「もっとユニークで遊び心を持つ、かつてない時計を」のコンセプトのもと、存在感あふれる時計を数多く生み出しているスイスのファッションウオッチブランド「テンデンス」。着ける人を選ぶようなビッグサイズを特徴とする同社の最新作は、大きく膨らんだ風防を特徴とするキングドームから2本。カジノのダイスゲーム「クラップス」と、黒電話をモチーフした遊び心の詰まったモデルで、価格はともに6万500円。
カジノシリーズ第3弾のモチーフは“ダイス”
2016年の初登場から人気を博しているキングドームは、ベゼルをなくし、特大ドーム型ミネラルガラスとポリアミドケースがシームレスに結合した設計が特徴。直径50mmという特大サイズながら、素材特性により驚くほど軽い着け心地が得られる点も魅力となっている。その装着時に目を引くのが文字盤上で回転するパーツで、これを生かしたのがキングドーム第1弾「ルーレット」であり、その後の「ブラックジャック」だった。第3弾にダイスを選んだ理由について、新作のプロモーションのために来日していたテンデンス本社CEOのガブリエル氏に話を聞いた。
「キングドームのカジノシリーズは世界的に人気を博すテンデンスの新定番モデルです。最新作にダイスを選んだのは、これ以外考えられなかったから。カジノのゲームを考えたら当然の成り行きでしょう。クラップスというのは、サイコロの目の合計で競い合うゲーム。これを文字盤の対角線上にある数字の合計で遊べるようにしています。回転するダイアルのブリッジの対角線上にあるジェムセッティング風のデザインを施すなど、ディテールにもこだわりました」
筆者も実際に試したところ、本当に笑えるぐらいギュルンギュルンと回転したのだが、こんなに回って耐久性に問題はないのだろうか?
「耐久性は大丈夫かって?それは、たくさん遊んで試してみてください、、、というのは冗談です(笑)。テンデンスは、高価格帯のブランドではないものの、“時計の本場”スイスのブランドなので品質にはこだわりを持っています。キングドームはベゼルがないのでケースとガラスの結合が非常に難しいのですが、5気圧防水を確保しています。さらに防水テストは2回は必ず検査します。この構造については組み立てる職人のなせる技という他ありません。さらにガラス面に対して1mの高さから鉄球を落とす耐衝撃テストも行なっています。肝心の回転ダイアルについては、自動巻き時計と同様のローター機構を使っているので、その信頼性は多くの他社製品によって実証されていますよね。テンデンスの時計はただプレイフルなだけでなく、クオリティも追求しているので安心してたくさん遊んでください」
黒電話をモチーフにした「ヴィンテージフォン」
ヴィンテージフォンは、そのままずばりのデザインを文字盤に採用した一本。レトログッズを若者に使わせる動画をアップしている海外youtuberの動画にも登場した、「黒電話」がモチーフとなっている。ちなみにくだんのyoutuberの黒電話の回は、110万回以上の再生回数だった。黒電話、ティーンネイジャーには使い方さえわからない代物なんだ……。
さて、このモデルも回転式の文字盤パーツが組み込まれており、腕の動きに合わせて電話のダイヤルがクルクルクル〜っと回転する。面白いのは、カジノシリーズと違って、必ず数字と穴の位置がぴたりと揃う点にある。ここもテンデンスがかなりこだわったそうだ。
「止まったときに数字が穴から見えてないと、黒電話ではないよね(笑)。どうしたらいいか色んなことを考えたんですが、アナログ表示では歯車があるから磁石は使えないし、構造を複雑化したらコストに反映されてしまう。結局、パーツを製造している職人に頼み込んで手作業でバランスをとってもらうことに。このやりとりは本当に大変で、ずっと“こんなのはできない”と言われ続けました。でも、向こうも職人だから頼んだら挑戦してくれるし、徐々にそれを楽しんでくれるようになっていく。できあがったときは本当に彼らに感謝したし、私も理想の形になって嬉しかったね」(ガブリエル氏)
特徴的な立体インデックスの強烈な個性さえかすむほどのギミックを持ったキングドーム。直径50mmという特大サイズもあり、決して万人受けする時計ではないが、それこそがテンデンスの狙いなのだという。「私たちは“普通の時計”は作りません。これからも大型設計は続けていきますし、人を選ぶようなデザインの時計を出すでしょう。そんな私たちの思いを理解し、共感し、楽しんでくれる人と通じあえたら嬉しいですね」(ガブリエル氏)
テンデンスジャパン 0120-700-411
http://www.tendence.jp
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