ケースやダイアルのデザイン・素材など、時計の魅力を決定する要素は数多く存在するが、時計ファンならその心臓部であるムーブメントに注目したいもの。そこで、本特集では人気ブランドについて、[ムーブメント概要=全体像][基幹=主力ムーブメント][最新&注目のムーブメント]について詳細を解説。時計内部の知識が深まれば時計の真価もさらに理解できるはず。今回はジャガー・ルクルトをピックアップ!
ジャガー・ルクルト(JAEGER-LECOULTRE)
時計界のヒストリーに刻まれる革新の技術開発力で知られる
世界最小の機械式ムーブCal.101や、世界最薄の手巻き薄型Cal.849、ミニッツリピーターやコスモトゥールビヨンなどを組み合わせたCal.945、永久カレンダー、ミニッツリピータなど11のコンプリ機能を持つCal.185など、ベーシックなドレス系や薄型、超複雑機構など多くの傑作ムーブを輩出。創業以来、自社で開発&製造したムーブメントは約1300種類を誇っている。
基幹ムーブメント
同社を代表する自動巻きのマニュファクチュールムーブメント。ベーシックな中3針+デイト付きで、「マスターコントロール」、「マスターウルトラスリム」、「ポラリスデイト」など多くのモデルに搭載されている。脱進機構にシリコン素材を採用し、パワーリザーブも約70時間にアップしたCal.899AC(Cal.899はパワーリザーブ約38時間)や、ムーブメント厚をさらに3.3㎜まで薄くしたCal.898C、スモールセコンドタイプのCal.896/1など多くの派生ムーブメントが展開されている。
主な派生ムーブメント
Cal.899AC、Cal.898C、Cal.896/1 など
12時位置で北半球のムーンフェイズ、3時位置で日付け、6時位置で月、9時位置で曜日、7~8時位置の小窓では4桁のデジタル数字で西暦を表示する永久カレンダー機構を搭載した自社製自動巻きムーブメント。センターローター方式ながら4.72㎜にまでムーブ厚を抑えた、同社を代表する薄型ハイコンプケーションムーブの傑作だ。ケース8時位置には、すべてのカレンダー機構を早送り調整できる、便利なコレクター装置も装備されている。パワーリザーブ約38時間。
上のCal.868/1をベースにムーブメントを180度回転させて、各インダイアルの表示を変更した進化系バージョン(12時位置:月&西暦表示、3時位置:曜日、6時位置:ムーンフェイズ、9時位置:日付け)。ムーンフェイズ小窓の外周には下半分に南半球のムーンフェイズ(=北半球とは上下や左右が逆に見える)、上半分には朔望月の何日目かを示す数値を表示する機構も追加されている。パワーリザーブは約70時間にアップ。
搭載モデル「ポラリス・パーペチュアルカレンダー」
問い合わせ先:ジャガー・ルクルト TEL.0120-79-1833
https://www.jaeger-lecoultre.com/
◎本記事は『ウオッチナビ 2022 Summer Vol.86』より抜粋・編集しています。
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