<取材協力>
オリス(ORIS)
スイスのグレンヘンからヘルシュタインへとやって来たポール・カッティンとジョルジュ・クリスチャンが、この小さな村に繁栄をもたらす産業として1904年に設立したのが【オリス(ORIS)】の始まりだ。以来、機械式時計の製造に邁進し、人気ジャンルのダイバーズウオッチでもいくつかの名作を輩出してきた。2024年には新コレクション「ダイバーズ デイト」をリリースし、再びこのジャンルで注目を集めている。本記事では、ダイバーズの基本性能を振り返りながら、オリスの最新作がいかに理に適ったモデルなのかを検証する。
海のツールとして生まれたダイバーズ。時代を経てファッションの中心に
ご存知の方も多いだろうが、ダイバーズにはいくつかの“定義”がある。代表的なものが次の5項目だ。
- 1.優れた防水性能:現在は20気圧防水を備えていることが求められる。
- 2.ねじ込み式リューズ:ケースへの水の侵入を防ぐための必須装備。
- 3.視認性の高い文字盤:水中でも瞬時に時間を読み取れるフェイスデザイン。
- 4.文字盤の夜光機能:光が届きにくい暗い水の中でも時間を確認できる。
- 5.逆回転防止ベゼル:潜水時間を正確に計るための機能で、ミニッツスケールなどを搭載。
これらはいずれも、水中においても時計として機能させるために必要な要素。歴史から見るとダイバーズは1950年代にその“定義”が概ね確立され、60年代には海のレジャーとしてスキューバダイビングが広まった背景からニーズが高まった。これとほぼ同時期、ダイバーズをスーツやタキシードと合わせる新たなスタイルが銀幕の中に登場し、そのヒーローを真似るかのように日常のファッションにダイバーズを取り入れる人々が現れた。1960年代というのはこのような自由なカルチャーが育まれた時代で、当時を謳歌した洒落者たちはこぞって所有するダイバーズを自慢したことだろう。
オリス初のダイバーズは1965年にデビュー。そのデザインは永久不変
2024年末のフォーカスコレクションとして発売開始された「ダイバーズ デイト」は、まさに1960年代の雰囲気を感じさせるダイバーズといえる。そもそもオリスは1965年に同社初のダイバーズを発表。当時からオリスは高度な技術と安定した生産体制を整えており、手に取りやすいプロダクトを強みとしていた。そのようなバックグラウンド、ダイバーズの“定義”、そしてスマートなデザインが当時のライフスタイルとマッチし、オリスのダイバーズはロングセラーを記録する。この傑作を再現しながら現代のニーズに合わせてリバイバルリリースしたのが、2015年から現行モデルとしてラインナップされている「ダイバーズ 65」であり、今回の「ダイバーズ デイト」はこの王道デザインとスペックを発展させたコレクションなのだ。
↑オリス初の潜水時計は1965年に登場。海のレジャーに適応する機能と、タウンユースにも映えるデザインが高く評価された。経過分が計れる回転ベゼルも搭載。2015年にオリジナルモデルが復刻され、話題をさらった。
では、オリス初のダイバーズから数えて60周年を記念して製作された「ダイバーズ デイト」の魅力をひも解いていこう。まずはクラシカルな装いに注目してほしい。1960年代のスピリットとスタイルを継承したお馴染みの外観から、使いやすいと感じる人は多いに違いない。ダイバーズの“定義”のひとつ、逆回転防止ベゼルを構成するインサートパーツが本作ではセラミック製へと変更されており、傷や褪色に対しての耐性、グリップ性能も上がっており、艶のあるブラックカラーによって質感も向上。耐久性とデザイン性を両立させたことで、着用するシーンやシーズンを問わないコレクションとなっている。
また、ケースの厚さがわずか12.1mmである点も見逃せない。「ダイバーズ 65」も十分にスリムだが、これを上回るほどの良好なフィット感が得られる。ユーザビリティに重点を置き、細身のラグや膨らみを抑えたケースバックを採用することで、ケースの厚みの数値だけではなく見た目からも薄い印象を与える優れた設計だ。まさにオリスのこだわりが込められたディテールのひとつといえる。
アンダー40mm径のケースに搭載されている「キャリバーOris733(セリタ社製キャリバーSW200-1ベース)」は、これまでも数多く採用されてきた信頼の置ける日付表示付き自動巻きムーブメントだ。パワーリザーブは41時間へと延長されており、以前よりも実用性が上がっている。ハイスペックな自社キャリバーを選択しなかったのは、コストパフォーマンスやメンテナンスの効率性を考慮したためで、既存ムーブメントを巧みにコンパクトなケースに収めることで、創業当初から継続されている手の届くリアルプライスを実現させた。しかも防水性能を20気圧防水とし、本格的なスキューバダイビングにも十分耐えられる仕様となっている。
「ダイバーズ デイト」は、「ダイバーズ 65」から多くの要素を受け継ぐ完成形デザインに加えて、現代のライフスタイルや機械式時計の愉しみ方に主眼を置いたプロダクトだ。外観も内部も洗練された本作には、定番色のブラックのほかに、1960年代のインダストリアルカラーに着想を得たブルーとベージュの文字盤がラインナップされている。この2色は時計界のトレンドといえる「ニュアンスカラー」で、その絶妙なトーンを用いたダイバーズはめずらしい。きっと腕元で特別な存在感を放つことだろう。また、明瞭な視認性をもたらす針とともに蓄光タイプのスーパールミノバが充填されたアワーマーカーからも、オリスの強いこだわりが感じられる。その立体的なメタル縁には傾斜が付けられており、丁寧な面取りもあって読み取りやすさもデザインにおいても質感が高い。なお、風防ガラスは硬質かつクリアなサファイア製。内面無反射コーティングが施されていることと、わずかにカーブしたドーム形状になっていることが、文字盤全体の判読性を上げている。
これらのように、1960年代のダイバーズを好むコアな時計ファンからスマートなダイバーズをリサーチしている若い世代まで、「ダイバーズ デイト」は広い層に響くコレクションといえる。さらに嬉しいことに、「ダイバーズ 65」で好評な往年のリベットデザインのブレスレットとは別に、交換用としてブラックのラバーストラップも付属する。この2種類のバンドの入れ替えは、搭載しているクイックストラップチェンジシステムによって容易に行うことができ、ビジネスツールとして着用する際にはブレスレットを、スポーティなファッションやアクティブに使う日には水洗いしやすいラバーストラップをといった、当日のシーンに合わせたセレクトが可能なのである。
伝統的で機能的なデザインから、ユーザビリティを上げるディテールまで、新作「ダイバーズ デイト」はまさにダイバーズの王道を突き詰めたコレクションという印象だ。遊び心を感じさせる文字盤カラーも、現在必要とされる機械式時計の要素として見事に押さえている。
かつてクオーツ時計が勃興し、スイスブランドにとって“冬の時代”が到来した際もオリスはブレずに機械式時計の製造を貫き、厳しい時代を生き抜いた。その熱きスピリットはブランドスローガン「Go your own way(独自の道を行こう)」となって、「ダイバーズ デイト」の誕生へと繋がっている。
オリス「ダイバーズ デイト」 Ref.01 733 7795 4054-Set 41万8000円/自動巻き(Cal.733-1)、毎時2万8800振動、41時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット(交換用ラバーストラップが付属)。直径39mm。20気圧防水。
【~12月31日(火)まで】特製トートバッグがもらえるORIS 120周年 キャンペーン
2024年11月1日~12月末日まで、オリスの腕時計を購入するとオリジナルの120周年記念トートバッグがもらえる「ORIS 120周年 キャンペーン」を開催中だ。
現在のスイス時計界では少なくなった独立系ブランドであるオリス。その社名は、ヘルシュタインにある本社の近くを流れる小川の名に因んだもので、自然や地元との共生を大切にしながら120年もの長きにわたってクオリティの高い機械式時計を作り続けている。
そんなオリスが今回、全国的なキャンペーンを実施している。開催期間中に新作ダイバーズコレクション「ダイバーズ デイト」をはじめ、オリスの腕時計を購入するとオリジナルトートバッグ(W34.5×H40×D16cm、持ち手の長さ15cm)がもらえる。この冬のコーディネートに、オリスウオッチとブルーキャンバス地のオシャレなバッグを取り入れてみてはいかがだろうか?
◆「ORIS 120周年 キャンペーン」詳細 ◆
特典内容:期間中、キャンペーン実施店舗でオリスの腕時計の購入者に対し、オリス創業120周年を記念して製作されたオリジナルトートバッグを贈呈。
開催期間:2024年11月1日(金)~12月31日(火)
対象モデル:オリスの腕時計 全モデル
※詳細は特設サイト(https://www.gressive.jp/send/brand/241031-oris/)で紹介。キャンペーン実施店舗はコチラ>>>
問い合わせ先:オリスジャパン TEL.03-6260-6876 https://www.oris.ch/ja-JP ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/山口祐也(WATCHNAVI)
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