<取材協力>
ブライトリング ブティック 福岡天神
9月14日、福岡天神にブライトリングのブティックが移転オープン! その後に行われたオープニングセレモニーでは、ブライトリング・ジャパン社代表取締役のジェローム・シュムッツ氏と、トミヤコーポレーション代表取締役社長の古市聖一郎氏に加えてパイロットの室屋義秀氏も駆けつけ、3名によるテープカットセレモニーが執り行われた。WATCHNAVI編集部も同イベントに赴き、3名へのインタビューを実施した。

「15年前に夢見た“ウオッチスクエア”がブライトリング ブティックの完成でさらに充実」(トミヤコーポレーション代表取締役社長 古市聖一郎氏)
–今回のブライトリング ブティック 福岡天神は、これまでのブティックよりも計画からオープンまでの期間が短かったそうですね。
「1年半ぐらい前だったと思います。確かにほかのブティックと比べるとかなり短いですね。ただ、この場所は私たちにとって絶好のロケーションだったので、可能な限り早くオープンできるよう話を進めていきました。こういう判断はタイミングが大切ですから」(トミヤコーポレーション代表取締役社長 古市聖一郎氏)

–このエリアは御社が関わる店舗も含め時計ブティックが集中している場所なので、私たちも取材で巡っていて楽しいです。
「思い返すとTOMIYAがこの一区画に初めて店舗を出した15年前は、まだ周囲に時計ブティックはありませんでした。それが今では複数のトップブランドが軒を連ねるようになったわけですから、とても感慨深いものがあります。そして今回、知名度の高いブライトリングのブティックもオープンできました。個人的にはこのエリアが福岡の“ウオッチスクエア”と呼ばれ、より多くの人に親しまれる場所になったら嬉しいですね」(同)
–ちなみに2階もブライトリング ブティックなのでしょうか?
「上の階は『トミヤ福岡シグネチャーサロン』です。ここではブライトリングのほかにも、私たちが扱うブランドに関連したイベントの開催であったり、ゲストを招いてのトークショーを行ったりと、さまざまな役割を担うTOMIYAの福岡の拠点となります。現在ブライトリングのパネルを掲出しているガラス面は、日本のブライトリング ブティックで最大となる321インチの大型LEDがこれから設置され、最新の映像を放映予定です」(同)

「福岡の街は非常にエネルギッシュでダイナミック。ブライトリングに相応しい」(ブライトリング・ジャパン社代表取締役ジェローム・シュムッツ氏)
–新たなブティックのオープン、改めておめでとうございます。2024年にブライトリング・ジャパンの代表取締役に着任されてから伊勢丹新宿店、大丸東京店に続いて3店舗目のブティックオープンとなりますね。
「ブティックはお客様に最高品質のサービスや体験をご提供するための大切な場ですから、トミヤコーポレーションというパートナーとともに再びスタートができることを、とても心強く感じています。福岡の街は伝統やクラフトマンシップを重んじる姿勢があり、とても活気に満ちあふれていて、日本国内でもとくに魅力ある都市のひとつ。絶えず進化し続けるこの街は、ブライトリングにふさわしいと思います」(ブライトリング・ジャパン社代表取締役ジェローム・シュムッツ氏)

–この福岡ブティックのオープンに合わせて、用意したものがあると聞きました。
「それは、私たちの大切なコレクションである、『ナビタイマー』と『クロノマット』のパーツ展開キットのことですね。これは私が提案し、ブライトリング・ジャパンのアフターサービスディレクターである櫻井が監修して作ったものになります。実は少し前に本国CEOのジョージ・カーンが来日した際、彼に見せたところ『これは素晴らしい!』と、とても喜んでいました。これを見つつ、専門知識を持つブティックスタッフの説明をお聞きいただければ、私たちの時計の魅力がより詳細に皆様に伝わると思います。残念ながら福岡天神ブティックでの展示は、9月末までとなりますが、今後は日本全国のブティックやイベント会場などを巡回していく予定です。お楽しみに」(同)

–今回の移転オープンや百貨店内にある店舗を含め、現在、国内にはブティックが15店舗あります。今後もブライトリング ブティックの店舗数を増やしていくのでしょうか?
「まだ発表できませんが計画はありますよ。私たちがブティックをオープンする際は、ある程度の地理的な距離感を保ってカニバリゼーションを発生させないように配慮しています。ただし、日本には外商というビジネスモデルも根付いていますから、ブライトリングにとって好条件になりえる場所には今後も出店していくことになるでしょう」(同)
「パイロットにとってブライトリングはいまも変わらず特別な存在です」(ブライトリングパイロット室屋義秀氏)
–室屋さんにとっての福岡の印象を教えてください。
「福岡から半径100kmぐらいの距離に多くの飛行場がありますから、きっとたくさんのパイロットがこのあたりに住んでいるのではないかと思っています。自分自身、何度も飛行機で行き来していますし、身近に感じている都市のひとつです」(ブライトリングパイロット室屋義秀氏)

–ご自身も日頃から愛用されているように、ブライトリングには“パイロットが身に着ける航空時計ブランド”というイメージがあります。こうしたイメージは次世代を担う若手パイロットにも伝わっているのでしょうか?
「自衛隊に所属するパイロットの卵が、『一人前のパイロットの証となる“ウイングマーク”を取得したらブライトリングを買いたい』という話を聞いたこともありますし、きっと伝わっていると思います」(同)
–室屋さんは後進の育成にも力を入れておられますが、教え子たちに自分の愛用するブライトリングを譲ったことはありますか?
「まったく考えてなかったですね。きっと私から受け取るより先に自分で購入するでしょうし、そうなってほしいと思います。自分の経験でいえば、1998年ごろに初めて『オールド・ナビタイマー』を購入してから現在までに複数のブライトリングを所有していて、それぞれのモデルに語り尽くせない思い出が詰まっています。もし仮に私の時計を譲るとしたら、そうした想いを含めて受け継ぐ覚悟を持っていれば考えるかもしれません」(同)
–最後に、2025年のエアレースX最終戦、大阪ラウンドを終えて総合2位という結果でした。試合の振り返りと今後の抱負を聞かせてください。
「準決勝でタイムが届かず、結果レースは3位で年間では総合2位となりました。ライバルが強くなるのは嬉しい反面、やはり勝負には実力差やマシン性能だけではない部分もあるので、なにが足りなかったのか改めて来年に向けて作戦を練っていきたいと考えています。今年は3戦でしたが、いま準備を進めている来年の大会は4戦以上になりそうですし、回数が増えるほど実力差が勝負を分けることになるので、長く経験を積んだ我々にとっては好条件になるでしょう。
エアレースXという大会に関して言えば、日本での認知度はまだまだこれからだと思っています。ただ、当初の開催からの5年計画においては予測通りの状況でもあるので、来年、再来年には皆さんの目に触れるような形での開催ができるのではないかと見込んでいます」(同)
–再びエアレースが間近で観戦できる日が来ることを楽しみにしています!
取材後記
スイスの名門として140年以上の歴史を紡いできたブライトリングは、日本でも知名度の高い時計ブランドである。聞けば福岡天神に移転オープンしたブティックには、すでに県内外から多くの人が訪れているとのこと。街自体に魅力があるのはもちろん、九州エリアの中心地である福岡にブティックを構えることは、時計に限らず多くのブランドにとって必然の戦略と言えるだろう。
個人的にも今後、“ウオッチスクエア”の発展を見届けていきたいと思う。ブティックならではの豊富な品揃えと正確かつ詳細な製品知識を持ったスタッフから接客を受けていけば、このエリアだけでも1日で回りきるのは難しいかもしれない。ただ、そうした体験もまた高級時計を購入するための大切なステップであり、それ自体が楽しみでもある。ブライトリング ブティック 福岡天神を訪れれば、きっと腕時計の新たな楽しみ方が発見できるはずだ。
【取材協力】
ブライトリング ブティック 福岡天神
住所 福岡県福岡市中央区天神2-4-6 デイトンビル
営業時間 11:00~19:30 火曜定休
電話番号 092-406-1884
https://www.tomiya.co.jp/shop/breitling_fukuoka/
Text/Daisuke Suito (WATCHNAVI) Photo/Kensuke Suzuki (ONE PUBLISHING)
- TAG