴史が古いからといってクラス感を誇張するようなことはあえてしない。手掛けるのはあくまでユーザーが日常生活で価値を実感出来る、本当の意味での実用時計だ。

そんなオリスが展開しているコレクションは多彩だが、筆頭となっているのが1938年以来続くパイロットウオッチの「ビッグクラウン」。ネーミングの由来にもなっている、操縦士がグローブを装着したままでも操作しやすい大型のリューズ(クラウン)を備え、機能性もさることながら個性的な意匠の要にもなっている。このほど誕生した最新作はカラーや素材違いのバリエーションではなく、コレクション自体の意義をも変える新機軸となる存在と言えよう。その理由が、汎用ムーブメントではなくオリス生粋の自社ムーブメントを採用している点だ。5年がかりで開発したというキャリバー400の派生型=「キャリバー403」を搭載している。さらにはデザインも大幅な改変が加えられている。その特徴を、定番のビッグクラウン ポインターデイト(Ref.754 7741 4064-07 5 20 65)と比較し、ポイントごとに解説する。

 

<ケース比較>

↑新作「ビッグクラウン ポインターデイトキャリバー403」
↑定番「ビッグクラウン ポインターデイト」

従来のモデルは40mm径(写真下)と36mm径の2サイズで展開されているが、キャリバー403搭載のニューモデル(写真上)は38mm径の一択。トレンドにも適った手頃な大きさが魅力だ。目を引くのはベゼルの差異。定番モデルはトレードマークのコインエッジベゼルのデザインだが、新作は刻みのないプレーンベゼルとなっている。さらに新作はセンターセコンドではなくスモールセコンドへ、ポインターデイト針の形状も変更されている。

 

<ムーブメント&シースルーバック比較>

↑新作「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」
↑定番「ビッグクラウン ポインターデイト」

いずれもケースバックはシースルーデザインで、搭載ムーブメントが鑑賞できる。新作(写真上)のキャリバー403の巻き上げローターは、定番のキャリバーOris 754などで一律に採用されているレッドローターではなく、ソリッドな無着色で肉抜き加工を施し、遠心力(=巻き上げ効率)の向上を図った現代的な設計。なお、キャリバーOris 754が直径25.60mmであるのに対し、キャリバー403は直径30mm。38mm径ケースの新作にセットすると、ケースいっぱいまでムーブメントが収められており、バランスの良さが際立つ。

 

(左)定番「ビッグクラウン ポインターデイト」 (右)新作「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」

機能、外観ともに一新された新世代のフラッグシップモデルたる実力

「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」に搭載されている新開発の自社製キャリバー403は、ダブルバレルの採用で5日間のロングパワーリザーブを達成している。さらに脱進機関連の30以上のパーツをシリコンなど、非鉄金属や耐磁性素材にすることで磁気による精度の影響を、一般的な機械式ムーブメントに比べて90%以上カットすることに成功している。また、自動巻き上げ機構の改良やトルクの最適化などで耐久性も向上しているのだ。

現代生活に潜む切実なニーズを汲んだハイスペックを網羅し、次世代を見据えた技術革新の象徴とも言えるキャリバーを、より簡潔に洗練された外観とともにフィーチャーした「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」。一方で、従来からの大定番「ビッグクラウン ポインターデイト」は、ロングセラーモデルとして確たる実績を積んだキャリバーを、古き良きパイロットウオッチの王道デザインに統合している。この個性ある双璧の体制により、ビッグクラウンは新たな歴史を刻んでゆくことになる。

 

 オリス自社製キャリバー400系のアドバンテージ

【高精度】
COSC認定クロノメーターを超える精度テストを、オリスが独自に設定して実施。日差-3〜+5秒を達成。

【耐磁性】
30以上のパーツが磁気の影響を受けにくい素材で、耐磁時計の基準ISO764の規定を上回るスペックを実現。

【5日間パワーリザーブ】
主ゼンマイや輪列、巻き上げ効率などを工夫し、最大で5日間(120時間)ものパワーリザーブを確保している。

【10年保証】
自動巻きローターと巻き上げ機構を改良して不具合を低減。マイオリスの登録によって保証期間が10年間へと伸びる。

 

キャリバー403は2020年に発表された、3針センターセコンド式のキャリバー400(WATCHNAVI Salonでは、過去に分解・検証記事を公開)の派生型で、ポインターデイト機構とスモールセコンドが付加されている。同年、250本限定で発売された「ヘルシュタイン エディション」に搭載されて話題を呼んだが、この度晴れてレギュラーモデルに搭載されることとなった。巻き上げローター部分には新開発の「スライドベアリング」を採用し、動作の安定性や耐久性も向上している。

 

(左)1960年代製のビッグクラウン ポインターデイト (右)新作「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」

“完璧な機能性”を追求した原点回帰のデザイン

自社製キャリバー版ビッグクラウン ポインターデイトは外観もメカも大胆に刷新されていることを、お分かりいただけただろうか。目新しさやイメージチェンジを狙ったものではなく、創業以来オリスが追求し続けてきた“究極の実用時計”への情熱をもとに、技術やアイデアをフルに投入して開発されたものと言える。それを実証しているのが、ビッグクラウンの最初期モデルをオマージュにしている点。あたかも初心に返って襟を正すかのように、プレーンベゼル、スモールセコンド、矢印型のポインターデイト針、さらにインデックスの書体までも、ブランドの記念碑的な傑作時計の様式を踏襲している。これら外観も内部に秘められた機能性も、日常において最高のパフォーマンスを発揮する。伝統と革新が高度に融け合う2021年ラストを飾る注目作は、老舗ブランドの次なるマイルストーンたる資格を有する逸品だ。

 

オリス「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」Ref.403 7776 4065-07 5 19 11 42万9000円/自動巻き(自社製Cal.403)、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、レザーストラップ、両面ドーム型サファイアガラス風防(内面反射防止コーティング)。直径38mm。5気圧防水。2021年12月上旬発売予定

 

オリス「ビッグクラウン ポインターデイト」Ref.754 7741 4064-07 5 20 65 20万9000円/自動巻き(Cal.Oris 754/SW200-1ベース)、毎時2万8800振動、38時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、レザーストラップ、両面ドーム型サファイアガラス風防(内面反射防止コーティング)。直径40mm。5気圧防水

 

「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」をいち早く手に入れるなら【オリス フラッグシップショップ】へ

日本におけるオリスの旗艦店、オリス銀座ブティックは2019年にオープン。自社製キャリバー搭載機など人気モデルをフルラインナップ

 

オリス銀座ブティック
Tel:03-6228-6866
住所:東京都中央区銀座4-3-14 和光オリスビル
営業:11:00~19:00
定休日:不定休

https://www.oris.ch/jp

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、休業日や営業時間の変更、一時休業などを行っている可能性があります。

 

Photo/吉江正倫

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