3針で小ぶりでも、計器感たっぷり! 航空時計の名門が生み出した「ブライトリング ナビタイマー 1 オートマチック 38」

パイロットウオッチ≠クロノグラフ

文/渋谷ヤスヒト

パイロットウオッチといえばクロノグラフ(ストップウォッチ機能付きのもの)……時計好きでも、このイメージを抱いている人は、実はかなり多いのではないでしょうか?

1990年代後半、日本でも起きた機械式時計ブーム。その主役ブランドのひとつが、他ならぬ「ブライトリング」です。当時、雑誌でもっとも頻繁に紹介され、もっとも人の目に触れた機械式腕時計が同社のクロノグラフ「ナビタイマー」や「クロノマット」でした。私も編集者、ライターとして数え切れないほどこのモデルについての記事を作ってきました。その結果、「パイロットウオッチ=クロノグラフ」というイメージが定着しました。でもこれは誤解です。

ブライトリング ナビタイマー 1 オートマチック 38 54万円/自動巻き。ケース径38mm。SSケース&クロコストラップ。COSC公認クロノメーター。3気圧(30m防水)。
※SSケース&ブレスモデルは62万6400円(今秋発売予定)※SSケース/18Kレッドゴールド製ベゼル&クロコストラップ 71万2800円 18Kレッドゴールド製ベゼル&ブレスモデル 79万9200円

航空機の歴史が始まったのは1903年12月17日。アメリカのライト兄弟がライトフライヤー号で世界初の有人飛行に成功してから。パイロットウオッチが本格的に使われるようになったのは、第一次世界大戦(1914〜1918)において、航空機が兵器になってからです。当時(初期)のパイロットウオッチは、懐中時計にただベルトを着けて腕に巻けるようにしたものでした。

実は当時も現在も、パイロットウオッチにとってストップウオッチ機能は必ずしも必須ではありません。大切なのは、飛行機のエンジンや機体が発する強烈な振動や磁気に耐え、確実に正確に時を刻む精度と信頼性。加えて、腕に着けたままでも時刻が確実に読み取れる優れた視認性です。

飛行開始からどれだけの時間が経ったのか。経過時間を測るのにクロノグラフは便利ですが、クロノグラフ機構は複雑で高価だし故障の可能性も高い。経過時間は飛行開始時間をメモしたり、回転式のベゼルで飛行開始時刻をマーキングできれば、ほぼそれで充分なのです。

だからパイロットウオッチとしてクロノグラフが一般的になったのは、第二次世界大戦が始まる1940年代になってからのこと。そして1942年、ブライトリングは世界で初めて、ベゼルに回転式計算尺を装備したクロノグラフ、初代「クロノマット」を発表。1952年には、飛行に必要な計算に最適化した計算尺をベゼルに備えたクロノグラフ、初代「ナビタイマー」が誕生しました。

 

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