シンボリックカラーをセラミックケースで表現したオーデマ ピゲ渾身の“ナイトブルー、クラウド50”最新3モデルが登場

創業150周年イヤーに沸くオーデマ ピゲが、ブランドを象徴するカラー“ナイトブルー、クラウド50”カラーをセラミックケースに落とし込んだ最新作を一挙3モデルで登場した。発表となったのは、「ロイヤル オーク ダブル バランスホイール オープンワーク / 41MM」「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ / 42MM」「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ / 43MM」の3本。さっそくこれら新作の開発背景を詳しく見ていこう。

誕生の地ル・ブラッシュにオマージュを捧げる新色セラミック

オーデマ ピゲは今から150年前、ル・ブラッシュにて創業した。同社の時計師たちは何世代にも渡ってその地域の澄んだ夜空を見つめ、時間計測のルーツともいうべき天体の動きを観察し、時計製造のインスピレーションを得てきたのだろう。それが機構面に留まらず、色彩においても想像力やクリエイティビティを育むことにも繋がっていったことも想像に難くない。それを明確に示すタイムピースが、「ロイヤル オーク」である。1972年発表の名作を生み出した時計デザインのレジェンド、ジェラルド・ジェンタは初代機(モデル5402)の文字盤に、まさしくル・ブラッシュの夜空に着想を得た色彩を再現した。そして、これをデザインから製品にしたのが、ジュネーブの文字盤メーカーであったスターン社である。同社は、ザボンと呼ばれる保護ニスにブラックカラーn°50を加えた“ナイトブルー、クラウド50”カラーを開発。この“クラウド”とは、カラー液滴をニス液の中に加えたときにできる模様が雲のようであることに由来する、と言われている。

現在展開されているコレクションの中でも、“ナイトブルー、クラウド50”は特別なカラーとして文字盤に採用されているが、そのレシピはかつてのガルバニックからPVDをベースにした加工法へと進化。変わらず複雑な製造工程ではあるものの、より均一な色味を実現できるようになったという。だが、ここまではあくまで文字盤の話。今回、発表となったのは特に新色の開発が難しいとされているセラミックでの“ナイトブルー、クラウド50”の再現である。実際、オーデマ ピゲのリリースにも開発には数年を要したと記されている。

セラミックは軽量で傷に強いという性質を持つ一方、高硬度ゆえに加工が困難。腕時計のような小さなアイテムであれば、その難易度は飛躍的に高まる。この特殊素材をオーデマ ピゲは1985年以来取り入れてきた。実に40年にわたって向き合ってきた素材でありながら、新色を作り出すまでに長い歳月が必要となるのは理想的な色を均一に出すレシピを確立するため。新たな色のセラミックを作り出すには成分の配合だけでなく、それらの配合に合わせた焼結の時間や収縮率など、多岐に及ぶ条件を整理する必要がある。そのうえでセラミックの堅牢な素材特性を保ち、色を均一にしなければならないのである。文字盤でさえ難しい色彩、セラミックでの再現となればなおさらだろう。

41mm、42mm、43mmの3サイズで3モデルの新型が登場

あらゆる困難を乗り越え、素材開発のある種の限界点を突破したといっても過言ではない今回の新作は、先述の通り3モデルが発表された。1本目は、「ロイヤル オーク ダブル バランスホイール オープンワーク / 41MM」。このモデルは時計全体が“ナイトブルー、クラウド50”カラーのセラミックで製作されている。搭載するのはオーデマ ピゲが2016年に特許を取得したダブル バランス機構を備えるキャリバー3132。ロジウムトーンが際立つオープンワークムーブメントと、ピンクゴールドの針やアワーマーカーなどとのディテールが生み出すコントラストがなんとも印象的な一本である。

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク ダブル バランスホイール オープンワーク / 41MM」Ref.15416CD.OO.1225CD.01 価格要問い合わせ 自動巻き(キャリバー3132)、毎時2万1600振動、約45時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径41mm、厚さ9.7mm。5気圧防水

2本目は「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ / 42MM」で、本機はステンレススチール製の六角形ビスやチタン製リューズトップなどの一部を除き、ほぼすべての外観を“ナイトブルー、クラウド50”で統一。あらゆる素材に同じカラーを採用したスポーティなモノクロデザインは、それだけでも格別の特別感を醸し出している。フライバック機能を有する縦3つ目クロノグラフを備えたメガタペストリー文字盤は、デイトディスクの盤面まで色を揃える念の入れようだ。なお、このモデルで初となる新しいセラミックブレスレットが採用されており、スタッズとリンクを繋ぐピンもシームレスに統合。非常にエレガントな仕上がりとなっている。

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ / 42MM」Ref.26238CD.OO.1300CD.01 価格要問い合わせ 自動巻き(キャリバー4404)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径42mm、厚さ15.3mm。10気圧防水

3本目、最後に取り上げる「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ / 43MM」は少し趣向が異なる一本となっており、ケースにはステンレススチールを採用している。“ナイトブルー、クラウド50”セラミックをベゼル、プッシュボタン、リューズに取り入れ、さらに文字盤とインナーベゼルも同色で統一しているためコントラストが強く、43mmのサイズ感も相まって格別の存在感を放つ。横3つ目のメガタペストリー文字盤が示す通り、本機には自動巻きクロノグラフキャリバー4401を搭載。シースルーバックからは22Kピンクゴールドローターの回転とともに、精緻を極めたメカニズムの鼓動が存分に鑑賞できる。このモデルはセラミックカラーに合わせたインターチェンジャブル仕様のカーフレザーストラップとともに、スポーティな個性を引き立てるブルーラバーストラップも付属する。

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ / 43MM」Ref.26420SO.OO.A029VE.01 616万円 自動巻き(キャリバー4401)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチール+セラミックケース(シースルーバック)。直径43mm、厚さ14.4mm。カーフストラップ(ラバーストラップ付属)。10気圧防水

創業150周年の記念すべき年に披露された、オーデマ ピゲの素材における技術革新。これら3作の発表によってさらなる広がりを見せるであろうオーデマ ピゲの今後のクリエイションにも大いに期待したい。

問い合わせ先:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000 ※価格は記事公開時点の税込価格です。

オーデマ ピゲ公式サイト https://www.audemarspiguet.com/
150周年特設サイト https://150years.audemarspiguet.com/

Text / Daisuke Suito (WATCHNAVI)  Photo / (C) Courtesy of Audemars Piguet

 

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