世界的なラグジュアリーメゾン【ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)】が、腕時計と置き時計でそれぞれ芸術的なニューモデルを発表した。独創的な時刻表示とケース全面に施されたギョーシェ彫りが光る「タンブール オトマティック コンバージェンス ギョーシェ」、そして伝説の配送トラックを芸術的なタイム・オブジェに昇華させた「ルイ·ヴィトン カミオネット カミオネット」をリリース。
リストウオッチの既成概念を打ち破るタイムピース
ルイ・ヴィトンのウオッチメイキングは、今まさに黄金期とも言える円熟の時を迎えている。今回、ジュネーブの製造拠点「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が生み出した2つの新作は、メゾンの伝統と革新が見事に交差し、圧倒的な完成度と独創性を誇るタイムピースに仕上げられている。
まず、注目すべきはリストウオッチの既成概念を覆す「タンブール オトマティック コンバージェンス ギョーシェ」だ。本機の核となるのは、時の流れとさまざまな要素の融合という概念。ダイアル面には回転する2枚のディスクが配され、パリのアニエールにあるヴィトン家の邸宅のインテリアから着想を得たアーチ型の窓から優雅に時を告げる。この独創的な表示を支える自社製の自動巻きムーブメント「キャリバーLFT MA01.01」は、可変慣性ブロック付きの4 Hzフリースプラングテンプによる高いクロノメーター性能と45時間のパワーリザーブを両立。メゾンの時計製造における一つの到達点と言っても過言ではないだろう。ムーブメントの石には透明な素材を採用し、伝統的なルビーレッドカラーとは異なる現代的なアプローチを試みるなど、細部にも独自の美学が貫かれている。
文字盤からケースまで刻まれるギヨシェ模様
ローズゴールド製ケースそのものをキャンバスとしたギョーシェ彫りも、本機の大きな見どころとなる。通常は文字盤に限定されるこの技巧を、本作では18Kローズゴールドのケース上面にまで拡張。同心円状の波紋を描き出す“ローズエンジン”と、直線的モチーフ専用となる“直線エンジン”という二つの異なる伝統的旋盤を駆使した装飾は圧巻の一言に尽きる。職人たちは、19世紀から20世紀初頭のアンティーク機械を一年かけて修復し、視覚だけでなく指先に伝わる微細な振動を頼りにギョーシェ模様を刻み込んだ。特にドーム型の曲面への加工は至難の業であり、素材の起伏に合わせてカットの圧力と深さを絶えず調整。このエングレービングには一本あたり約16時間が費やされ、研磨工程を見越して通常の3倍の深さで彫り込まれた線は、光を受けるたびに極上の陰影を描き出している。
ルイ・ヴィトン「タンブール オトマティック コンバージェンス ギョーシェ」 Ref.W9PG21 896万5000円/自動巻き(Cal.LFT MA01.01)、毎時2万8800振動、45時間パワーリザーブ。18Kローズゴールド製ケース(シースルーバック)、ブルーカーフレザーストラップ。直径37mm、厚さ8mm。30m防水。
20世紀初頭の配送トラックがタイム・オブジェで蘇る
一方で、メゾンの歴史を語る上で欠かせない“旅の真髄(こころ)”を具現化したのが、タイム・オブジェ「ルイ・ヴィトン カミオネット」である。20世紀初頭に活躍した伝説の配送トラックを、卓上のアートピースとして現代に蘇らせたもので、アルミニウム製のボディはサフランとブルーのアイコニックなカラーをまとい、内部にはL’Epée 1839との共同開発による手巻きムーブメントを搭載。かつてエンジンが収まっていたボンネットの下には時刻表示シリンダーを配し、ドライバーが座るべきキャビンにバランスホイールを設置したユニークな構造が魅力だ。荷台のミニチュア・トランクに隠されたキーを使って、時刻合わせと巻き上げを行うが、このキーもルイ・ヴィトンのシグネチャーがあしらわれており、随所に細かな演出を見ることができる。
1600石を超えるダイヤモンドを用いた特別仕様も展開
「ルイ・ヴィトン カミオネット」は15点限定のハイジュエリー仕様も用意される。ボディには1600石を超えるダイヤモンドがスノーセッティングされ、手作業によるダミエ・パターンのギヨシェがその美しさを強調。ボンネットで輝く0.5カラットのLV モノグラムスターカットダイヤモンドは、このトラックが辿る輝かしい航路を照らす星のようだ。テールライトには20石のバゲットカットサファイアが配され、暗闇を走り抜ける車両の情景を宝石の色彩で見事に表現している。
伝統的なサヴォアフェールを重んじながら、既存のルールに縛られない姿勢はルイ・ヴィトンというブランドの真髄である。その魅力が存分に凝縮されたこれらのモデルは、本物を知る時計愛好家であれば、一度は目にしておきたい逸品と言えるだろう。
ルイ・ヴィトン「ルイ・ヴィトン カミオネット」 1032万9000円/手巻き(Cal.L’Epée 1839 MV.7417/101)、毎時1万8000振動、192時間パワーリザーブ。アルミニウム&スチールボディ。高さ18 cm、横35.3 cm、重量7 kg。
問い合わせ先:ルイ・ヴィトン カスタマーサービス TEL.0120-00-1854 https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/homepage ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈
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