【パテック フィリップ】や【グランドセイコー】を選出!! 時計のプロが語る私的ベストウオッチ ―― 時計評論家・並木浩一氏が選んだ2022年の5本
時計専門誌『WATCHNAVI』に寄稿いただいている評論家やジャーナリストに、2022年に発表された新作時計で特に気に入ったモデルを5本、セレクトしてもらった。トレンドを追い続けている彼らの意見からは、新たな発見や深い知識が得られるはずである。
今回は、時計にまつわる著書を多数執筆されている並木浩一氏が選んだベストウオッチを紹介。
【時計評論家・並木浩一氏】
桐蔭横浜大学教授、博士。『男はなぜ腕時計にこだわるのか』『腕時計一生もの』『腕時計のこだわり』など時計関連の著書多数。『WATCHNAVI』連載コラムも大好評。
「腕時計はただ時間を知る道具ではないことがこの1年で証明された気がします」(並木氏)
●新作時計BEST 5の選出基準
「定量的な検討ではなく“心を揺らしたモデル”を選びました。“レディ”と銘打たれていても第一印象が桁外れに衝撃的だったコンプリケーションや、欧州で真価を問うスプリングドライブを選んだのはその理由から。機構も美貌も勇気も心を打つという一点では等価で評価できると思います」
●2022年の総括
「腕時計に、時計ファン以外からの注目が集まった1年でした。コロナ禍のもとで人々は腕時計に癒しと希望を見た、ということでしょうか。“着けていくところがないから腕時計は売れないはず”という先入観をひっくり返しました」
<私的ベストウオッチ No.5>グランドセイコー「グランドセイコー エボリューション9 コレクション(SBGE285)」
「グランドセイコー エボリューション9 コレクション」 Ref.SBGE285 96万8000円
「日本の美意識が世界で通用することを着々と証明してみせるエボリューション9 コレクションの新作だ。“信州の冬の山肌を覆う朝霧から着想を得た”というパターンの型打ちダイアルが新鮮に映る」
スペック:自動巻きスプリングドライブ(自社製Cal.9R66)、約72時間パワーリザーブ。ブライトチタンケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径41mm、厚さ13.9mm。10気圧防水。
問い合わせ先:セイコーウオッチお客様相談室 TEL:0120-061-01 https://www.grand-seiko.com/jp-ja
<私的ベストウオッチ No.4>ヴァン クリーフ&アーペル「レディ アーペル ユール フローラル」
ヴァン クリーフ&アーペル「レディ アーペル ユール フローラル」 Ref.VCARPBJL00 価格要問い合わせ
「レディ、と名付けられたが、男女を問うようなレベルを完全超越した傑作腕時計。アワーの数だけ花が開き、しかも毎時に違う場所で開花するという途轍もないポエティック コンプリケーションだ」
スペック:自動巻き(Cal.M88)、36時間パワーリザーブ。18Kホワイトゴールドケース、アリゲーターストラップ。直径38mm。3気圧防水。
問い合わせ先:ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク TEL:0120-10-1906 https://www.vancleefarpels.com/jp/ja/
<私的ベストウオッチ No.3>ブレゲ「クラシック 7337」
ブレゲ「クラシック 7337」 Ref.7337BR/12/9VU 591万8000円
「2009年初登場モデルのあまりに華麗なアップデートに、目が釘付けに。そもそもクラシックの白文字盤は、ゴールドのベースに銀メッキをかける仕上げだが、結果として初代ブレゲの時代の価値観だった銀無垢文字盤の豪華さを、再び表現できた」
スペック:自動巻き(自社製Cal.502.3 QSE1)、毎時2万1600振動、約45時間パワーリザーブ。18Kローズゴールドケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ。直径39mm、厚さ9.95mm。3気圧防水。
問い合わせ先:ブレゲ ブティック銀座 TEL:03-6254-7211 https://www.breguet.com/jp
<私的ベストウオッチ No.2>フランク ミュラー「トノウ カーベックス 30th」
フランク ミュラー「トノウ カーベックス 30th」Ref.5850SCDAMBLCLTD AC 148万5000円
「フランク ミュラー創業30周年の記念モデルが、ゴールドケースモデルだけでなくステンレススチール仕様でもリリース。しかも過去に一度、トゥールビヨン搭載の2モデルだけに使われた特別なギヨシェを復活させているのだから、これは“お宝”認定していいのではないか」
スペック:自動巻き、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、クロコダイルストラップ。縦45×横32mm。日常生活防水。世界限定92本。
問い合わせ先:フランク ミュラー ウォッチランド東京 TEL:03-3549-1949 https://franckmuller-japan.com/
<私的ベストウオッチ No.1>パテック フィリップ「カラトラバ」
パテック フィリップ「カラトラバ」 Ref.5226 524万7000円
「このダイアルはひと目見たら忘れられない。オールドカメラの手触りを思い出させるテクスチャーは、記憶の起動装置を想わせる。ケースサイドをクルー・ド・パリのギヨシェで仕上げる一方、ヌバックのストラップが恐ろしく似合う。2022年の必見モデル」
スペック:自動巻き(自社製Cal.26-330 S C)、毎時2万8800振動、最大45時間パワーリザーブ。18Kホワイトゴールドケース(シースルーバック)、カーフストラップ(交換用ファブリック柄のブラックカーフストラップが付属)。直径40mm、厚さ8.53mm。3気圧防水。
問い合わせ先:パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL:03-3255-8109 https://www.patek.com/
※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。本記事は『ウオッチナビ 2023 Winter Vol.88』より抜粋・編集しています。