グランドセイコーが原宿に出した新店舗は時計販売店にあらず!?「和菓子屋 とき」期間限定オープン

グランドセイコーといえば、もちろん腕時計をイメージするが、そんな同ブランドが原宿・神宮前交差点の近くに期間限定で和菓子店をオープンしたという。いったいどのような店舗なのか、10月7日(金)に先駆けて行われたプレス向けの内覧会でのインプレッションをお届けする。

女性による女性のための店舗、予約枠は満了でも当日の来場枠あり!

この度、民家をリノベーションしたイベントスペース「アンノン原宿(UNKNOWN HARAJUKU)」に、10月7日(金)から16日(日)までの期間限定でグランドセイコーが「Grand Seiko 和菓子屋 とき」をオープンした。この空間、商品、ディレクションなどはすべて女性が手がけており、グランドセイコーが女性に向けた認知向上を目的にしたことがわかる。

主役となる和菓子の開発には、記憶に残る一瞬を菓子に込めて制作する「御菓子丸」の杉山早陽子さんと、菓子と茶のコースを提供する完全予約制の茶寮「菓子屋ここのつ」の溝口美穂さんの2名の菓子作家が携わり、ブランドのフィロソフィーである「THE NATURE OB TIME」を表現した4つの菓子を製作。口の中で瞬く間に解ける淡雪を山葡萄の寒天の上に置いた「一秒 淡雪と山葡萄の寒天」(二個:2000円)と、1分の間に表情を変える陽の出をひと口ごとに味の変化が楽しめるグラデーションの琥珀糖で表現した「一分 陽の出の琥珀糖」(1セット5本:2500円)は、京都を拠点にする杉山さんが制作。浅草を拠点にする溝口さんは厳選素材と職人技によりエアリーな食感に仕上げた自家製の羽二重餅(はぶたえもち)に厳選スパイスを組み合わせた賞味期限が購入日となる「一日 スパイス水もち」(1セット:2種:2000円)と、同じくテーマに合わせて一週間の賞味期限となる「一週間 和薔薇とレモングラスのぷるぷる」(1セット3種:2500円)が店舗で販売される(購入はそれぞれ一人各1点ずつのみ)。

ブランドから提示されたテーマに対して二人で打ち合わせを重ねたというが、どのような菓子にするかという住み分けの相談はなかったそう。まったく異なる4種類ができたのはまったくの偶然だったという。ちなみに筆者は和菓子の知識がなかったので、お二人の拠点の違いも菓子の製法に反映されているのか尋ねたが、今回制作したものについては大きな違いはないとのこと。ただ、関東の菓子作りは餡に塩を入れる(溝口さんは入れない派)など若干の違いがあるそうなので、もしかしたらわかる人には食した時に土地柄の違いが感じられるのかもしれない。

左が溝口さん、右が杉山さん

さらに彼女たちは限定特別菓子も制作しており、杉山さんは丹波栗と山栗を用いてさまざまな食感が楽しめる羊羹を金工家の中村友美さんの作り出した器に盛り付けたものを制作。20点限定の「永遠 丹波栗と山栗の羊羹と金工の器」(1セット:5万5000円)は、使い込むほどに経年変化していく器に“永遠”というテーマを込めたものとなっている。溝口さんが制作した13点限定の「技巧 熟成栗と最中の茶器」(1セット:1万5000円)もまた、溝口さん自らが交渉して手に入れたという総ガラス製の日本製茶器が菓子とセットになったもの。近年の茶器は海外製のものが多く、また注ぎ口の根元の茶漉し部分が金属製のものばかりだそうで、日本製の総ガラス製の茶器はかなり珍しいそう。今回のセット品も新たに作られたものではなくデッドストック品を譲り受けた極めて希少な品だという。※特別限定菓子の販売はすでに終了

この企画のクリエイティブディレクターは、フードエッセイスト/フードディレクターとして食に関するさまざまな活動や執筆活動を行い、著書も多い平野紗季子さんが担当。アートディレクションを手がけたのは、2014年に独立してから広告、パッケージ、書籍などの仕事を中心に活動し、2019年にADC賞受賞歴も持つ田部井美奈さん。会場にはグランドセイコーの時計が押し付けがましくなく美術館の展示物のごとく並んでおり、素晴らしい菓子、洗練された空間と共に、世界の最高峰に比肩する腕時計を鑑賞することができる。

東京では、「Grand Seiko 和菓子屋 とき」オープン初日となる本年最後の三連休の初めからあいにくの天気が続いたが、“秋雨”の言葉もあるようにそぼ降る雨もまた日本の風情。とはいえ、やはり雨が降っていない方が足を運びやすいのは間違いない。すでに14〜16時の来場予約の枠は満了となっているそうだが、先着順で当日来場も可能というから、興味のある方は足を運んでみてはいかがだろう。

【ショップ概要】

◆店舗:Grand Seiko 和菓子屋とき
◆開催期間: 10月7日(金)〜10月16日(日)
◆営業時間:14:00〜20:00(19:45最終入場) ※[一部、予約制]
(和菓子は、予定販売数に達すると完売になる可能性がございます。)
◆場所:UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前六丁目5番10号
◆アクセス:東京メトロ千代田線「明治神宮前」駅より徒歩1分
JR山手線「原宿」駅より徒歩5分

【来場予約について】
店舗ではテイクアウト販売のみ。
毎日14時から、会場入口で当日整理券を配布(当日16時15分~19時45分の間で随時案内)。
予約枠はキャンセルがあった場合、当日予約できる場合あり。
来場予約は、グランドセイコー公式LINEから→ https://page.line.me/255ovvvf?openQrModal=true
当日和菓子が完売しても営業時間内は展示物の鑑賞は可能。

特設サイト:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/special/storiesofgrandseiko/wagashiya-toki/index
問合せ先: jimukyoku@wagashiyatoki.jp
(「Grand Seiko 和菓子屋とき運営事務局」平日10時~17時)

 

TAG

人気のタグ