スイスに現存する最古参の時計ブランドのひとつ、「ブランパン(BLANCPAIN)」は、これまでに数々のマスターピースを輩出してきた。とりわけ「フィフティ ファゾムス」はモダンダイバーズウオッチの先駆者として知られているが、より身近で使いやすい潜水時計として開発された“バチスカーフ”も名高い。2020年は同コレクションより、ハイエンドなセラゴールドモデルがリリースされる。
ダイバーズの傑作から派生したシンプル&実用派の末裔
1953年、第二次世界大戦に参戦したフランス海軍の士官、ロベール“ボブ”マルビエが、ブランパンにエリート潜水部隊向けダイバーズの開発協力を要請したことをきっかけに、プロフェッショナルウオッチ「フィフティ ファゾムス」が誕生した。これをベースに、スクーバダイビングなどのマリンスポーツが台頭する時代を見据え、数年後に派生型として生まれたのが「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」であった。
“本家”とは異なり、ダイアルを含む外観がシンプル化された「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」は、現在では38mm径のレディスサイズも用意されるなど、多彩なラインナップも魅力となっている。ここへ新たに加わるのが、セドナゴールドバージョンということだ。
話題性のある“青金”でラグジュアリーダイバーズへ昇華
サビの発生や経年使用による色味が褪せるのを防ぐことができるセドナゴールドは、レッドゴールドにパラジウムを混合した希少な貴金属で、新作はこの特殊マテリアルをケースに採用している。同時にエレガントなブルーのダイアル、ベゼル、ストラップを組み合わせ、近年のトレンドのひとつに数えられる“青金”をバチスカーフとして初めて実現させた。
光りの加減で異なる表情を見せるサンバースト仕上げのダイアルには、ドットと長方形のアワーマーカー、さらに角張った個性的な時分針をセット。これらにスーパールミノバを塗布し、暗い海中においても視認性を失うことはない。また4時と5時の間にさり気なく日付窓を設け、時刻の判読に差し支えない完成されたスタイルは、バチスカーフのオリジナルを由来とするダイバーズの本質をついたディテールといえる。
やや大きめの43mmセドナゴールドケースは、サテン仕上げの表面によって落ち着いた雰囲気を放ち、ダイバーズ特有の“屈強”というよりも“洗練”のイメージ。逆回転防止ベゼルもセドナゴールド製で、セラゴールドによってスケールが鮮明にされたブルーセラミックインサートが備えられている。ベゼル外周には指をかかりやすくする滑り止めの刻みも入れ、美しさと機能性を両立させた。
特筆すべき見どころはまだあり、ムーブメントも秀逸だ。搭載する自社製造のキャリバー1315は、ブランパンの主力スポーツウオッチに用いられる信頼性の高い自動巻きムーブメントで、連結させた3つの香箱(動力ゼンマイを格納する歯車)によって5日間ものロングパワーリザーブを実現。安定して高精度が維持される。しかも耐磁性と耐久性に優れるシリコン製ヒゲゼンマイのほか、ケースと同じセドナゴールドでできたローターもセット。日常使用に役立つ高機能を備えつつ、コレクションとしてのニーズにも応える逸品となっている。
問:ブランパン ブティック 銀座 TEL.03-6254-7233
https://www.blancpain.com/ja
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