6月20日(月)、名古屋三越栄店(愛知県名古屋市中区栄3-5-1)の1階、大津通側の路面にパテック フィリップの単独ショップがグランドオープンした。WATCHNAVI編集部はメゾンにとって世界初となるショップのメディア内覧会に参加し、関係者に取材を行った。
Text/Daisuke Suito(WATCHNAVI)
パテック フィリップ悲願のグランドフロア展開
今回のグランドオープンに先立って行われたメディア内覧会は、主賓の株式会社名古屋三越代表取締役社長執行役員の椎野 聡氏による挨拶から始まった。
「1階の一等地にパテック フィリップをオープンできることは本当に嬉しく思っています。私どもの百貨店はやみくもにブランドを揃えることはせず、私たちの暖簾と親子三代にわたって末長くお付き合いできるようなブランドやコンテンツなどと、しっかり腰を落ち着けてご商売を共にしていくというスタンスでおります。三越は来年で創業350年となりますし、パテック フィリップも180年を超える歴史をお持ちです。そういった歴史の中で培われてきた企業姿勢が私たちの方向性と合致しており、とても共感を覚えております」
以下は、続いて登壇したPPジャパン株式会社(パテック フィリップ ジャパン) 代表取締役CEO長野英樹氏のコメント。
「時計ブランドはたくさんありますが、私どもは時計の作り方、ブランドの在り方、そして企業の在り方、非常に独特の特色を持っています。正直申し上げまして、私どもの時計が時計売り場にあるというのは、以前から非常に抵抗がありました。こうした私どもの思いに初めて応えてくださったのが、名古屋三越さんです。このショップは今後のブランドの展開において重要な、新しい第一歩になると考えております」
富裕層を中心に全国的な来店を見込む
店内は商品が展示されるエントランスルーム、商談スペース、引き戸で仕切られる応接室の3つの部屋で構成。椅子やテーブル、シャンデリアなどのファニチャーを含むインテリアは、すべてスイス・ジュネーブ本社指定のものだ。昨今、時計好きの間で枯渇に近い品薄の状況が話題になっているパテック フィリップだが、この日ばかりは秘蔵品含めかなりの本数のタイムピースが展示されていた。だが、これがもしすべて売り物であれば、グランドオープン間も無く売り切れてしまうことだろう。今後の運営について、詳しい話を株式会社名古屋三越営業本部 商品統括部 ファッション担当長 岩本 博氏に伺った。
「今回のオープンについては、他店との明確な差別化を図りたい百貨店側と、時計売り場から独立したいブランド側の意図が合致し、このような一等地での展開となりました。百貨店内のグランドフロアにパテック フィリップ・ショップが入るのは、国内はもちろん世界でも初めての試み。これまでの6階での展開から、2倍以上の規模拡大となります。昨今は富裕層の方が腕時計にとても高い関心を持っておられますし、パテック フィリップは購入対象になっている筆頭ブランド。世界的に品薄が続いている状況ではありますが、世界初の売り場とあって優先的な入荷を期待しています」
岩本氏は、今回のパテック フィリップのグランドフロア・ショップオープンで既存顧客に加えて新規来店者を呼び込みたいと意気込む。全国的な来店を見込み、より多くの人々にブランドの世界と合わせて名古屋三越の“人間味あふれる最高の接遇”を提供していきたい考えだ。また、一極集中の名古屋駅前に対し、時計販売店が点在する栄エリア全体の時計文化の盛り上げを醸成していきたい考えも示した。
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