3か月放置が分かれ道 ── 腕時計の状態を守る保管術、修理やオーバーホールを遠ざける基本

時計を複数本コレクションしている、または仕事用と遊び用の2本を使い分けている方は、時計を“使用しない期間”どのように保管しているだろうか。デイリーケアは行っていても、保管や収納については知らないという方も意外と多いはずだ。正しい方法で保管しておけば、次に使用するときにも安心して身に着けられるため、ぜひ覚えておこう。

 

〈ポイント〉

  • 腕時計は使っていない時間の扱い方で状態が変わる。3か月以上まったく動かさない保管は、後の修理やオーバーホールにつながる可能性がある。
  • 湿気、汚れ、磁気、薬品類への近さといった要素を整理するだけでも、トラブル予防として有効。電池式でも保管環境の見直しは無駄にならない。
  • いきなり店舗へ依頼する前に、無料でできるセルフチェックや保管の作法を知っておくと、相談の精度も上がる。

 

使わない時間こそ、時計のコンディションを左右する

時計の保管場所に関し、湿気や磁気に不安を覚える方も多いことだろう。確かに湿気は時計の大敵だが、浴室やキッチンなど大量に湿気が発生する場所以外であれば問題ない。磁気に関しても同様で、一般的な家電製品なら5cm距離をおけば気にならないほど微細なもの。ただ、「スピーカーの上に時計を置く」「鞄の中にスマホと重ねて入れる」など、密着させると磁気帯びを招き危険なので要注意だ。

べからず1

化粧品や薬品類のある引き出しなどへは収納しないで!

時計を引き出しやロッカーの中などに入れる際は、シンナーや接着剤、化粧品類など揮発性の薬品と一緒にしないよう気を付けたい。特に貴金属系のモデルや、マザー オブ パールなど天然素材を用いた文字盤などは、揮発性物質と化学反応を起こして変色や退色してしまう危険性が大きい。一度変色してしまうと、化学反応なので修復は不可能。文字盤やケースごと交換となるので十分に用心しよう。

べからず2

湿気や汚れ残りはケースにしまう前にケアを

時計を長期間保管する際は、本体やブレス、革ベルトに残った水気や汚れをしっかり落としておくことが何より重要。保管ケース内は密閉性があるため、湿気が残っていれば排出が困難となる。サビが発生したり、汚れからカビ菌が繁殖して肌のトラブルを招くこともあるので要注意だ。乾いたクロスで汚れなどを拭いたら、日陰の風通しの良い場所で半日以上は自然乾燥させよう。ブレスのコマ間やリューズの根元など、水気や汚れが残りやすい場所は、綿棒などで丁寧に拭っておく。

べからず4

ケースは表・裏・側面など順番を決めて丁寧に乾拭きを。リューズ周りなどには綿棒を使うと便利だ。ブレスは表・裏面ともに乾拭きし、コマの間に汚れがある場合はブラッシングした後、半日ほど乾燥させる。ベルトは表・裏をケアし、革製品は内部に湿気が残りやすいため、乾燥はしっかりと念入りに行いたい。

 

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3か月以上時計を全く動かさないのは悪影響のもと

機械式時計は長期間使わずに放っておくと、内部の機械油が固まって劣化し、精度や寿命に悪影響を与える。そのため、3か月に一度程度はゼンマイをフルに巻いて駆動させておくことも、保管時に覚えておきたい大事なポイントだ。ゼンマイをフルに巻いておけば、輪列機構や日付け機構など大部分の部品が動き、機械油も適度に循環する。クロノグラフや回転ベゼルなど、駆動する特殊機構がある時計は、ついでにそれらも動かしておくことを忘れぬように。

べからず3.

リューズはもちろん、ベゼルやプッシュボタンなど、駆動する箇所はそれらを動かして油を循環。作動性に「重い」「硬い」など問題がないかも、念のためチェックしておこう。

時計も“生き物”なので、間違った方法を実践していると、大きなダメージを与えるだけでなく寿命を縮めることにもつながる。きちんと手をかければ結果は現れてくるので、これまで実践したことがなかった方も、保管や収納について少し意識してみてほしい。

 

※本記事は2018年10月に公開した記事に、最新情報を追記・再編集したものです。

Text/WATCHNAVI編集部

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