6月8日(土)、定禅寺通りに面した正規時計店HF-AGEのパテック フィリップ・コーナーが東北絆祭りの賑わいの中でリニューアルオープンした。WN編集部は、前日に行われたプレスレセプションで新たなコーナーを取材。より広く、充実化した店内について詳報する。
約100平方メートルに増床した最新コンセプトのパテック フィリップ・コーナーが仙台に誕生!
翌日のお祭りの準備のために上空をブルーインパルスが飛行する中、まずはパテック フィリップ・コーナーリニューアルのテープカットセレモニーが行われた。HF-AGE代表取締役の福田さんや茶道家の小堀宗翔さんら4名がレッドカーペットに上がり、挨拶を述べていく。「HF-AGE仙台店は、東北唯一のパテック フィリップ正規店として、多くの皆様に愛されてまいりました。今回のリニューアルに際し、ご協力いただきました皆様に心より感謝を申し上げます」(エイジインターナショナル・福田代表取締役)「HF-AGE様とのお付き合いは、高崎の店舗の奥に構えられた小さなディスプレイから始まりました。それから20年以上を経て、このような素晴らしいコーナーができたことを嬉しく思います」(PP Japan担当者)
スイス高級時計の最高位にあるパテック フィリップは、その希少性から国内でもごく限られた店舗のみでの取り扱いとなっている。福田氏が述べた通り、HF-AGE仙台店は東北6県の中で唯一となるパテック フィリップの正規販売店であり、それだけでも訪れるべき理由となるだろう。
今回、最新コンセプトを導入して生まれ変わったコーナーは延べ床面積を従来の3倍となる約100平方メートルへと拡張。路面にブランドロゴを掲出するなど、さながらブティックの様相を呈している。このブランドのクラスになると、店内にある時計が必ずしもその場で購入できるとは限らないが、展示されている時計を愛でるだけでも眼福である(どのような時計がオーダーできるのかなど、詳細はぜひ店舗に問い合わせてほしい)。
取材当日には特別に店内で多くのタイムピースが展示されていた。写真は【希少なハンドクラフト】5077/100R-057《花柄の着物》クロワゾネ七宝、フランケ七宝、七宝細密画で、伝統的な青い着物の生地を表現。ゴールドの文字盤プレートに施された手作業ギヨシェ装飾のモチーフが、半透明な七宝と通して輝く(フランケ七宝)。このモデルには17色の釉薬が使用され、さらに2色の七宝細密画によりディテールを描いている。ベゼルとラグには112個のダイヤモンド、ピンバックルには29個のダイヤモンドが輝く。自動巻き(Cal.240)。直径38mm
ノーチラス5711/1A-011/2012年に発表されたシルバー・ホワイト文字盤のステンレススチール・モデル。象徴的なケースやブレスレットのデザインを保ちつつ、水平エンボス加工を施した文字盤は、ブラックの指針とアワーマーカーによってコントラストを与えられ、活動的なライフスタイルにふさわしいデザインとなっている。自動巻き(Cal.26-330 S C)。ケース径(10〜4時方向)40mm(厚さ8.3mm)
ノーチラス5711/1A-014/ステンレススチール仕様の5711/1A-010モデルの生産終了に続く形で発表された、オリーブグリーン文字盤を備えたステンレススチール仕様のノーチラス。文字盤のエレガントな色合いはソレイユ仕上げによって強調され、ケースに反射した光と優しく調和するかのよう。自動巻き(Cal.26-330 S C)。ケース径(10〜4時方向)40mm(厚さ8.3mm)
希少なハンドクラフトの1本。5089G-125《蜜柑と花を配した鍔》文字盤の装飾は、日本刀の鍔を飾る蜜柑と花の装飾からインスピレーションを得たもの。イエローゴールドの文字盤プレートに浮彫りされた花飾りは、微細な手彫金にみょって葉脈まで再現。拝見の回転畝織り模様も手彫金で施されている。その後、文字盤プレートを茶色に着色し、サテン仕上げを施してイエローゴールドの色合いを露わにしている中央のモチーフは鍔の開口部をかたどったものイエローゴールドのドフィーヌ型時・分針は、中央に施されたオープンワークと相まって、剣の形を思い起こさせる。自動巻き(Cal.240)。直径38.6mm(厚さ9mm)
左:6007A-001/プラン・レ・ワットの新工場完成を記念する限定制作のタイムピース。 中:6127G-010/ウォッチアート・グランド・エキシビション(東京2023)のプレリュードとして創作された、日本の愛好家のためのリミテッド・エディション。 右:7127G-010/ラック・ライトブルー文字盤6127G-010モデルとペアで販売されたラック・ライラック文字盤のリミテッド・エディション。
【ワールドタイム】左:5231G-001/2022年、文字盤センターにクロワゾネ本七宝で東南アジアとオセアニアの地図を描いた、ホワイトゴールド仕様のニューバージョンとして発表。 右:5131R-011/ルイ・コティエによって発明されたワールドタイム機構を搭載したワールドタイム・タイムピースは、クロワゾネ本七宝の地図で装飾された文字盤を備えたものが多数製作されてきた。この伝統に倣い、このモデルの文字盤センターには、アジア、オセアニア、アメリカの地図を描いたクロワゾネ本七宝が施される。
【175周年モデル】左:5575G-001 ワールドタイム・ムーン/2014年の創業175周年を記念して製作された、文字盤センターの大型の月によるムーンフェイズ表示を備えたワールドタイム・タイムピース。時針には南十字座を彷彿させるオープンワークが施され、地球、月、星の動きがひとつの文字盤に再現されている。 右:5975J-001 マルチスケール・クロノグラフ/創業175周年を記念するタイムピースのひとつであり、特別な計測機能を備えるクロノグラフ・モデルとして創作された。文字盤は、外側から順にテレメーター(距離)、パルスメーター(1分あたりの脈拍数)、タキメーター(速度)のスケールを持つ。
5180/1R-001/スケルトン仕上げのカラトラバ・モデルの、ローズゴールド仕様のニューバージョンとして発表された一本。キャリバー 240が2017年に誕生40周年を迎えたことを記念し、このモデルのムーブメントは、構成部品の一つひとつに微細な透かし細工が施される。手彫金のみで130時間もの作業が必要となる。自動巻きローターにパテック フィリップ・シールのエンブレムが初めて刻まれたタイムピースでもある。
5330G-010/ウォッチアート・グランド・エキシビション(東京2023)の機会に発表されたこのモデルは、現地時刻と同期した日付表示という、特許取得の世界初の機構を搭載している。先端をレッドに塗装したハンマー型透明ガラス製指針で、文字盤外周に日付を表示する。プラム・カラーの文字盤には、センターにて仕上げのギヨシェ装飾が施される。都市表示リングは、日本の象徴である赤い昇る太陽のシンボルを配す。
数多くの現行コレクションが展示された
数多くの現行コレクションが展示された
VIPルーム
パテック フィリップ最新コンセプトに基づくインテリアも見どころ
パテック フィリップ最新コンセプトに基づくインテリアも見どころ
パテック フィリップ最新コンセプトに基づくインテリアも見どころ
パテック フィリップ最新コンセプトに基づくインテリアも見どころ
実際、取材時に訪問した際には私たちメディアでも滅多に目にすることが叶わないモデルが数多く展示されており、昨年に新宿でパテック フィリップが行ったグランドエキシビションの感動が蘇ってきた。同時に、改めて世界の最高峰を目にすることの喜びを感じた次第である。
店内はエントランスと応接スペースがあり、その奥には引き戸のついたVIPルームも併設。東北唯一となるエッセンシャル・メンテナンスルームも設けられており、技術者がストラップ交換やブレスレット調整、バッテリーサービスなどのメンテナンスを行ってくれる。すでにパテック フィリップのオーナーにとっても頼れるショップなのだ。
エッセンシャル・メンテナンスルームでの作業を担当する福田文彦さん
接客にあたるのはスイスにてパテック フィリップの認定を受けた専属スタッフと、ブランド理解と商品知識についても万全。まさしく長年にわたって両社が培ってきた厚い信頼関係なくしては実現しなかった、時計好き感涙のコーナーといえるだろう。
感動中の筆者
雲上ブランドの芸術作の余韻に浸りながら、外に出れば“杜の都”仙台のイメージにふさわしい定禅寺通りのケヤキ並木。今回の取材では、時計文化の素晴らしさを堪能するにはロケーションも極めて重要であること再認識した。
【HF-AGE仙台店】
仙台市青葉区国分町2-14-18 定禅寺パークビル1階
Tel. 022-711-7271 www.hf-age.com
TEXT / Daisuke Suito (WATCHNAVI)
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