シン・国産時計【カシオ(CASIO)】編 vol.1 ―― G-SHOCKの外装カラーは伊達じゃない!! 日本が誇る4大ウオッチメーカーの重要人物をルポ

新型コロナウイルスの世界的まん延の関係から、改めて日本には輸入品が数多く出回っていることに気付かされた人もいるだろう。時計市場においても欧州勢を中心に入荷が遅延し、予定されていた発売日が延期となった新作もある。

そこで時計だけではなく注目を集めているのが、“国産”だ。スイスに次ぐ時計大国の日本には、長い歴史を持つ4大メーカーが存在し、国内外問わず高く評価されている。いま再び、“国産”の底力を見つめ直すきっかけとして大手4社のキーパーソンに取材し、その高度な技術や斬新なアイデア、先進的なデザインの魅力あるコレクションについて尋ねた。

初回の【カシオ(CASIO)】編 vol.1では、みんな大好きG-SHOCKの注目モデルについてインタビュー。

カシオが時計製造に掲げる「CMFデザイン(C=カラー、M=マテリアル、F=フィニッシュ)」の重要性。昨今、その表現力に目を見張るファンも少なくないはず。その先に見出す理想の姿を解き明かす。

 

【 COLOR(カラー) 】

制約から解き放たれた色彩表現の技巧を識る――1回限りの希少性を求めて見出した極彩色

G-SHOCKでいえば、フルメタルカバードのモデルやMR-Gシリーズ、あるいはオシアナスでいえば、伝統職人とのコラボレーションなど、カシオ発のタイムピースは繊細な外装技術が顕著だ。これは同社が近年掲げている「CMFデザイン」によるところが大きい。この点についてカシオの腕時計の企画・開発に長く携わる齊藤さんに話をうかがった。

G-SHOCK MT-G「MTG-B2000XMG-1AJR」

 

(齊藤さん)「かつてカシオ製品といえば、機能面ばかりが注目されて、外装は、新機能を備えたモデルの単なるバリエーションという見え方でした。ですが、過去の時計を整理してみると、実は外装も進化しているんです。例えば、G-SHOCKでいえば、樹脂ケースならではの赤、青、黄などに始まり、いわゆる“イル・クジ”のようなスケルトンやラバーズコレクションの白など、多彩な色彩表現をかなえてきました。その一方で、素材に関しては、ウレタン樹脂から、メタル、カーボンなどを用いてきたんです。これまでの、いわば単発的な外装表現に対して“CMFデザイン”というコンセプトを与えることで、“交通整理”をされた企画開発が可能になったのです。技術的にも審美的にも新たなフェイズに向かっていることを、ユーザーにダイレクトに伝えるのが狙いです」

実際、的を絞った外装技術へのこだわりは、ユーザーからの高い支持を集めている。

 

素材によって異なる色出しの難しさ

話題のMT-G「MTG-B2000XMG-1AJR」は、色彩豊かなベゼルがポイント。グラスファイバーとカーボンファイバーのシートを重ねて圧縮・焼成したプレートを切削して成形しており、圧縮の際に生じるわずかな力のズレにより、毎回生まれる縞の表情が変わる一点モノだ。

(齊藤さん)「G-SHOCKは、自社のフラッグシップとしていま持てる技術の一歩先、半歩先を行くチャレンジングな姿勢を見せていきたいんです」

まさに語られた通り、これまで樹脂ケースのモデルでも見たことのないような、新たな色彩表現を達成しているといえよう。

G-SHOCK MT-G「MTG-B2000XMG-1AJR」15万4000円

火山活動や地殻変動で色とりどりの鉱物が堆積した、ペルーのレインボーマウンテンにインスパイアされたMT-G。ふたつとして同じ柄が生まれないベゼルが特徴。ダイアルやビス、リューズなどに、それぞれレインボーなどのカラーIP(イオンプレーティング)加工も施されており、モデル全体で豊かな色彩を表現している。

スペック:クオーツ(Bluetooth搭載電波ソーラー)。カーボン+ステンレススチールケース、カーボンベゼル(レインボーIP加工)、内面反射防止コーティングサファイアガラス風防、樹脂バンド。縦55.1×横49.8mm(厚さ15.9mm)。重量121g 。20気圧防水。

MTG-B2000シリーズ/スペック一覧
●トリプルGレジスト(耐衝撃構造・耐遠心重力性能・耐振動構造)
●カーボンコアガード構造
●ねじロック式リューズ
●タフソーラー(ソーラー充電システム)
●マルチバンド6(世界6局標準電波受信機能)
●モバイルリンク機能(対応携帯電話とのBluetooth通信)
●針位置自動補正機能
●針退避機能
●デュアルタイム(27タイムゾーン)
●ストップウオッチ
●タイマー
●時刻アラーム
●パワーセービング機能
●日付・曜日表示
●フルオートカレンダー
●LEDライト(ホワイト色)
●ネオブライト

 

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