“時計界の進化を2世紀早めた”と称えられている伝説的な天才時計師、アブラアン-ルイ・ブレゲ。彼の技術と哲学を継承する【ブレゲ(BREGUET)】が、新作「トラディション トゥールビヨン フュゼ 7047」を発表した。価格は2327万6000円(税込み)。
エレガントなブルーと特別なトゥールビヨンによる“共演”
アブラアン-ルイ・ブレゲによってトゥールビヨンが発明された日に合わせ、ブレゲがトラディションコレクションからトゥールビヨン搭載のニューモデル「トラディション トゥールビヨン フュゼ 7047」を送り出した。本機はフュゼ(鎖引き)トゥールビヨンの機構をブルーにカラーリングし、ビジュアルに統一感をもたせるために、ダイアル、トゥールビヨンキャリッジ、ストラップまでブレゲの象徴的なブルーで彩っている。最大の特徴であるフュゼのチェーンは熱処理でブルーに仕上げたもので、エレガントな装いを高めている。
創業者、アブラアン-ルイ・ブレゲがトゥールビヨンを考案した18世紀当時、装身具の一種であった懐中時計はベストのポケットに常に縦の姿勢で収納されていた。そのため精度が安定しなかったことから、姿勢差による精度の違いを解消し、正確性を維持する機構としてトゥールビヨンは開発された。彼のアイデアは1801年6月26日に特許が認可され、現在では時計における三大複雑機構(トゥールビヨンのほか、ミニッツリピーターとパーペチュアル(永久)カレンダー)のひとつに数えられるまでに至っている。
高精度を維持するべく生み出された革新的なメカニズム
「トラディション トゥールビヨン フュゼ 7047」には、画期的なフュゼ・チェーン・トランスミッション(鎖引き伝達機構)が搭載されている。このメリットは、主ゼンマイの巻き上げ量にかかわらず、一定のトルクを供給することで、時計に規則正しい歩度をもたらすための最適化機能にある。
時計の主ゼンマイが完全に巻き上げられると、主ゼンマイの力が最大になり、チェーンはフュゼ(円錐滑車)の最上層、つまりもっとも直径の小さいところまで巻き付いている。主ゼンマイが解けるに従って、チェーンが最上部から離れ、順に下側の直径の大きい層へと移り、最低部まで降りてくる。その結果、コンスタントフォースが供給されるが、本機のメカニズムはこれを安定的に実現し、高い精度を維持する。
ゴールド製のオフセンターダイアルに施されたギヨシェ彫りのクル・ド・パリ装飾、伝統的なローマ数字インデックス、そして先端の穴が印象的なブレゲ針など、クラシカルなディテールと同時にモダンな感覚も持ち合わせる本機。インスピレーションを与えた時計と同じく、文字盤を固定するネジが3本セットされているのも見どころと言える。これらのブレゲを象徴する個性豊かなデザインコードを受け継ぎつつ、超絶コンプリケーションを巧みに融合しているのが魅力のひとつだ。
搭載するのは、自社製造のキャリバー569。542パーツから構成された同ムーブメントは手巻き式で、美しいロジウム加工が全面に施されている。インバーテッド・レバー脱進機のほか、腐食や摩耗に強く、磁場の影響を受けないシリコン素材のアンクルとブレゲひげゼンマイが用いられている。これらによって精度を高次元で維持できる。
問い合わせ先:ブレゲ ブティック銀座 TEL.03-6254-7211 https://www.breguet.com/jp
Text/WATCHNAVI編集部
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