【ブルガリ アルミニウム25周年】&【ビジョン グランツーリスモ10周年】のW記念 限定コラボウオッチやバーチャルコンセプトカーについて山内一典氏にインタビュー

“カーライフ・シミュレーター”という新しいゲームジャンルを確立したソフト「グランツーリスモ」と、イタリア発のラグジュアリーメゾン【ブルガリ(BVLGARI)】がタッグを組んだ。この異色のコラボレーションはどういった経緯で実現し、スペシャルな限定時計とデジタルコンセプトカーは生まれたのか? 今回、世界的ヒットゲームの発案者兼プロデューサーであり、ポリフォニー・デジタルの代表取締役プレジデントを務める山内一典氏へのインタビューが実現。ブルガリとの協力関係について話しをうかがった。


「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」 Ref.103893

ブルガリ アルミニウムに敬意を表しながらGTカーの要素を巧みに取り入れる

 

まずは両者のプロフィールを簡潔に解説しておこう。「ブルガリ」は1884年にイタリアのローマで創業された老舗ブランドで、銀細工から始まりアクセサリーやジュエリー、レザーアイテム、腕時計などを製作。クラフツマンシップに重きを置く伝統を継続し、世界有数のラグジュアリーメゾンへと成長している。

一方の「グランツーリスモ」シリーズは、家庭用ゲーム機PlayStation用ソフトとして1997年に初リリース。実在する多くの自動車メーカーが保有している幅広い車種からプレーヤーが選択できるという当時としては画期的なゲームとして登場した。細かなチューニングも可能なほか、世界各地のサーキットがリアルに計測された上で収録されているなど、ゲームソフトとして楽しく遊べるだけでなく従来にないリアルドライビングシミュレーターとしても親しまれており、最新作となる2022年リリースの『グランツーリスモ7』(PlayStation 5/PlayStation 4用ソフト)を含め、シリーズの全世界累計9000万本以上のセールス(※)を記録している。20221116日時点。


「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」 Ref.103893 & Ref.104006

 

そんな両者のコラボレートは、スペシャルカーの制作からスタートしたという。

(山内氏)「ブルガリとのコラボレーションは、2013年に始まった“ビジョン グランツーリスモ”(世界中の自動車メーカーなどが、“グランツーリスモ”のシリーズソフト上で理想のクルマをデザインするプロジェクト)の10周年を記念するものです。きっかけは、元ピニンファリーナのデザインディレクターで、“ビジョン グランツーリスモ”にも協力してくれたファビオ・フィリッピーニさんのカーデザインに関する書籍が、ブルガリのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニさん(ブルガリ プロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクター)の目に留まったこと。彼らの間で“ビジョン グランツーリスモ”が話題となり、ファブリツィオさん自らが先導されるプロジェクトとしてスタートしました」


↑「ビジョン グランツーリスモ」でブルガリが手掛けたコンセプトカー「ブルガリ アルミニウム ビジョン グランツーリスモ」 Gran Turismo 7: © 2023 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.

 

ブルガリのファブリツィオ氏はフィアット・スタイル・センターでカーデザイナーを務めていた経歴が示す通り、根っからのクルマ好き。これが異色のコラボレーションの実現に繋がったのだろう。また、同氏の代表作であるブルガリ アルミニウムがデビュー25周年を迎えたことによる記念碑的な意味合いも込められている。ちなみに「ビジョン グランツーリスモ」でブルガリが手掛けた夢のコンセプトカー「ブルガリ アルミニウム ビジョン グランツーリスモ」は、エクスクルーシブルな存在でもある。

(山内氏)「コラボウオッチの購入者には、『グランツーリスモ7』の中でドライビングできるブルガリのコンセプトカーの出現コードが先行でプレゼントされる仕組みになっています。こうした試みは過去にもありますが、時計ブランドとの取り組みは初めてですし、自分がデザインに関わった高級時計が販売されるということも初めての経験。反響がとても楽しみですね」


「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」 Ref.104006

 

今回リリースされた「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」は、カラー違いの2モデルがラインナップ。いずれについても、山内氏は次のことを心掛けたという。

(山内氏)「“ブルガリ アルミニウム”は腕時計におけるマスターピースのひとつです。だからこそ本来のデザインを崩してはならなかった。その一方で、ダイアルやケースバックに“グランツーリスモ”のロゴを入れるだけのデザインも全く考えていませんでした。2モデルどちらも、“ブルガリ アルミニウム”の美しさと機能を保たせながら、往年のイタリアのグランツーリスモカー由来のエッセンスを随所に散りばめることができたことに満足しています。コンセプトカーはゲームの中で、こちらの腕時計は現実世界で愛用してくれたら嬉しいです」


「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」 Ref.103893

 

なお、本プロジェクトを指揮したファブリツィオ氏は次のようなコメントを残している。

(ファブリツィオ氏)「ブルガリのDNAを活用する別の方法を思い描き、ブルガリ アルミニウムと同じデザインコードから成るコンセプトカーの作成に至りました。1970年代の伝説的なイタリアのGTカーのラインに着想を得た、幾何学的でピュアで角ばったフォルムを基調とし、スポーティなスリースポークのステアリングホイールとウォールナットのダッシュボードが特徴です。これらが一体となることで真のブルガリの美学が生み出され、結果として実寸大においても完璧にリアルなプロポーションを備えたコンセプトカーが誕生しました」


↑(左から)ブルガリ プロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクターのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏と、「グランツーリスモ」シリーズ クリエイターの山内一典氏 © andresgarlujan

 

グランツーリスモ」の中から飛び出してきたような2本の「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」。山内氏は市場の反応を気にされていたが、ゲームと同じく世界中で反響を呼んでいるようで完売は時間の問題という好調ぶり。本機を腕にする者だけが「ブルガリ アルミニウム ビジョン グランツーリスモ」をひと足先にドライビングできる権利が得られる特別感は、ゲームのファンならば熱狂せずにはいられない。

 


「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」 Ref.103893 69万3000円

アルミニウム製のラウンドケースのほか、ブルガリ・ブルガリのエングレービングを施したブラックラバー製ベゼル、DLCコーティングを施したチタン製のリューズやケースバックなど、アイコニックな意匠を備えるブルガリ アルミニウムに、「グランツーリスモ」の世界にインスパイアされたデザインをプラス。チャコールグレーのブラッシュドダイアルにイエローのスーパールミノバや目盛りをあしらい、チタンケースバックにヴィジョン グランツーリスモの10周年記念ロゴを刻印する。

スペック:自動巻き(Cal.B381)、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。アルミニウムケース、チタンケースバック、ラバーベゼル、ラバーブレスレット。直径41mm。100m防水。世界限定1200本。

 


「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」 Ref.104006 69万3000円

Ref.103893と共通のスペックを備える本機は、ダイアルにイエローフラッグに近い鮮やかなイエローを、カウンターには反転色となるブラックを使用。そのカウンターやタキメーターはGTカーのメーターパネルにヒントを得たデザインとするなど、「グランツーリスモ」の世界観を巧みに表現している。本機も「ビジョン グランツーリスモ」の誕生10周年記念ロゴを刻印したチタンケースバックや、ナンバー10が入った特別なアルミニウムケースがセット。

スペック:自動巻き(Cal.B381)、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。アルミニウムケース、チタンケースバック、ラバーベゼル、ラバーブレスレット。直径41mm。100m防水。世界限定500本。

 

問い合わせ先:ブルガリ ジャパン TEL.0120-030-142 https://www.bulgari.com/ja-jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/山口祐也(WATCHNAVI編集部)

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