入手困難が続くIWCが見るだけでも眼福な激レアヴィンテージ「インヂュニア」9本を蔵出し!うち4本は販売も!!

先ごろスイスで行われたウオッチズ&ワンダーズ ジュネーブでIWCシャフハウゼンが発表した新作、「インヂュニア」の予約が殺到しているという。これ以外にも、パイロット・ウォッチやポルトギーゼなどのシリーズで入荷を待つ人々が後を絶たないほど、このブランドの注目度が高まり続けている。そのような状況下で、IWCは新作のルーツともいうべきヴィンテージ「インヂュニア」の巡回展が行われるそうだ。実はすでに海外で順次始まっており、5月末日時点の予定では日本上陸は6月5日〜7日が東京のIWC 新宿ブティック(東京都新宿区新宿3-17-2、Tel.0120-28-1868)、9日〜11日が大阪・阪急うめだブティック(大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店6階 、Tel.06-6137-7727)となっている。展示モデル全9本のうち4本は販売もされるというから、熱心なコレクターなら見逃さない手はないだろう。

Text/Daisuke Suito(WATCHNAVI)

アンティーク市場で500万円以上の値がつくJUMBOの正規認定品も購入のチャンス!

今回、世界を巡ることになったヴィンテージインヂュニア9本は、IWCが正式に本物であると認定し、修理を行なったものばかり。これまでにもキャンペーンに絡めて歴史的なタイムピースが展示されることはあったものの、販売されるのは初の試みだという。上陸するのは以下の9品番で、上記4本が販売モデルとなる。

1.インヂュニア SL オートマティック(1977) Ref.IW183201
2.インヂュニア SL オートマティック(1979) Ref.IW9232 Gold
3.インヂュニア 500’000 A/M(1990) Ref.IW350801
4.ポケットウォッチ・インヂュニア SL(1983) Ref.IW521502

5.インヂュニア SL クォーツ(1981) Ref.IW330301
6.インヂュニア SL オートマティック(1985) Ref.IW350611
7.インヂュニア・オートマティック(2005) Ref.IW322701
8.インヂュニア・オートマティック・カーボン・パフォーマンス・セラミック(2014) Ref.IW322404
9.インヂュニア・デュアルタイム(2014) Ref.IW324402

最も注目したいのは、今年の新作の直接的なルーツでもある「インヂュニア SL オートマティック(1977) Ref.IW183201」だ。このモデルは、オーデマ ピゲのロイヤル オークやパテック フィリップのノーチラスも手がけた伝説の時計デザイナー、故ジェラルド・ジェンタがデザイン。1954年からあった耐磁性ウオッチに彼なりの解釈を加えて1976年に誕生したモデルである。

ジェラルド・ジェンタデザインにより1976年に製造された、IWCキャリバーA/8541ES搭載の「インヂュニア SL オートマティック」(通称ジャンボ)。Ref.1832。ベゼル上の5つのくぼみや独特の文字盤パターン、ブレス一体型ケースなど、ひと目でそれとわかる個性を持つ

かねてからヴィンテージ市場では人気があり40年以上を経てなおオークションハウスでは100万円前後で取引されていたが、2020年前後から価値が急騰。サザビーズのオークション実績では倍近い金額での落札となっている。さらにリアルタイムでの市場価値がわかる腕時計のグローバルマーケットプレイス「Chrono24」で検索すれば、1970年代製のIW1832に500万円以上の値をつける海外の販売者までいる状況。これは流通量が少なく極めてレアなモデルであることを示している。そして今回の新世代機への移行という話題性。今、インヂュニアは世界的に資産価値が高まっているのである。

こうした歴史的なタイムピースは見られるだけでも貴重な機会だが、それがさらに購入できるとなればIWCファンはもちろん熱心な時計愛好家諸兄もひとまず鑑賞していただきたいところ。なにしろ販売される4本に対し、購入を検討しているライバルは世界中にいるのだから購入できなくてもやむなし。資金があっても必ず手に入るとは限らない。それが、時計コレクターが沼から抜け出せない理由でもあるのだ。

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